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ブックホテル「箱根本箱」~1万2000冊の蔵書と温泉を堪能
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それぞれの朝は、それぞれの物語を連れてやってきます。
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ブックホテル「箱根本箱」公式ホームページより
カレンダーに目を止めますと、「あらら?」とビックリします。来週の25日は「クリスマス」で、再来週の水曜日はもう1月1日…2020年の「元旦」なのですね!
「光陰矢の如し」という言葉を知らなかったわけではありませんが、これほどまでに速いものとは…と、毎年思ってしまいます。
ここまで押し詰まってまいりますと、あわてて考えてしまうのが「正月休みはどう過ごすか?」という問題です。たらふく喰って、たらふく飲んで、初詣に行って…あとは寝て暮らすというのでは、あまりにも芸がない。そんな方のために、ちょっといいホテルの滞在プランをご紹介しましょう。
ただし、今年(2019年)の年末・年始の予約は、これからでは難しい。来年(2020年)のまとまった休みのために参考になさってください。
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ブックホテル「箱根本箱」公式ホームページより
そのホテルは、箱根の強羅にあります。箱根登山鉄道ケーブルカー「中強羅駅」から歩いて4分という便利さですが、台風19号の影響で、箱根登山電車は湯元から強羅駅まで運休が続いています。箱根登山ケーブルカーも工事のために、来年3月まで運休中。でもこの区間は、バスによる代替輸送を実施しています。
このホテルの名前が一風変わっておりまして、『箱根本箱』! 全部で18室のこじんまりとしたホテルですが、最大の特徴は『箱根本箱』という名前からもうかがえます。
吹き抜けのフロアの壁一面に本がぎっしり。窓の外には箱根の山が広がります。管理運営を手がける「自遊人」代表取締役・岩佐十良さんに話をうかがいました。
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ブックホテル「箱根本箱」公式ホームページより
「ここは元々、出版取次の最大手の日本出版販売=日販の保養所でした。2015年の箱根山の噴火を受けて休館していたんですが、私ども自遊人と組んで内部を全面リノベーション。去年(2018年)の夏にオープンしました」
昭和の保養所の面影たっぷりの外観は、あえてそのまま残したと言います。その代わり、玄関のドアが開いた途端、そこはアッとおどろく書物の森! 本好きにはたまらない空間です。『箱根本箱』は、そんなホテルです。
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ブックホテル「箱根本箱」公式ホームページより
アナウンサー仲間は仕事柄、本が好きな人間が多いようです。古くは今仁哲夫さんが、片時も本を手放さない人でした。くり万太郎さん、那須恵理子さんもたいへんな読書家です。
吉田尚記さんは、自称「活字中毒」。電車のなかで文庫本を読み切ってしまうと、車両から車両へと中づり広告を読んで歩くという人間です。かくいう私も、1度に3冊くらいの本を読むという生活を続けています。
こういう人間が、『箱根本箱』のような本の森に1歩足を踏み入れたときの恍惚感は、想像にかたくありません。
『箱根本箱』の蔵書、1万2000冊はすべて新刊! 気に入った本が見つかれば、フロントで買うこともできます。客室や廊下、大浴場の前など、いたるところに本棚があり、「衣・食・住・遊・休・知」と、6つの大まかなテーマの本が並んでいます。
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ブックホテル「箱根本箱」公式ホームページより
面白いのは「あの人の本箱」という企画。各界の著名人が1人10冊~15冊の本を選んで、それを並べた本棚です。選者には作家の西加奈子さんや辻村深月さん、高橋源一郎さん、女優の二階堂ふみさんなど、61人が名前を連ねています。
「『その人を知りたくば、その人の本棚を見よ』という言葉があるのでしょう。つまりその作家に、作品だけでなく蔵書という観点からもアプローチできるわけです」と、岩佐社長は胸を張ります。
今年の「グッドデザイン賞 ベスト100」に選ばれた館内には、いたるところに、読書のために整えられた環境が見受けられます。たとえば館内や客室には、テレビや時計が一切ありません。
「本箱シアター」と名付けられたシアタールームでは、ショートフィルムを上映。全ての部屋には温泉露天風呂と、「あの人の本箱」を設置。1つとして同じ客室がありません。岩佐社長の「リピーターの方が多いんです」という言葉にも、うなづけます。
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ブックホテル「箱根本箱」公式ホームページより
要所要所には遊び心もいっぱい。たとえば、露天風呂のそばには読書ができるハンモック。書棚のなかにすっぽり入って本を読める、読書席も面白い工夫です。
大浴場は乳白色の硫黄泉と美肌の湯、2つの泉質が楽しめる源泉かけ流し。レストランでは、一流シェフが手がけた自然派イタリアンを堪能できます。
こんなホテルの利用者は、悠々自適の年配の方が多いだろうと思いきや、30代を中心に20代、40代を合わせると9割を超えるとか! 若い世代のなかにも、本との出会いを求めている人は沢山いるようです。
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ブックホテル「箱根本箱」公式ホームページより
『本のない部屋は、魂のない肉体のようなものだ』
古代ローマの哲学者:キケロ
上柳昌彦 あさぼらけ
FM93AM1242ニッポン放送 月曜 5:00-6:00 火-金 4:30-6:00
朗読BGM作曲・演奏 森丘ヒロキ