黒木瞳がパーソナリティを務める番組「あさナビ」(ニッポン放送)に、月刊『現代農業』編集長・石川啓道が出演。記事を構成している“農家の知恵”のいくつかを紹介した。
黒木)今週のゲストは農業の専門雑誌、『現代農業』編集長の石川啓道さんです。改めて『現代農業』という雑誌がどういうものなのかを伺いたいのですが。
石川)「農家が作る雑誌」というコンセプトです。300ページ以上ある月刊雑誌で、主に特徴が2つありまして、1つは原稿の半分ほどを農家の方が直接書いています。もう1つは職員のおよそ半分の80人ほどが、全国の農村を毎日回って、そこからリアルな情報を集めて記事にしています。今年(2019年)の4月に新人職員が10人ほど入りまして、みんなで長野県を回りました。そこでも、いろいろな情報を集めました。「へぇ」と思ったのが、スギナという草があるのですが、長野の塩尻市の農家の方が、スギナの茎をおひたしにしたり、酢物にして食べると美味しいと言うのです。
黒木)へぇー。
石川)こんな食べ方があるのだと思って。
黒木)スギナを食べる。
石川)はい、美味しく食べる。もう1つは飯田市の農家で、稲づくりの上手な方なのですが、田んぼのあぜ道がありますよね。あぜ道にハーブのアップルミントを植えると、カメムシが来なくなる。
黒木)ミントの香りで。
石川)ミントの香りで。柿の下にもそのミントを植えていて、やはり虫が来ないのだそうです。「アップルミントのカーペットは最高だ」と言っています。
黒木)本当に農家の方のリアルな声を、そのまま雑誌に載せるということですね。
石川)そういう情報が日々集まって来ますので、そこから企画を考えて、季節に合わせて記事を出して行く。そういう雑誌ですね。
黒木)この『現代農業』は本屋さんで買えるのですよね?
石川)全国の書店で購入できます。
黒木)これは7月号ですか?
石川)7月号です。特集のタイトルは『野山で見つかる薬草ガイド・体にいい草、すごい草』です。本当にその辺に生えている雑草が、実はすごい力を秘めているのです。今回は農家の知恵を集めて、その活用事例を掲載しています。
黒木)ヨモギで禁煙に成功とか…。
石川)例えば、ドクダミ。
黒木)ありますね。臭いです。
石川)臭いですね。東京でも生えていますが、鼻炎などで鼻の調子が悪いときには、ドクダミの葉っぱを1枚とって、手で潰して揉んで、鼻に詰める。そうすると鼻がすーっとするらしいのですよ。
黒木)ドクダミ。
石川)私もドクダミ、試してみました。
黒木)いかがでしたか?
石川)最初はかなりきつい匂いがしますね。でも嫌な匂いというよりは、ハーブの刺激的な匂いのような感じがして、「効くな」と思いました。
黒木)これは知られていない情報ですよね。
石川)一般には知られていませんね。
黒木)農家の方に聞いたということですか?
石川)今回は農家の方と、役所の先生と一緒に山に散策に行って、薬草になる草を探しました。ドクダミは先生の方が教えてくれました。
黒木)なるほど。
石川)ドクダミは雑草ですぐ抜いてしまいますが、実はすごい草なのです。漢方の原料になるので、十薬と呼ばれているのですね。
黒木)ドクダミは匂いも独特だから間違わないと思いますが、キチンとした知識がないと間違えてしまいますよね。よくない草もあるから。
石川)そうですね。見分け方も今回の特集に出ています。
石川啓道 / 月刊『現代農業』編集長■1976年、東京生まれ。四国学院大卒。
■1998年、一般社団法人農山漁村文化協会(農文協)に入会。
地域普及部を経て2003年、文化部に所属。
2005年に「現代農業」編集部へ移動し、2017年4月に編集長に就任。
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