黒木瞳がパーソナリティを務める番組「あさナビ」(ニッポン放送)にコーヒーコンサルタントの井崎英典が出演。コーヒーの魅力、また実演を交えて美味しいコーヒーの淹れ方について語った。
黒木)毎日さまざまなジャンルのプロフェッショナルにお話を伺う「あさナビ」、今週のゲストはコーヒーコンサルタントの井崎英典さんです。
井崎)よろしくお願いします。
黒木)2014年にアジア人初のワールド・バリスタ・チャンピオンに輝かれたということです。コーヒーを知り尽くしたスペシャリストでいらっしゃいます。そんな井崎さんがいまから私にコーヒーを淹れてくださるのですよね!
井崎)ご用意させていただきます!
黒木)まずは何から?
井崎)2種類ご用意しております。普段は、お客様にコーヒー豆を焙煎して販売することはしないのですが、特別に、私が焙煎した豆を黒木さんのためにお持ちしました。2種類とも同じエチオピアのコーヒー豆です。コーヒー豆の生産地として有名なシダモというところの、ウォッシュドプロセスというすっきりした花のような香りがすると言われるコーヒーを用意しました。
黒木)同じ豆で2種類?
井崎)焙煎度合いが違うのです。同じコーヒー豆なのですが、1つは浅煎り、もう1つは中深煎りくらいにしてあります。
黒木)どちらから飲んだほうがいいですか?
井崎)浅煎りから行きましょう!
黒木)浅煎りからいただきます。香りがすごくいいです。
井崎)エチオピアの独特の香りですね。浅煎りだと酸味を感じられるのと、香りがしっかり感じられると思います。
黒木)あっさりしているわりには、香りがしっかり漂いますね。
井崎)これがエチオピアの魅力で、花のような香りが特徴的だと言われています。
黒木)コーヒーの香りとしか感想が述べられないのですが、これは花のような香りなのですか?
井崎)そうです。フローラルという言い方をします。「ジャスミンみたいな香りがします」などと言われます。花独特の「フワリ」とした香り、鼻から抜ける香りですね。
黒木)これが浅く焙煎したやつですよね。
井崎)コーヒーはもともと生豆なのですが、そこに熱を与えて焙煎します。言い換えると、熱をそこまで与えていない焙煎具合です。深煎りになると向かう先は何かというと、フライパンで玉ねぎを炒める姿を想像して欲しいのですが、焦げるではないですか。その焦げに向かって行く過程が深煎りになります。
黒木)では深煎りをいただきます。
井崎)少し苦みがあるはずです。どうでしょうか。
黒木)味はこちらのほうが好きです。
井崎)こちらが好みですか! なるほどなるほど。
黒木)なるほど?
井崎)これは本当に好みなのです。コーヒーの面白いところはどこかというと、どちらも品質的には間違っていなくて、趣向の差なのですよ。浅くて香りのいいものが好きという方もいれば、ちょっと深めでコーヒーらしい香りがあるほうが好きという方もいらっしゃる。なるほどな、黒木さんの好みはこっちかという。
黒木)上手にコーヒーを淹れるには、一般家庭だとどうしたらいいですか?
井崎)一般家庭だと、まずは「新鮮なコーヒー豆を買ってください」と言います。お米と一緒だと思っていただいていいのですが、家に世界でいちばんおいしくお米を炊ける炊飯器があったとしても、お米がよくなければ、そのお米以上のクオリティは引き出せないではないですか。それと同じで、まず、「いいコーヒー豆を買いましょう」と言っています。お近くのコーヒー専門店などで、できるだけ新鮮なコーヒー豆を買っていただくのがいいと思います。
井崎英典(いざき・ひでのり)/コーヒーコンサルタント
■1990年生まれ。福岡県出身。
■中学時代に始めたバドミントンのスポーツ特待生として高校に進学。
■高校中退後、父親が経営するコーヒー店を手伝いながらバリスタに。
■通信制高校に通い大検を取得。法政大学国際文化学部への入学を機に、株式会社「丸山珈琲」に入社。
■2012年に史上最年少で「ジャパンバリスタチャンピオンシップ」優勝。
■2013年にも優勝を飾り2連覇を達成。
■2014年の「ワールドバリスタチャンピオンシップ」で優勝。アジア人初の世界チャンピオンとなる。
■2016年に丸山珈琲を退職し、コンサルタントとしてグローバルに活動。年間200日以上を海外で過ごしつつ、国内外で製品開発やコラボレーションを展開。
■日本マクドナルドのコーヒーメニューの監修や、中国で4500店舗を展開して急成長を遂げるコーヒーチェーン店のチーフコーヒーコンサルタントを務めるなど活躍。
■現在はコーヒーの美味しさや魅力を伝える啓発活動を行っている。
番組情報
毎朝、さまざまなジャンルのプロフェッショナルをお迎えして、朝の活力になるお話をうかがっていく「あさナビ」。ナビゲーター:黒木瞳