【ライター望月の駅弁膝栗毛】
新大阪~城崎温泉間を福知山線・山陰本線経由で結んでいる、特急「こうのとり」。
もともとは、昭和61(1986)年11月、国鉄最後のダイヤ改正で誕生した「北近畿」が前身で、平成23(2011)年3月から、但馬地方のシンボルとして親しまれているコウノトリに因んで、いまの愛称に改められました。
現在は赤帯の287系電車、「しらさぎ」から移ってきた289系電車が活躍しています。
(参考)JR西日本ホームページ
城崎温泉駅から5分ほど歩けば、大谿川(おおたにがわ)の柳並木が見えてきます。
城崎温泉は、奈良時代の養老4(720)年、僧侶の道智上人(どうちしょうにん)によって、開かれたと云われており、令和2(2020)年で、開湯1300年を迎えました。
東京の山手線で人身事故に遭ってしまい、城崎で湯治をした体験に基づいて書かれた文豪・志賀直哉の小説『城の崎にて』でもよく知られていますね。
(参考)城崎温泉観光協会公式サイト
柳並木と浴衣がよく似合うまち・城崎温泉。
そんな温泉街の風景を思い浮かべていただきたい駅弁が、神戸を拠点に京阪神の駅弁を手掛ける「淡路屋」の「あっちっち かにめしとすきやき弁当」(1200円)。
スリーブ式の包装にも、柳並木に浴衣姿の女性という、趣ある風景が描かれています。
紐を引き抜いて蒸気で温める加熱式の駅弁で、豊岡駅・城崎温泉駅でも販売があります。
【おしながき】
・かにみそと海苔のご飯
かにのほぐし身煮、かにの爪煮、焼きほたて
・すきやき風ご飯
牛肉煮、糸こんにゃく煮、厚揚げ豆腐煮、青ねぎ煮、人参煮
但馬エリアらしい牛肉のすき焼きごはんと冬が旬のかにめしを、淡路屋十八番の加熱式“あっちっち”容器でいただくことができます。
淡路屋によると、城崎温泉向けに開発されたというコチラの駅弁、城崎温泉駅で販売されている駅弁では、ナンバー1の人気を誇るそう。
冬場は雪も多い但馬地方だけに、加熱式駅弁のぬくぬく感は、本当に有難いですね!
新大阪~城崎温泉間は、特急「こうのとり」で2時間45分あまり。
首都圏・中京圏から城崎温泉へは、京都で山陰本線の特急「きのさき」などに乗り継ぐと、よりスムーズなアクセスが可能です。
お出かけリスクの低い方は万全の対策で、巣ごもりの方は通信販売等で、城崎ゆかりの駅弁をいただきながら、プチ温泉旅気分を味わってみてはいかがでしょうか。
連載情報
ライター望月の駅弁膝栗毛
「駅弁」食べ歩き15年の放送作家が「1日1駅弁」ひたすら紹介!
著者:望月崇史
昭和50(1975)年、静岡県生まれ。早稲田大学在学中から、放送作家に。ラジオ番組をきっかけに始めた全国の駅弁食べ歩きは15年以上、およそ5000個!放送の合間に、ひたすら鉄道に乗り、駅弁を食して温泉に入る生活を送る。ニッポン放送「ライター望月の駅弁膝栗毛」における1日1駅弁のウェブサイト連載をはじめ、「鉄道のある旅」をテーマとした記事の連載を行っている。日本旅のペンクラブ理事。
駅弁ブログ・ライター望月の駅弁いい気分 https://ameblo.jp/ekiben-e-kibun/