大宮駅「てつどうのまち大宮 大宮辨當」(1000円)~令和最初の「鉄道の日」、鉄道のまち・大宮に駅弁の「立ち売り」が登場!

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【ライター望月の駅弁膝栗毛】

大宮駅「てつどうのまち大宮 大宮辨當」(1000円)~令和最初の「鉄道の日」、鉄道のまち・大宮に駅弁の「立ち売り」が登場!

E5系新幹線電車「やまびこ」、東北新幹線・大宮~上野間

明治5(1872)年10月14日、新橋~横浜間に鉄道が開業してから147年。
これを記念して、毎年10月14日は「鉄道の日」となっています。
当時は約29Kmを53分、表定速度(距離を時間で割った速度)は時速32Kmほどでした。
いまや、東北新幹線のE5系新幹線電車は、最高時速320Km。
東京~新青森間の表定速度が、時速215kmを超える「はやぶさ」号もあります。

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W7系新幹線電車「あさま」、東北新幹線・大宮~上野間

東北新幹線の東京~大宮間は、東北・山形・秋田の各新幹線に加え、上越・北陸新幹線と様々な色の新幹線が見られる区間です。
今度は、JR西日本所属のW7系新幹線電車が、「あさま」号としてやって来ました。
台風19号では、長野の車両基地が大きな被害を受けてしまった北陸新幹線。
その被害の大きさに、復旧作業に取り組む関係者の皆さんの苦労がしのばれます。

大宮駅「てつどうのまち大宮 大宮辨當」(1000円)~令和最初の「鉄道の日」、鉄道のまち・大宮に駅弁の「立ち売り」が登場!

大宮駅

そんな東日本エリアの各新幹線が集まる駅・大宮。
この大宮駅と周辺エリアで、「鉄道の日」の10月14日(月・祝)~27日(日)までの予定で開催されているのが、「大宮えきフェス」です。
様々なイベントの1つとして、大宮駅の東西連絡通路では、週末を中心に、全国の駅弁を取り揃えて、駅弁販売が行われています。

大宮駅「てつどうのまち大宮 大宮辨當」(1000円)~令和最初の「鉄道の日」、鉄道のまち・大宮に駅弁の「立ち売り」が登場!

松廼家・星野至紀さん

初日の10月14日には、大宮駅のオリジナル駅弁「大宮辨當」を製造している、宇都宮の駅弁屋さん「松廼家」の星野至紀(ほしの・ゆきのり)さんが登場。
往年の立ち売りを彷彿とさせるいで立ちで、えきフェスのオープニングを盛り上げました。
宇都宮の駅弁で立ち売りと聞きますと、駅弁好きの方なら、きっと思い出される風景があるのではないでしょうか?

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かつての宇都宮駅における、駅弁の立ち売り(平成14(2002)年撮影)

そう、宇都宮駅は、2000年代に入っても駅弁の立ち売りが行われていた駅。
普通列車が1本着く度に、「べんと~!」の渋い売り声が響いていました。
私自身も青春18きっぷ旅では、東北方面との乗り継ぎの際にお世話になったもの。
訪れる度に、駅弁発祥の地とされる宇都宮のプライドを感じさせてくれました。
半世紀近くにわたって立ち売りを続けられた坂本秀浩さんが亡くなって早5年となります。

大宮駅「てつどうのまち大宮 大宮辨當」(1000円)~令和最初の「鉄道の日」、鉄道のまち・大宮に駅弁の「立ち売り」が登場!

松廼家の売り箱

今回、星野さんは、かつて坂本さんが愛用されていた「売り箱」を持って来られました。
坂本さんが使い込んで擦れたベルトも、しみ込んだ汗もそのままだそう。
手にさせてもらうと、ずしりと重い!
これに山のように駅弁を積むわけですから、膝を悪くされていたのも致し方ないのでしょう。
箱自体の重みもさることながら、坂本さんが刻んだ歴史の重みも感じられるようです。

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松廼家・星野さん

さて、松廼家・星野さんがこの日、立ち売りの姿で大宮駅にやって来たのは、他でもなく、「てつどうのまち大宮 大宮辨當」(1000円)のリニューアル新発売PRのため。
大宮弁当」自体は、平成29(2017)年から「松廼家」が手掛けていますが、この度、「鉄道博物館」での販売が始まることに合わせて、リニューアルを敢行。
一層、“てつどうのまち・大宮”を打ち出した形で、10月1日から販売を開始しました。

大宮駅「てつどうのまち大宮 大宮辨當」(1000円)~令和最初の「鉄道の日」、鉄道のまち・大宮に駅弁の「立ち売り」が登場!

