漁港で釣りをしている人たちの鱗やハラワタを取るサービスも~「宮城漁師酒場 魚谷屋」店長・魚谷浩

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黒木瞳がパーソナリティを務める番組「あさナビ」(ニッポン放送)に「宮城漁師酒場 魚谷屋」店長の魚谷浩が出演。今後の活動について語った。

漁港で釣りをしている人たちの鱗やハラワタを取るサービスも~「宮城漁師酒場 魚谷屋」店長・魚谷浩

魚谷浩

黒木)今週のゲストは東京・中野にある「宮城漁師酒場 魚谷屋」店長の魚谷浩さんです。魚谷さんという名前が本名だと伺って、なるべくしてなられたように思いますけれど。

魚谷)そうですね、私自身、名前に運命を感じたのはここ数年です。宮城に行ってからですね。それまで食の仕事をしていましたが、そこまで自分の名前がリンクすることはありませんでした。宮城の漁師さんなどと水産業についていろいろやって行くなかで、「そういえば41年間、頭から魚が離れたことがないな」ということに気づき、ますます自分の姓に誇りを持てるようになりましたね。

黒木)新たに考えていらっしゃることなどはありますか?

魚谷)コロナ禍では、これまでのようにまな板の上で調理するだけではなく、YouTubeチャンネルを開設したり、ECでのお魚さばき教室のお手伝いをするという、オンライン上でのことに前向きに挑戦して来ました。これからはオンラインとオフラインの場のメリハリをしっかりつけて、両方の重要性を発信する必要があるなと思っています。今回得たオンラインの知識は継続しながら、対面でできることをやって行きたいと思っています。

黒木)リアルの場でもということですね。

魚谷)そのなかで1つ構想があります。料理人が自ら漁港などに出向き、漁港で釣りをしている人たちの鱗やエラやハラワタを取るサービスをしてあげるということです。釣り人は増えているけれども、その釣り人がすべての魚を持って帰ってくれていればハッピーなのですが、小さい魚などは、食べにくいなどの理由からリリースするのです。でも人が触った魚は、リリースされても長く生きることができません。人間の体温は触ると魚がやけどすると言われるくらい、魚にとっては高温なのです。そういうことを配慮してリリースするプロの方もいますが、釣りを始めたばかりの人などは、そこまでデリケートに扱わないので、小魚をそのまま逃がしてしまう。その結果、逃がされても死んでしまう。死んだ魚は生きている魚に食べられればいいのですが、そのままだと海の底に沈み、ヘドロになってしまいます。そうすると海が汚れてしまいます。

黒木)そうですね。

魚谷)私は漁業者と一緒に水産を支えながらやっているのですが、釣り人にも一緒に海を育ててもらうサポートができるのではないかと思っています。釣りをしたお父さんが処置された魚を持って帰ると、奥さんは喜んでくださるのではないかと思います。もうハラワタは取れているので、焼くだけ煮るだけ。何なら「真空パックにしておくので、帰ったら冷凍してくださいね」というようなサービスを今後料理人として、海に寄り添う形でやりたいなと思っています。漁協さんや組合の方々の了承さえ得ればできると思っているので、「釣りで町おこしをしたい」という地域があれば喜んで行きます。

黒木)それは面白い試みですね。

魚谷)釣りを町おこしに使いたい自治体もあるにはあるので、そういうところに行って、みんなで海をきれいにして行く、そういう意識に料理人は寄り添えると思っています。

漁港で釣りをしている人たちの鱗やハラワタを取るサービスも~「宮城漁師酒場 魚谷屋」店長・魚谷浩

魚谷浩

魚谷浩(うおたに・ひろし)/「宮城漁師酒場 魚谷屋」店長

■1979年・兵庫県神戸市生まれ。
■小さなころから料理に興味があり、幼少時から母親の手伝いでキッチンに立っていた。
■学生時代は香川県で過ごし、アルバイトをきっかけに飲食を仕事にして行こうと決意。以来、マネジメントも学びながら食の仕事に従事。
■2011年の独立を目標に10年間勤めていた飲食企業を退社。同時期に東日本大震災が起こり、独立を延期しボランティアに参加。
■震災復興で訪れた宮城の漁師町で多くの人々の気持ちと触れ合い、宮城の魅力を発信しながら宮城のみんなと一緒に元気になれる店を開こうと発起。
■2015年、地方のPRを兼ねた飲食店を開業するため東京に移住。
■2016年6月、これまでに出会った仲間とともに『宮城漁師酒場 魚谷屋』を開業。
■現在「宮城漁師酒場 魚谷屋」店主を務める。

<宮城漁師酒場 魚谷屋>
■東京都中野区に2016年開業。豪快さとスタイリッシュさを兼ね備えた漁師酒場。
■クラウドファンディングで支援を募集し、開店に至った。
■生産者の思いをダイレクトに伝える漁師直営の居酒屋で、グランドメニューがなく、その時期の最高に自信を持っておすすめできる食材だけを、漁師がプライドをかけて直送。毎月変わるメニューが人気。月に1度、漁師が来店し、漁師と語ることもできる。

<フィッシャーマン・ジャパン>
■「漁業をカッコよく」をコンセプトに集まった東北の若手漁師集団。一般社団法人。
■魚谷屋は、この一般社団法人フィッシャーマン・ジャパンを母体とした株式会社フィッシャーマン・ジャパン・マーケティングが運営。

番組情報

黒木瞳のあさナビ

毎週月曜〜金曜 6:41 - 6:47

番組HP

毎朝、さまざまなジャンルのプロフェッショナルをお迎えして、朝の活力になるお話をうかがっていく「あさナビ」。ナビゲーター:黒木瞳

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