あけの語りびと

焚き火に魅せられた男性が営む、業界初の「火の専門店」とは?

By -  公開:  更新:

焚き火に魅せられた男性が営む、業界初の「火の専門店」とは?

それぞれの朝は、それぞれの物語を連れてやってきます。

焚き火に魅せられた男性が営む、業界初の「火の専門店」とは?

火とアウトドアの専門店を営む 堀之内健一朗 さん

埼玉県三郷市に住む堀之内健一朗さんは、42歳。最初に火を燃やした記憶は、3歳のとき……宮崎県小林市の実家にあった「五右衛門風呂」に母親と2人で薪をくべた思い出が、いまも残っています。

「小学6年生まで、風呂焚きの手伝いをしましたね。木の枝などを拾って来て、風呂を沸かすと両親が喜んでくれました。張り切りすぎてお湯を沸騰させ、怒られたこともあったっけ……」と笑います。

焚き火に魅せられた男性が営む、業界初の「火の専門店」とは?

堀之内さんのお店にはあらゆる薪が並ぶ

中学生になり、宮崎市内に引っ越すと、その家はガスの風呂釜でした。スイッチをひねると簡単にお湯が沸く……堀之内さんは成長とともに、便利な生活に慣れて行きました。

大学は上京して、東京電機大学へ……親の支援は受けず、新聞奨学生として新聞配達をしながら、大学でコンピュータの情報工学を学びました。就職は大手企業から内々定をもらい、あとは卒業するのみ。そんな21歳のとき、階段から落ちて、脳挫傷という大ケガを負います。

焚き火に魅せられた男性が営む、業界初の「火の専門店」とは?

店内のアウトドア用品もさまざま

ベッドの生活が長く続き、少しずつ体が動くようになると、つらいリハビリが待っていました。ところが若さもあってか、医者が驚くほど奇跡的な回復をみせ、2年半ほどで社会復帰することができました。

堀之内さんは、派遣社員でシステムエンジニアとして働きます。世の中がコンピュータの時代に入り、忙しい毎日を過ごします。仕事ばかりの日々にちょっと息抜きも必要だと思い、趣味で「パラグライダー」を始めました。

焚き火に魅せられた男性が営む、業界初の「火の専門店」とは?

『火とアウトドアの専門 iLbf』店内

「風はパソコンと違って思い通りにならず、それが面白くて、アウトドアの楽しさにハマりましたね。空や雲を見上げるようになり、風を感じるようになりました……」

パラクライダーで知り合った女性と結婚。まさに順風満帆でした。しかし結婚して家庭を持つと、いままでと違った責任感が生まれ、さらに仕事を頑張りすぎてしまい、見えないプレッシャーが堀之内さんの心を蝕んでいました。

焚き火に魅せられた男性が営む、業界初の「火の専門店」とは?

豆炭を使用することで経済的だという『豆炭こたつ』

ある日、妻にこう言われます。「あなた最近、笑顔が消えたわよ。笑わなくなった…」
朝起きると息苦しさ、耳鳴り、冷や汗、動悸……自分が「うつ状態」だと気づきます。働き盛りの30代の半ば、とうとう仕事に行けなくなってしまいます。

「いま思えば、あのとき仕事を辞めたのが良かったですね。妻と一緒にパラグライダーをしたり、車中泊の旅に出かけたり…。その旅先で焚き火をしたんですよ。子供の頃の『五右衛門風呂』のことを思い出して、火を見ていたら、もやもやしたものが消えて行くんです。焚き火は自分をリセットしてくれる、そんな力があると感じましたね」

焚き火に魅せられた男性が営む、業界初の「火の専門店」とは?

「焚き火は自分をリセットしてくれる」と語る堀之内さん

本格的に焚き火をしたくなった堀之内さん、薪を買いに行った先で、運命的な薪と出会います。

「薪の世界にも達人がいて、こだわり抜いた薪を作っているんです。木の種類で燃え方、炎の色、煙りの匂い、燃える音も違います。例えば栗の木は、ボツンパツンボボボ……と楽しい音がするし、桜の木は火がつくと音は静かで、甘い香りが漂います。知れば知るほど薪の魅力に引き込まれた私は、達人の薪を扱うアウトドアショップをやってみたいと思ったんです」

妻に相談すると、「あなた、笑顔が戻って来たわよ。焚き火の話をしているとき、とても楽しそう」と賛成してくれました。こうして堀之内さんは2016年10月、埼玉県三郷市にある、みさと団地内に『火とアウトドアの専門 iLbf(イルビフ)』を開きます。

焚き火に魅せられた男性が営む、業界初の「火の専門店」とは?

『火とアウトドアの専門 iLbf』外観

「火のお店なんて聞いたことがない。夏はどうするの? と心配する声もありましたが、〝焚き火好き〟って思った通り多いんですよ」と堀之内さんの笑顔がはじけます。

これからの夢や目標は何ですか? 堀之内さんにたずねると、すぐにこんな言葉が返って来ました。
「いつまでも笑い続けていたいですね!」

焚き火に魅せられた男性が営む、業界初の「火の専門店」とは?

薪を燃やす火が美しい

店名の「iLbf(イルビフ)」とは、「I Love the bonfire.(私は焚き火が大好きです)」の頭文字だそうです。「iLbf」は業界初の火の専門・アウトドアショップで、店内には焚き火ができる空間まであります。

アウトドアを始めるには、何を買ったらいいですか? と伺うと、「まずは何も買わず、椅子とテーブルとサンドイッチでも持って、外に出かけて食べてみてください。そのとき日差しがまぶしければターフを買えばいいし、温かい物を食べたければコンロを買えばいい。不便を感じて、そこから道具を揃えて行くのがいいですよ。焚き火をしたくなったら、いつでも当店へ遊びに来てください」

焚き火に魅せられた男性が営む、業界初の「火の専門店」とは?
火とアウトドアの専門 iLbf (イルビフ)
アウトドア用品の火を中心にギアの販売。
焚き火台、薪ストーブ、ランタンなどはもちろん、個性的な演出のギアを収集して販売しています。

住所:〒341-0003
埼玉県三郷市彦成4-4-17 みさと団地南商店街104
電話:048-951-4949
営業時間:
■月・火 12:00〜
■水・金 11:00〜
■土・日 10:00〜
CLOSE 〜19:00(土曜のみ20:00)
定休日 木曜日(不定休)

アクセス:JR武蔵野線 新三郷駅 西口徒歩7分
駐車場:埼玉県三郷市彦成4-4-19
※カーナビでお越しの場合は駐車場の住所をご指定ください。

上柳昌彦 あさぼらけ
FM93AM1242ニッポン放送 月曜 5:00-6:00 火-金 4:30-6:00

朗読BGM作曲・演奏 森丘ヒロキ

 

番組情報

上柳昌彦 あさぼらけ

月曜 5:00-6:00 火-金曜 4:30-6:00

番組HP

眠い朝、辛い朝、元気な朝、、、、それぞれの気持ちをもって朝を迎える皆さん一人一人に その日一日を10%前向きになってもらえるように心がけているトークラジオ

Page top