【ライター望月の駅弁膝栗毛】
岡山県三大河川の1つ・吉井川を渡って行く、岡山始発東京行の新幹線「ひかり」号。
岡山を3分前に発車する「のぞみ」号には、東京着で1時間あまりの差を付けられ、4時間20分近い所要時間がかかりますが、新幹線各駅の様々な需要に応える列車です。
山陽新幹線では各駅に停まり、本数の少ない「こだま」を補完する一方、東海道新幹線では静岡・浜松停車の「ひかり」として、静岡地区の速達サービスに貢献しています。
現在、東海道・山陽新幹線の定期列車は、東京~広島間で「のぞみ」が毎時3本以上。
これに岡山までは先の「ひかり」、さらに新大阪以西の「こだま」や山陽・九州新幹線直通の「みずほ」「さくら」も走り、山陽新幹線はバラエティ豊かな路線となっています。
そんな山陽新幹線を存分に楽しめるのが岡山県瀬戸内市の「おさふねサービスエリア」。
JR赤穂線・香登(かがと)駅から歩いて15分ほどの国道2号沿いにあります。
国道2号利用者のドライブインとして、古くから人気を誇る「おさふねサービスエリア」。
「長船(おさふね)温泉」という冷鉱泉の源泉も持っているので、温泉も楽しめます。
じつはこの「おさふねサービスエリア」のレストランで食事をしたり、土産物店で一定の買い物を楽しまれた方には、希望すると展望デッキに案内してもらえる特典があります。
私も「えびめしセット」をいただいて、早速、デッキにご案内いただきますと…?
これは素晴らしい!
岡山駅を出て6~7分、16両編成の「のぞみ」が大迫力で吉井川を渡って行きます。
特に毎時25分過ぎからのおよそ15分間は、のぞみ→ひかり→のぞみ→さくらの順に上り・新大阪方面行きの新幹線が続けてやって来るゴールデンタイム。
地元の経済に貢献しながら、安全に新幹線撮影を楽しめるのはいいことですね。
そんな瀬戸内市でのんびりと山陽新幹線の列車が走る風景を楽しんだ旅の思い出と共に、岡山の駅弁をいただくなら、「三好野本店」の「山陽新幹線40年旅物語 せとうち日和」(1000円)でしょうか。
平成27(2015)年の山陽新幹線開業40周年を記念して生まれた駅弁で、いまではすっかり岡山駅弁の定番に仲間入りしています。
【おしながき】
・あなご飯
・俵型おにぎり(赤米入りご飯・白飯)
・岡山県産豚の唐揚げ 黒酢あん(赤ピーマン添え) 玉ねぎ炒め
・開き海老の天ぷら
・鶏の照り焼き
・しらすと小松菜のお浸し
・茄子と人参のそぼろあん いんげん
・蓮根の辛子マヨネーズ和え(むき枝豆添え)
・ひじきと野菜煮
・さつま芋きんとん
岡山ゆかりの食材が、様々な味で楽しめる駅弁です。
ご飯はあなご飯とおにぎりの2種類。
おにぎりは海苔を巻いた白飯が2個、岡山県産赤米入りが1個となっています。
ちょっと面白いのは、岡山県産豚の唐揚げで黒酢あんが食欲をそそります。
デザートにさつま芋のきんとんも付いてくるのが嬉しいですね。
山陽新幹線区間では、「ひかりレールスター」の主力として活躍した700系新幹線電車が、新幹線の各駅に停まる「こだま」として活躍中。
このほか平成22(2010)年まで東京まで乗り入れていた500系新幹線電車も、8両編成の「こだま」として走る時間帯があります。
様々な車両を見て、撮って、乗って、楽しみたい「山陽新幹線」の旅です。
連載情報
ライター望月の駅弁膝栗毛
「駅弁」食べ歩き15年の放送作家が「1日1駅弁」ひたすら紹介!
著者:望月崇史
昭和50(1975)年、静岡県生まれ。早稲田大学在学中から、放送作家に。ラジオ番組をきっかけに始めた全国の駅弁食べ歩きは15年以上、およそ5000個!放送の合間に、ひたすら鉄道に乗り、駅弁を食して温泉に入る生活を送る。ニッポン放送「ライター望月の駅弁膝栗毛」における1日1駅弁のウェブサイト連載をはじめ、「鉄道のある旅」をテーマとした記事の連載を行っている。日本旅のペンクラブ理事。
駅弁ブログ・ライター望月の駅弁いい気分 https://ameblo.jp/ekiben-e-kibun/