【ライター望月の駅弁膝栗毛】
八ヶ岳の山並みをバックに高原を駆け下る、中央本線のE353系「あずさ」号。
全車指定化で、安心して駅弁をいただくことができる特急列車となりました。
1/27~2/28の一部「あずさ」(東京・新宿~松本間)と、全ての「かいじ」(東京・新宿~甲府・竜王間)には、運賃・特急料金半額の「お先にトクだ値スペシャル」が設定されています。
例年、寒い時期ですが、懐はちょっと温もりを感じられそうなお出かけとなりそうですね。
ちょっぴりトクをしたら、駅弁で奮発したいもの。
中央本線・小淵沢駅、甲府駅などで駅弁を販売するのが、おなじみの「丸政」。
1月21日(火)まで、京王百貨店新宿店で開催されている「第55回・元祖有名駅弁と全国うまいもの大会」でも、実演販売を行っています。
例年、カツサンドや高原野菜とカツの弁当が人気を集めていますが、果たして今回は?
「八ヶ岳高原たまごサンドプレミアム2020」(1200円)で参戦してきました。
丸政のサンドイッチのなかでも人気のある「八ヶ岳高原たまごサンド」。
その2020年プレミアムバージョンとして開発され、黄金の掛け紙が目を引きます。
ふわふわな厚焼き玉子の食感が大きな魅力のサンドイッチ駅弁ですが、果たして、どんなバージョンアップを遂げているのか、さっそく掛け紙を外してみましょう。
定番の厚焼き玉子が、高級感あふれる褐色のパンにサンドされています。
このパンに鼻を近づけると、フワッとオニオンの香りが感じられ、食欲がそそられます。
「丸政」によると、このオニオンブレッド、より一層、地元の農業を盛り上げるべく、地元産の玉ねぎを使って開発したものだそう。
見た目、風味、食感共、確かにプレミアムです。
玉子の「甘み」と、辛子系の「辛み」が、ちょうどいいバランスの「大人のサンドイッチ」です。
分厚い玉子焼きは、甘い印象を受けますが、玉子のよさを引き出した自然な味わい。
そしてパンに塗られている辛子とマスタードのピリ辛感が、心地よく食欲をそそってくれます。
さらに、ひと手間かけたオニオンの風味で、より魅力的なサンドイッチになりました。
「2020」だけと云わず、コスト的に可能なら2021、2022…と成長していくのを見たいものです。
特急「あずさ」は残念ながら小淵沢を通過してしまう列車もありますが、駅弁大会開催中は、京王百貨店の会場に立ち寄ってから列車に乗り込むのも一興。
甲府までの約1時間半、あるいは松本までの約2時間半、小腹を満たすには、サンドイッチくらいの軽食駅弁がちょうどいいのかも。
春にはまだ遠い信濃路ですが、その足取りは軽快なものになりそうです。
連載情報
ライター望月の駅弁膝栗毛
「駅弁」食べ歩き15年の放送作家が「1日1駅弁」ひたすら紹介!
著者:望月崇史
昭和50(1975)年、静岡県生まれ。早稲田大学在学中から、放送作家に。ラジオ番組をきっかけに始めた全国の駅弁食べ歩きは15年以上、およそ5000個!放送の合間に、ひたすら鉄道に乗り、駅弁を食して温泉に入る生活を送る。ニッポン放送「ライター望月の駅弁膝栗毛」における1日1駅弁のウェブサイト連載をはじめ、「鉄道のある旅」をテーマとした記事の連載を行っている。日本旅のペンクラブ理事。
駅弁ブログ・ライター望月の駅弁いい気分 https://ameblo.jp/ekiben-e-kibun/