黒木瞳がパーソナリティを務める番組「あさナビ」(ニッポン放送)にエッセイ漫画家のわたなべぽんが出演。結果的に観察眼を磨くことになった母親との関係について語った。
黒木)今週のゲストはエッセイ漫画家のわたなべぽんさんです。小さいときから自己肯定感が低かったということですが、自らの体験を描くことによって、みんなを励ましているわけですよね。
わたなべ)母がエキセントリックな人で、ずっと母の顔色を見て育って来ました。ダイエット本や片付け本を描いたときの読者さんから、「わたなべぽんさんの観察眼がすごい」という感想をいただくことが多かったのですが、この観察眼はもしかしたら母の顔色を伺っていたときの観察眼なのだろうか、と思うこともあります。母との暮らしは大変な思い出が多かったのですが、いまとなっては、それが自分の糧になっている部分もあるのですね。嫌なことも多かったのですけれども、自分のために昇華できたこともあるので、いまはすべてを感謝しているとは思いませんが、穏やかな気持ちで母のことを考えられるようになりました。
黒木)受け入れられることと、受け入れられないことがあるとは思いますし、これはたぶん、ずっと続いて行くことだろうなと想像します。でも、そういうことが、何冊もの本を生み出しているのですね。読者は裏側まではわからないので、「そうそう」と隠れたことに共感して、アドバイスを受けているという感じです。でも、知れば知るほど「なるほど」と、いま思いました。
わたなべ)家庭環境が複雑な人や、親との関係に問題があったという人からも、メールやお手紙をいただくのですが、「本を読んでだいぶ考え方が変わった」とか、「少し背中を押されたような気持ちになった」と言ってくださる人が多くいらっしゃいます。そう言ってもらえることで、私も同じように読者の方に背中を押されているように思います。同じような道を辿って、同じような石に躓いた者同士が励まし合っているというか、読者さんとはそんな感じがしています。
黒木)そういう内側が見えると、わたなべさんの本がまた違った景色に見えて来る気がします。『やめてみた。』シリーズというのは、やめてみたものやことについて描かれていますが、「これだけはやめられない」というものはありますか?
わたなべ)さすがに『やめてみた。』というタイトルで描いているので、やめられないことは描いていないのですが。
黒木)あるのですか?
わたなべ)あります。旅行先で、ご当地の調味料を買って試すのがすごく好きで、「こんな変な調味料があるんだ」と思い、たくさん買い込んでしまうのです。深夜にご当地サイトをネットで見てしまうと、ついついお取り寄せしたくなり、家に使い切れないほどの調味料が溜まってしまったことがあります。「これはどうにかしないと」と思い、やめようと思ったのですが、やめられません。制限して数は減らしていますけれど、いまも調味料マニアのような感じで、たくさん買っています。
黒木)ご当地の調味料を買うのがやめられない。でも、これは趣味みたいなものですから、1つくらいはないとね。それ以外はないのですか?
わたなべ)晩酌を少し飲み過ぎてしまうのも、やめなくてはと思います。
黒木)それは生きやすいということで、ホドホドに嗜んでいただきたいと思いますけれども。
わたなべ ぽん/漫画家
■山形県出身。第6回コミックエッセイプチ大賞・C賞を受賞しデビュー。
■自らの体験を踏まえたコミックエッセイ漫画が大人気の作者。
<著書>
■AVなど成人男性向け商品を取り扱う古本屋の女性店長を務めた経験をコミカルに描いた『桃色書店へようこそ』。
■作画を手がけた『隠すだけ!貯金術』『家計簿いらずの年間100万円!貯金術』。
■自身のダイエット経験を綿密かつ面白く描いた大ヒットシリーズ!『スリム美人の生活習慣を真似したら1年間で30キロ痩せました』、『もっと!スリム美人の生活習慣を真似したら リバウンドしないでさらに5キロ痩せました』、『初公開!スリム美人の生活習慣を真似して痩せるノート術』。
■自身の汚部屋脱出を描いた『ダメな自分を認めたら 部屋がキレイになりました』。
■また『やめてみた。』『もっと、やめてみた。』シリーズも大ヒット!
■最新作は『さらに、やめてみた。自分のままで生きられるようになる、暮らし方・考え方』(2020年6月2日発売/幻冬舎)。
番組情報
毎朝、さまざまなジャンルのプロフェッショナルをお迎えして、朝の活力になるお話をうかがっていく「あさナビ」。ナビゲーター:黒木瞳