高松駅「さぬき旅情」(1100円)~四国のJR線130周年!
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【ライター望月の駅弁膝栗毛】
岡山~松山間を結ぶ特急「しおかぜ」と、高松~松山間を結ぶ特急「いしづち」。
平成26(2014)年に登場したJR四国の8600系電車は、SLっぽい顔つきですが、普通車にも全席コンセントが付いた、最新タイプの車両です。
この「しおかぜ・いしづち」号が走るJR予讃線の丸亀~多度津間と、土讃線の多度津~琴平間は、明治22(1889)年に「讃岐鉄道」として開業、四国のJR線の礎となりました。
「讃岐鉄道」の開業から、今年(2019年)で130周年の節目を迎えました。
この鉄道を開業させたのは、多度津出身の影山甚右衛門という人物。
新橋~横浜間の鉄道開業に触発され、当時、金毘羅参りの玄関口として港が賑わっていた丸亀・多度津と琴平を結ぶ鉄道を作ったという訳なんですね。
多度津駅前には四国の鉄道100年の際、8620形蒸気機関車の動輪が設置されました。
(参考)香川県教育委員会ホームページ
この「讃岐鉄道」130周年を記念した駅弁「さぬき旅情」(1100円)が、今年春、「ステーションクリエイト東四国(高松駅弁)」から発売されました。
香川の様々な郷土の味が1つの折で楽しめる駅弁で、早速好評を博しているとのこと。
近代的な瀬戸大橋と、レトロな雰囲気にリニューアルされた琴平駅の写真が用いられた駅弁の掛け紙にも、「讃岐鉄道130周年」の文字が躍ります。
【おしながき】
・焼き穴子の五目寿し
(酢飯、焼き穴子、金時豆、錦糸玉子、玉子焼き、椎茸煮、人参煮、絹さや、紅生姜)
・鰆の西京焼き
・さつま揚げ
・ごぼうの甘辛煮
・小だこの甘辛煮
・伊吹産いりこの磯辺揚げ
・牛肉のしぐれ煮(希少糖、小豆島産醤油入り)
・まんばのけんちゃん(万葉の炒め煮)
・しょうゆ豆
SL型のバランが添えられ、華やかな彩りが目を引く、焼き穴子の五目寿司がメイン。
これに観音寺市の特産・伊吹産いりこの天ぷらや小豆島産の醤油を使った牛肉のしぐれ煮など、バラエティ豊かなおかずが脇をしっかり固めていて、食べ応えある駅弁です。
ちなみに“まんばのけんちゃん”とは、高菜の一種・万葉の炒め煮で香川県の郷土料理。
「けんちゃん」とは、中国由来のしっぽく料理「けんちん」が訛ったとか!?
(参考)香川県ホームページ
こんぴらさんへの参詣客輸送をきっかけに生まれた「讃岐鉄道」のルートをなぞるように、多度津から左へカーブを描いて、土讃線へ入って来た高知行の特急「南風(なんぷう)」。
善通寺、琴平と停まっていく列車のなかには、お遍路さんの姿を見かけることもあります。
この夏は、web限定でお得な「夏休み四国満喫きっぷ」も販売されている四国のJR線。
130周年の節目だからこそ、鉄道で訪れたい夏の四国です。
連載情報
ライター望月の駅弁膝栗毛
「駅弁」食べ歩き15年の放送作家が「1日1駅弁」ひたすら紹介!
著者:望月崇史
昭和50(1975)年、静岡県生まれ。早稲田大学在学中から、放送作家に。ラジオ番組をきっかけに始めた全国の駅弁食べ歩きは15年以上、およそ5000個!放送の合間に、ひたすら鉄道に乗り、駅弁を食して温泉に入る生活を送る。ニッポン放送「ライター望月の駅弁膝栗毛」における1日1駅弁のウェブサイト連載をはじめ、「鉄道のある旅」をテーマとした記事の連載を行っている。日本旅のペンクラブ理事。
駅弁ブログ・ライター望月の駅弁いい気分 https://ameblo.jp/ekiben-e-kibun/