子どもを「手足口病」から守る方法
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東京都医師会理事で「かずえキッズクリニック」院長の小児科医、川上一恵氏が7月29日、ニッポン放送「モーニングライフアップ 今日の早起きドクター」に出演。今シーズン流行が予想される子どもの感染症について解説した。
夏に流行る「手足口病」「咽頭結膜熱」「エンテロウイルス感染症」
飯田浩司アナウンサー)去年(2020年)はRSウイルス感染症も含めて、手洗いやうがいの効果なのか、抑制できたという話ですが、他に注意すべき子どもの感染症はありますか?
川上)例年ですと、この時期から「手足口病」や「咽頭結膜熱」、俗に言うプール熱ですね。それから「エンテロウイルス感染症」という、ウイルスによるお腹に来る風邪です。こういうものが流行る季節になります。
飯田)ご覧になっていて、いまのところどうですか?
川上)まだ出ていないです。ただ、例年であれば、いまくらいの時期から流行り始めるので、「早く夏休みになってください」と私たちは願います。
飯田)なるほど。集団生活をしていると、感染が拡大してしまうので。
川上)そうですね。まだ今年(2021年)は聞かないです。ただ、今回のRSのようなことがありますので、油断してはいけないと思っています。
手足口病を防ぐには、手洗いをし、他の人と共通のタオルを使わないこと
飯田)いまお話が出ました手足口病ですけれども、手などに水膨れができたりします。子どものころは典型的な病気だと思いますが、どのようなところに気を付ければよいですか?
川上)手足口病は口から入ると言われていますので、手洗いをしっかりすることです。それから、タオルの交換。お家でしたらペーパータオルを使うか、家庭内でも共通のタオルはできるだけこまめに変える。学校でしたらマイハンカチ、マイタオルでそれぞれ個別に拭くことが必要だと思います。
大人が罹ると辛い手足口病
飯田)親からの感染や、子どもから親へということはあるのですか?
川上)あります。手足口病は大人が罹ると辛いです。子どもは水疱ができて痛いと言いますが、口のなかにできなければ割と元気なのです。ところが、もらった親御さんは、足の裏に水疱ができると「歩けない」という訴えが多いです。
飯田)熱が出ることよりも、そちらの痛みですか。
川上)「針の山を歩いているみたい」と表現されるくらい痛いとおっしゃいます。
今年も南半球でインフルエンザは流行っていない~それでもワクチンで予防できる病気は可能な限り予防するべき
飯田)油断してはならないわけですね。以前、先生からお話を伺ったなかで印象的だったのが、インフルエンザは夏からすでに流行が始まるということでしたが、今年はどうですか?
川上)現在、日本での報告はほとんど上がっていません。いま南半球のオーストラリアなどはちょうど流行期に入りますので、私たちはそこを注目して見ているのですが、新型コロナの影響なのか、今シーズンもあまり流行っていないと聞いています。
飯田)今シーズンも、ということは、去年もそうだったということですか?
川上)去年も「南半球で流行がない」と聞いていて、私たちも冬を迎えたわけですけれど、日本でもほぼゼロに近かったです。今年もオーストラリアではそれほど流行っていないと聞いていますので、「もしかしたら、今シーズンもないのかな」という淡い期待は抱いています。
飯田)そういうニュースを聞くと、「今年はワクチンを打たなくてもいいか」という人が出てしまうと思うのですが、それはまた別の話ですか?
川上)また別ですね。一度流行ればインフルエンザはあっという間に拡大してしまいます。そういう意味では、「ワクチンで予防できる病気は、可能な限り予防する」ということが大切でしょう。
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飯田浩司アナウンサーと新行市佳アナウンサーが、健康に関する疑問や予防法、症状、治療法などを聞きます