首都封鎖の可能性も~この3週間・4月中旬までが正念場 新型コロナウイルス対策

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ニッポン放送「ザ・フォーカス」(3月24日放送)に中央大学法科大学院教授・弁護士の野村修也が出演。新型コロナウイルス対策によるロックダウン(都市封鎖)の可能性について解説した。

今後の感染拡大に備えた医療体制の強化について説明する小池知事(右から3人め)=新宿区の都庁 撮影日:2020年03月23日 写真提供:産経新聞社

小池都知事、新型コロナウイルスでの首都封鎖の可能性を示唆

23日、東京都は新型コロナウイルスの感染拡大を受け、拡大防止のための新たな対応方針を公表した。小池百合子知事は、新型コロナウイルスの大規模な感染拡大が認められた場合は首都の封鎖、ロックダウンもあり得るとして都民に対し大型イベントの自粛などを改めて求めた。

森田耕次解説委員)東京都は23日、新型コロナウイルスの対策会議を開きまして、4月12日までの大規模イベントの自粛継続を確認しました。小池知事は終了後の記者会見で危機感を訴え、「感染の爆発的な増加を抑え、ロックダウン(都市封鎖)を避けるためにご協力をお願いしたい」と呼びかけました。更に小池知事は「オーバーシュート(爆発的患者の急増)の分かれ道。命を守るための協力をお願いしたい」とも述べています。背景には長く続く自粛や気の緩みへの警戒感があるようで、3連休は桜も開花したということで、花見の名所などには多くの人が出ていましたし、新宿や渋谷の繁華街も人が多かったです。この辺りに危機感を抱いたということなのですね。横文字が多く出てきました。

野村)もともと小池知事は横文字がお好きですからね。こういう言葉が出てくると、どんどん使いたがるところがあるのかもしれません。大事なメッセージは、ここの3週間の間に爆発的な感染状況に至るかもしれないということを都民の皆さんにもう一度伝えたいというものです。どうも私たちのなかにはいわゆるオオカミ少年現象があって、何回も言われてもそれほどじゃなかったときには、次に言われても大丈夫だろうと思いがちなのです。このオオカミ少年という話は、基本的に嘘をつく少年に対する嘘をついてはいけないというメッセージなのですが、もう1つは村人の人たちに安易にそれが起こらないと考えてはいけませんよという教訓も含まれています。そうしなければ、大事にしていた羊たちが本当にオオカミに殺されてしまうというメッセージを思い出して、何回も言われている換気の悪い場所などで集まるのは注意する、手洗いをするということに気を付けるべきだと思います。

新型肺炎拡大 複数の感染者が確認されたライブハウス 撮影日:3月1日午後 大阪市都島区 写真提供:産経新聞社

若者から感染拡大~密閉空間に注意が必要

森田)厚生労働省のクラスター対策班が示した分析結果によると、いまの対策が続けば東京都内では4月8日までに患者が530人、うち重症者が41人出るという試算があったということです。しかも、在留日本人がどんどん帰国して、それが増加して感染が広がることを警戒しているようですね。

野村)専門家会議の報告書を読んでみると、警戒していることは2つあります。1つは、1人がうつす人数です。1人が1人未満にしかうつさないのであれば収束していきますが、1人を超えるということになると、ねずみ算式に増えていってしまいます。そういった数字になっているところが地域によってあります。もう1つは、東京、大阪、名古屋などの大都市圏では感染経路がわからないといったことが増え始めている。これが深刻な問題として扱われています。

森田)小池知事は若い人の行動、軽症者が多く検出が難しいために若い人が感染を拡大させるのを防がなければいけないということで、多数が密集する密閉空間を避けるようにという要請を改めてしていました。

野村)韓国で、かなり感染者の数が多くなりました。その後に検証が行われているわけですが、29%くらいは若者が感染していたと。時系列で見て誰が誰にうつしたのかも見ていくと、若い人たちが先に感染して、その後に高齢者にうつっている。若者ルートで重症者が生まれるという道筋が見えるので、自分自身はかからないと若い人は思いがちですが、自分がきっかけとなって重症者を生むということを深刻に受け止める必要があると思います。

森田)一方で、日本政府は新型コロナウイルスの感染拡大に備える改正特別措置法に基づいて、政府の対策本部を25日にも設置する方向ではないかということです。私権を制限する緊急事態宣言を出すかどうかの議論を進めるには対策本部の設置が前提になるということで、緊急事態宣言が出るのかとも思うのですが。

野村)特措法は段階的にいろいろな施策が用意されているのです。海外でしか感染が起こっていない状況や、国内でも一部しか起こっていない状況、それが全国に蔓延していく状況、と状況ごとに対応が決められているのです。緊急事態宣言というのはかなり急速に全国で蔓延し続けている状態のことを指しているのですが、その前段階で対策本部を立ち上げると、それ以降さまざまな施策が打てるようになってくるのです。その第1段階として、いまは私権の制限などではなく、時限的に内閣総理大臣がトップになって対策を決定していける会議が設置される段階になっているということです。

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ロックダウン(都市封鎖)とは~感染状況によってレベルもさまざま

野村)東京だけ急速に感染者が増えている状態だとすると、むしろ隣接の県を守るために東京からの出入りを防ぐという側面もあるわけです。それに対して関東全域で同じようなことが起こっていればそのエリアはまた考えなければいけないでしょうし、ロックダウンといってもいろいろなレベルのいろいろなやり方があります。実際には緩やかなものとして通勤、通学については出入りができるということも考えられます。

森田)いずれにせよ小池知事が言ったように、この3週間くらいが分岐点ですものね。ここを慎重に過ごしていかなければいけないと。

野村)結局のところ、死亡率に比べて感染者の数が少ないと言われているのは確かにそうなので、無症状で感染している人はけっこういるということなのです。それを踏まえた上でその方々が感染させて爆発的な状況をつくらないために、「密閉空間」「密集」「近距離の会話」という3条件を避けることを徹底していくことが大事だということです。

番組情報

ザ・フォーカス

火曜〜木曜 18:00-21:20

番組HP

錚々たるコメンテーター陣がその日に起きたニュースを解説。佐藤優、河合雅司、野村修也、山本秀也らが日替わりで登場して、当日のニュースをわかりやすく、時には激しく伝えます。
パーソナリティは、ニッポン放送報道部解説委員の森田耕次。帰宅時の情報収集にうってつけの番組です。

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