57年前の「あのとき」に駅弁でタイムトリップ!
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「駅弁」食べ歩き20年・5000個の放送作家・ライター望月が、自分の足で現地へ足を運びながら名作・新作合わせて、「いま味わうべき駅弁」をご紹介します。
今年(2021年)、57年ぶりに日本で開催されている世界的なスポーツイベント。「あのとき」以降に生まれた世代も多くなったなか、改めて57年前はどんな世の中だったのか、関心を持った方もいることでしょう。初めて新幹線が走り始め、都心に高速道路が張り巡らされた「あのとき」。横浜を拠点に首都圏の駅弁を手掛ける崎陽軒がこの夏、販売している弁当は、「駅弁は時代を映し出す鏡」であることを、改めて感じさせてくれました。
東・名・阪「焼売」駅弁食べくらべ(第1回・崎陽軒編/全3回)
昭和39(1964)年の開業以来、東京・名古屋・大阪を結んでいる「東海道新幹線」。初代の0系新幹線電車から最新のN700S新幹線電車まで、青と白の流線型の車体が印象的です。開業当初は徐行区間もあったため、東京~新大阪間は名古屋・京都のみ停車の「ひかり」号で4時間かかりました。いま最速の「のぞみ」号は、同じ区間を品川・新横浜にも停まって、2時間21分で駆け抜けています。
そんな新幹線の開業と世界的なスポーツイベントに思いを馳せながらいただきたい駅弁が、9月5日まで販売されています。横浜駅弁・崎陽軒が製造する「あのときのシウマイ弁当」(830円)。昭和39(1964)年当時のシウマイ弁当の内容を再現したもので、掛け紙も、「1964年を懐かしむ」という文言とともに当時の雰囲気がたっぷり! ひと際高くそびえるのは、できて間もないマリンタワーでしょうか。スタンプの日付は、「1964.10.10」となっています。
【おしながき】
・俵型ご飯 小梅、黒胡麻
・昔ながらのシウマイ 4個
・白蒲鉾
・豚天
・きんぴら蓮根
・セロリの塩漬け
・鮪の漬け焼
・筍煮
・福神漬け
・切り昆布
・大根漬物
ふたを開けると気付くのは、昔ながらのシウマイが4個入りで、蒲鉾が白い蒲鉾ということ。いまはシウマイが5個入り、紅白蒲鉾となっていますね。他にも「きんぴら蓮根」「豚天」「セロリの塩漬け」「福神漬け」「大根漬物」といった“あのとき”のおかずを復活させたと言います。少々質素に感じる構成は、“あのとき”を知る方には懐かしく、“あのとき”以降に生まれた方には、“新鮮な”雰囲気のあるシウマイ弁当と言えるかも知れません。
東京~新横浜間から新幹線に乗るときは、「シウマイ弁当」と決めている方も多いはず。夏バテ気味の体でも、崎陽軒のシウマイは、食欲をそそってくれて元気をもらえますね! じつはいま、名古屋エリア、関西エリアの各駅でも、ちょっと注目したい「焼売」駅弁が登場しています。夏の終わり、コロナ禍を乗り切り、秋の元気をチャージする意味を込めて、いま、いただきたい「焼売」駅弁を、地域ごとにご紹介してまいります。
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連載情報
ライター望月の駅弁膝栗毛
「駅弁」食べ歩き15年の放送作家が「1日1駅弁」ひたすら紹介!
著者:望月崇史
昭和50(1975)年、静岡県生まれ。早稲田大学在学中から、放送作家に。ラジオ番組をきっかけに始めた全国の駅弁食べ歩きは15年以上、およそ5000個!放送の合間に、ひたすら鉄道に乗り、駅弁を食して温泉に入る生活を送る。ニッポン放送「ライター望月の駅弁膝栗毛」における1日1駅弁のウェブサイト連載をはじめ、「鉄道のある旅」をテーマとした記事の連載を行っている。日本旅のペンクラブ理事。
駅弁ブログ・ライター望月の駅弁いい気分 https://ameblo.jp/ekiben-e-kibun/