大宮辨當

【おしながき】
・紫芋のコロッケ
・高菜にぎり(酢飯・鶏そぼろ入り)
・大宮焼印入り玉子焼き
・ナポリタン 赤パプリカのせ
・サイボク角ソーセージにぎり
・豚のみそ焼き
・オニオンコールスローサラダ(枝豆のせ)
・新生姜スライス

大宮駅「てつどうのまち大宮 大宮辨當」(1000円)~令和最初の「鉄道の日」、鉄道のまち・大宮に駅弁の「立ち売り」が登場!

大宮辨當

リニューアルで、特に目を引くのは、食材の色と新幹線の色をリンクさせたこと。
ふたを開けると、新幹線が上から描かれたシートが入っています。
左から、E3系「つばさ」と紫芋、E5系「はやぶさ」と高菜、E7系「かがやき」と玉子焼き、E6系「こまち」と赤パプリカ、E2系「とき」とソーセージ…といった組み合わせ。
現在開催中の「駅弁味の陣2019」にも“出陣中”です。

大宮駅「てつどうのまち大宮 大宮辨當」(1000円)~令和最初の「鉄道の日」、鉄道のまち・大宮に駅弁の「立ち売り」が登場!

大宮辨當

松廼家・星野さんによると、「鉄道博物館」を訪れる家族連れの皆さんをイメージし、子供たちでもわかりやすい「新幹線」をテーマに、ビジュアル重視の構成にしたのだそう。
そのなかで、埼玉が誇るローカルブランド「サイボクハム」の角ソーセージで埼玉らしさを演出。
さらに、大宮の鉄道マンたちに愛されたという「ナポリタン」が入ったのも特筆すべき点です。
子供はもちろん、大人がいただいても十分OKな駅弁となりました。

大宮駅「てつどうのまち大宮 大宮辨當」(1000円)~令和最初の「鉄道の日」、鉄道のまち・大宮に駅弁の「立ち売り」が登場!

大宮駅限定ランチトートバッグ

ちなみに10月14日に行われた「大宮辨當」の立ち売り販売で、先着300名に記念グッズとしてプレゼントされたのが、「大宮駅限定ランチトートバッグ」。
E5系新幹線電車に、平成27(2015)年の大宮駅開業130周年を記念して誕生したキャラクター「まめお」「まめこ」が描かれています。
大宮駅の待ち合わせスポットと言えば、通称「まめの木」ですよね!

大宮駅「てつどうのまち大宮 大宮辨當」(1000円)~令和最初の「鉄道の日」、鉄道のまち・大宮に駅弁の「立ち売り」が登場!

松廼家・星野さんと大宮駅キャラクター「まめお・まめこ」

この日は、「まめお」と「まめこ」も、立ち売り姿の松廼家・星野さんと一緒に、「大宮辨當」のリニューアル発売を盛り上げ、販売開始時には100人近い皆さんが列を作りました。
なかには、珍しい星野さんの立ち売り姿を見かけて、一緒に記念撮影をされていた方も…。
長年にわたり、宇都宮駅のホームで、様々な人間模様を見つめてきた駅弁の売り箱。
世代は変わっても大事に受け継がれ、お目にかかる機会があるのはとても嬉しいことです。
「鉄道のまち大宮」で「鉄道が生んだ食文化」の重みを感じられた「鉄道の日」となりました。

連載情報

ライター望月の駅弁膝栗毛

「駅弁」食べ歩き15年の放送作家が「1日1駅弁」ひたすら紹介!

著者:望月崇史
昭和50(1975)年、静岡県生まれ。早稲田大学在学中から、放送作家に。ラジオ番組をきっかけに始めた全国の駅弁食べ歩きは15年以上、およそ5000個!放送の合間に、ひたすら鉄道に乗り、駅弁を食して温泉に入る生活を送る。ニッポン放送「ライター望月の駅弁膝栗毛」における1日1駅弁のウェブサイト連載をはじめ、「鉄道のある旅」をテーマとした記事の連載を行っている。日本旅のペンクラブ理事。
駅弁ブログ・ライター望月の駅弁いい気分 https://ameblo.jp/ekiben-e-kibun/

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