【ライター望月の駅弁膝栗毛】
東北本線・宇都宮~黒磯間を中心に活躍する205系電車。
かつては京葉線などを走っていた車両が、帯の色を変えて4両の短い編成になり、トイレが設置されるなどのリニューアルを経て、栃木県北部のローカル輸送に従事しています。
1両4ドアはそのままですが、ドアは押しボタン式に改造され、開閉は自分で行うのが基本。
地元の方は、他に降りる人がいなければ、自分で「閉」ボタンも押して下車していきます。
鉄道車両は、リニューアルされながら長年にわたって使われていきますが、ロングセラーの駅弁もリニューアルを行いながら、各駅の鉄道文化として定着していきます。
宇都宮駅弁の定番だった「とりめし」も、この春、大きくリニューアルを受けて、「いっこく野州どり弁当」(850円)に改められました。
製造・販売はもちろん、明治26(1893)年創業の「松廼家」です。
【おしながき】
・茶飯
・いっこく野州どりの照り焼き
・いっこく野州どりのつくね寄せ
・いっこく野州どりのそぼろ
・玉子そぼろ
・煮玉子
・わさび菜漬け
名前に“いっこく野州どり”が入って、よりご当地の味を推してきた「いっこく野州どり弁当」。
従来は一面の鶏そぼろでしたが、玉子そぼろと煮玉子が入って味にアクセントが付いた上、見た目も彩りが華やかになりました。
根強い人気のつくね寄せは残し、鶏肉の照り焼きは食べやすいように一口サイズにカット。
それで800円台に抑えているわけですから、なかなかいいリニューアルではないでしょうか。
東北新幹線の一部の列車には、昔、「こまち」として活躍したE3系新幹線電車を連結した、16両編成の「やまびこ・なすの」号がやって来ることもあります。
元「こまち」のE3系電車は、山形新幹線の「とれいゆつばさ」、上越新幹線の「現美新幹線」など、新幹線では珍しい観光列車にリニューアルを受けている車両もあります。
駅弁も鉄道車両もリニューアルを受けながら、息の長い活躍を見たいものです。
連載情報
ライター望月の駅弁膝栗毛
「駅弁」食べ歩き15年の放送作家が「1日1駅弁」ひたすら紹介!
著者:望月崇史
昭和50(1975)年、静岡県生まれ。早稲田大学在学中から、放送作家に。ラジオ番組をきっかけに始めた全国の駅弁食べ歩きは15年以上、およそ5000個!放送の合間に、ひたすら鉄道に乗り、駅弁を食して温泉に入る生活を送る。ニッポン放送「ライター望月の駅弁膝栗毛」における1日1駅弁のウェブサイト連載をはじめ、「鉄道のある旅」をテーマとした記事の連載を行っている。日本旅のペンクラブ理事。
駅弁ブログ・ライター望月の駅弁いい気分 https://ameblo.jp/ekiben-e-kibun/