西明石駅「銀色のひっぱりだこ飯」(1380円)~たこ壺型容器の名物駅弁が「金・銀・銅」揃い踏み!

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【ライター望月の駅弁膝栗毛】

西明石駅「銀色のひっぱりだこ飯」(1380円)~たこ壺型容器の名物駅弁が「金・銀・銅」揃い踏み!

N700A新幹線電車「のぞみ」、山陽新幹線・西明石~姫路間

平成7(1995)年の阪神・淡路大震災から25年。
山陽新幹線は、新大阪~姫路間で大きな被害を受けましたが、JRグループ各社の協力で、必死の復旧作業が行われ、地震発生から81日後の4月8日に運転を再開しました。
一方で震災後、山陽新幹線をはじめ、全国の新幹線で、高架橋、橋やトンネル、駅などの耐震対策が進められていくことになります。

(参考)JR西日本ホームページ、「新幹線ひかり&新幹線100系電車」ほか

西明石駅「銀色のひっぱりだこ飯」(1380円)~たこ壺型容器の名物駅弁が「金・銀・銅」揃い踏み!

223系電車「新快速」、山陽本線・塩屋~須磨間

新幹線の再開に先立つこと1週前の4月1日、阪神間を結ぶ鉄道では最初にJR東海道・山陽本線(神戸線)が運転を再開し、この地域の復興を支えていきました。
当時の私は、高校を卒業し、大学を目指して浪人中。
この日は、刻一刻と被害の拡大が伝えられ、落ち着かないなか、東京・千駄ヶ谷の予備校で、源氏物語・須磨の巻が教材になった古文の問題を解いていた記憶だけが残っています。

西明石駅「銀色のひっぱりだこ飯」(1380円)~たこ壺型容器の名物駅弁が「金・銀・銅」揃い踏み!

淡路屋ブース(2020年・第55回大会)

25年前のいまごろ、第30回の大会が開催されていたのが、京王百貨店新宿店の「元祖有名駅弁と全国うまいもの大会」でした。
当時も参加していたのが、神戸で被災した「淡路屋」。
地元では炊き出しを行う一方、来る復興のため、トラックを使って3日遅れで上京したそう。
震災時の取り組みは、「仙台」の駅弁屋さんにフィードバックされ、2011年に活かされました。

(参考)京王百貨店新宿店ホームページ

西明石駅「銀色のひっぱりだこ飯」(1380円)~たこ壺型容器の名物駅弁が「金・銀・銅」揃い踏み!

淡路屋ブース

今年(2020年)の淡路屋ブースには、金・銀・銅(?)と、3つの“たこ壺”型容器が並びます。
淡路屋の看板駅弁と言えば、震災から3年後、平成10(1998)年の「明石海峡大橋」開通を記念して誕生し、すっかり名物に成長した「ひっぱりだこ飯」。
今回は「黄金の駅弁対決」の1つとして、レギュラー版に加え、「黄金のひっぱりだこ飯」(1380円)、「銀色のひっぱりだこ飯」(1380円)が登場しています。

西明石駅「銀色のひっぱりだこ飯」(1380円)~たこ壺型容器の名物駅弁が「金・銀・銅」揃い踏み!

銀色のひっぱりだこ飯

「黄金のひっぱりだこ飯」は、従来の「金色のひっぱりだこ飯」をグレードアップしたもの。
一方、「銀色のひっぱりだこ飯」は、“金があるなら銀も…”ということで今回の駅弁大会に向けて開発された“新作”です。
そこで、駅弁膝栗毛では、敢えて“銀”に注目!
掛け紙からたこ壺まで、銀色に染まったひっぱりだこ飯…果たしてその中身は?

西明石駅「銀色のひっぱりだこ飯」(1380円)~たこ壺型容器の名物駅弁が「金・銀・銅」揃い踏み!

銀色のひっぱりだこ飯

【おしながき】
・味付けご飯
・明石だこのたこ煮
・たこ天
・銀鮭焼き
・銀杏
・煮物(穴子、椎茸、竹の子、人参)
・菜の花醤油漬け

西明石駅「銀色のひっぱりだこ飯」(1380円)~たこ壺型容器の名物駅弁が「金・銀・銅」揃い踏み!

銀色のひっぱりだこ飯

西明石駅「銀色のひっぱりだこ飯」(1380円)~たこ壺型容器の名物駅弁が「金・銀・銅」揃い踏み!

たこ煮

明石だこを使っているというたこ煮や、ご飯のなかに潜り込んでいるたこ天に加えて、銀鮭焼きに銀杏も入っているのが、「銀色のひっぱりだこ飯」!
たこだけでなく、焼き鮭が入っているのは嬉しい限り。
「淡路屋」によると、「黄金…」が“とびっ子”なのに対し、「銀色…」は“銀鮭”ということで、「銀色…」のほうが、じつはかなりお値打ちなんだそうです。

西明石駅「銀色のひっぱりだこ飯」(1380円)~たこ壺型容器の名物駅弁が「金・銀・銅」揃い踏み!

223系電車「新快速」、山陽本線・須磨~塩屋間

阪神・淡路大震災によって地盤が動き、1m伸びたと云われる明石海峡大橋。
この橋の開通に合わせ発売された「ひっぱりだこ飯」は、その遊び心溢れる容器も相まって、平成を代表する駅弁の1つとなりました。
やわらかく煮つけられた明石だこを噛みしめれば、そのうま味と共にいま、駅弁を食べられる幸せをじんわりと感じることができるでしょう。

連載情報

ライター望月の駅弁膝栗毛

「駅弁」食べ歩き15年の放送作家が「1日1駅弁」ひたすら紹介!

著者:望月崇史
昭和50(1975)年、静岡県生まれ。早稲田大学在学中から、放送作家に。ラジオ番組をきっかけに始めた全国の駅弁食べ歩きは15年以上、およそ5000個!放送の合間に、ひたすら鉄道に乗り、駅弁を食して温泉に入る生活を送る。ニッポン放送「ライター望月の駅弁膝栗毛」における1日1駅弁のウェブサイト連載をはじめ、「鉄道のある旅」をテーマとした記事の連載を行っている。日本旅のペンクラブ理事。
駅弁ブログ・ライター望月の駅弁いい気分 https://ameblo.jp/ekiben-e-kibun/

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