【ライター望月の駅弁膝栗毛】
昭和56(1981)年10月1日のダイヤ改正で、特急「あまぎ」と急行「伊豆」を統合、東京~伊豆急下田・修善寺間の特急として運行を開始した特急「踊り子」。
当時、鳥の名前や自然、旧国名などから採られた列車愛称が多かったなか、文学作品にちなんだ列車のネーミングは、大きなインパクトがあったと記憶しています。
グリーンストライプでおなじみ、国鉄形185系電車の活躍も40年目に入っています。
(参考)名列車列伝シリーズ「特急踊り子」(イカロス出版)ほか
185系電車で忘れられないのは、東海道本線の「普通列車」としても活躍したこと。
早朝、東京から沼津・熱海などへ下って、ラッシュ後の東京行として運行されることが多く、2010年代前半まで運行された、早朝の下り普通列車伊東行は、高い人気を誇りました。
現在、早朝・夜間の185系電車による運行は、有料の通勤列車「湘南ライナー」が中心。
いまや“特急エンブレム”、“ヘッドマーク”のある列車も、すっかり少数派となりました。
鉄道旅の魅力は、何といっても、気兼ねなく「お酒」が呑めること。
「踊り子」に乗り込んだら、まずはビールをプシュ!っとする方もいると思います。
そんな“呑み鉄”派の方に重宝しそうな駅弁「旬彩八角弁当 旅のはじまり」が、小田原・熱海の駅弁を手掛ける「東華軒」から9月1日に登場しました。
掛け紙には富士山や鉄道マン、入鋏された切符が描かれ、旅心をくすぐるデザインです。
【おしながき】
・味付けご飯 錦糸玉子 桜えび唐揚げ 広島菜漬け
・鯵の巻き寿司 梅ちりしそ巻き寿司 わさび漬け
・鶏の照り焼き
・海老の天ぷら
・海苔巻き揚げ蒲串
・あさりの佃煮
・煮物(椎茸、花人参、蓮根、玉こんにゃく、信田巻、筍)
・わさび味噌
ご飯も味ご飯と寿司の2種類、おかずもバラエティ豊かで、いいつまみになりそうな構成。
明治21年創業以来、東海道を代表する駅弁屋さんの1つとして知られる東華軒ですが、じつは「つまみを意識した」駅弁は、これまであまりなかったのだそう。
そこで秋の行楽シーズンに合わせて、新しい機軸の駅弁として開発したと言います。
老舗駅弁屋ながら、コロナ禍でも萎縮せず、新作を出してくれる勇気が「買い」です。
「旬彩八角弁当 旅のはじまり」は、きょう(10月1日)から始まった東日本エリアの駅弁人気投票「駅弁味の陣2020」にもエントリーしています。
そして、Go to トラベルキャンペーンも東京出発が対象に加わって、旅に出かけたくてウズウズしている方も多いことでしょう。
この秋も、旅のはじまりには、「駅弁」をお忘れなく!
連載情報
ライター望月の駅弁膝栗毛
「駅弁」食べ歩き15年の放送作家が「1日1駅弁」ひたすら紹介!
著者:望月崇史
昭和50(1975)年、静岡県生まれ。早稲田大学在学中から、放送作家に。ラジオ番組をきっかけに始めた全国の駅弁食べ歩きは15年以上、およそ5000個!放送の合間に、ひたすら鉄道に乗り、駅弁を食して温泉に入る生活を送る。ニッポン放送「ライター望月の駅弁膝栗毛」における1日1駅弁のウェブサイト連載をはじめ、「鉄道のある旅」をテーマとした記事の連載を行っている。日本旅のペンクラブ理事。
駅弁ブログ・ライター望月の駅弁いい気分 https://ameblo.jp/ekiben-e-kibun/