【ライター望月の駅弁膝栗毛】
6月16日で大船~横須賀間が開業130周年を迎える横須賀線。
逗子までは多くの列車が15両編成で運行されますが、逗子~久里浜間は前4両を切り離した11両、あるいは4両の短い編成で運行される列車も数多くあります。
特に日中、逗子~久里浜間で運行される区間列車は、概ねグリーン車なしの4両編成。
東京から1時間あまりで、プチローカル線気分が味わえるのも横須賀線の特色です。
明治22(1889)年、横須賀線の終着駅として開業した「横須賀駅」。
現在の駅舎は、昭和15(1940)年に改築されたもので、レトロな雰囲気を残しています。
この横須賀駅周辺をメイン会場に、今週末行われるのが「よこすかYYのりものフェスタ」。
鉄道はもちろん自動車、さらには海上自衛隊の艦艇まで登場するのが、横須賀ならでは!
JR横須賀駅には、伊豆急行の「リゾート21」もお目見えすることになっています。
そんな三浦半島を南下する横須賀線の旅にピッタリの「大船軒」の駅弁と言えば、「三崎の鮪づくし弁当」(1100円)。
今年(2019年)3月21日に発売されたばかりの新作駅弁です。
漁船の大漁旗を彷彿とさせる掛け紙には、サイドとなる部分にTVの“ワイプ画面”のように中味の写真も入って、いまどきの駅弁ニーズにもしっかりと応えています。
【お品書き】
・白飯
・三崎の鮪カツ 自家製ソースがけ
・大根と三崎鮪の揚げ煮
・三崎の鮪フレーク
・玉子そぼろ グリンピース
・蒲鉾
・三崎のひじき煮
・椎茸煮 インゲン
・大根漬け
鮪カツ、鮪フレークに鮪の揚げ煮と、鮪が3つの味で楽しめる「三崎の鮪づくし弁当」。
鮪カツは大船軒オリジナルのソースが、たっぷりしみ込んで、冷めても美味しい味わい。
鮪と玉子そぼろ、さらに三崎産のひじきの煮物もご飯の上に載っていて箸が進みます。
おかずは鮪の揚げ煮の食感がよく、軟らかく煮つけられた大根とよく合います。
三崎までは足を伸ばせないけれど、横須賀線でプチ三崎気分を味わうには最高の駅弁です。
横須賀線は、昭和19(1944)年に横須賀から先、久里浜まで延伸されました。
これも軍事的な要請に基づいたもので、いまも横須賀~久里浜間は単線となっています。
また、田浦周辺をはじめ、横須賀までの各トンネルはレンガ造りなのに対し、横須賀以南のトンネルはコンクリートなのも、造られた時代の移り変わりを感じさせます。
鉄道好き、歴史好きにはたまらない横須賀線の旅です。
(参考)横須賀市、神奈川県各ホームページ
連載情報
ライター望月の駅弁膝栗毛
「駅弁」食べ歩き15年の放送作家が「1日1駅弁」ひたすら紹介!
著者:望月崇史
昭和50(1975)年、静岡県生まれ。早稲田大学在学中から、放送作家に。ラジオ番組をきっかけに始めた全国の駅弁食べ歩きは15年以上、およそ5000個!放送の合間に、ひたすら鉄道に乗り、駅弁を食して温泉に入る生活を送る。ニッポン放送「ライター望月の駅弁膝栗毛」における1日1駅弁のウェブサイト連載をはじめ、「鉄道のある旅」をテーマとした記事の連載を行っている。日本旅のペンクラブ理事。
駅弁ブログ・ライター望月の駅弁いい気分 https://ameblo.jp/ekiben-e-kibun/