絵本作家・田島征三 地団駄を踏むようなメチャクチャな作品をつくりたい

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黒木瞳がパーソナリティを務めるニッポン放送「あさナビ」(11月12日放送)に絵本作家の田島征三が出演。今後の創作活動について語った。

田島征三

黒木瞳が、さまざまなジャンルの“プロフェッショナル”に朝の活力になる話を訊く「あさナビ」。11月8日(月)~11月12日(金)のゲストは絵本作家の田島征三。5日目は、今後の創作活動について---

黒木)今後はどのような創作活動を続けて行きたいと思っていらっしゃいますか?

田島)とにかく面白いことをやりたいです。自分のやったことに呆れて驚いてどうしようかと地団駄を踏むようなメチャクチャなことをやりたいのです。

黒木)田島さんの絵に通底するテーマは、命と向き合うということだそうですけれども、自然との触れ合いや動物の生命力などという子供のころの思いがいまにつながっていらっしゃるのですか?

田島)子どものときは田舎で育ったので、川のなかで魚を捕まえたり、山で木の実を拾ったりしていました。29歳のときに『ちからたろう』で少しお金が儲かったので、いまは日の出町になっていますが、東京に日の出村という村があったので、そこに引っ越しました。そこで田んぼもやりましたし畑も耕しました。やはりそういう感覚ですね。そこに自分の肉体を置いて土や水や森や木や草と向かい合う。もちろんそこには生き物たちもいるわけですから、体に入り込んでいる感覚が作品づくりに大きな影響を与えていると思います。

黒木)それで「自分が驚くような作品をつくりたい」という、刺激的な発言も素晴らしいなと思います。

田島)いろいろなアーティストの作品を見ていると、「すごいな」と感心する一面、「俺だってこれよりすごいものをつくるぞ」と思うのです。なかなかつくれないですけれども。他のアーティストの作品を見る以上に、まず自分の作品で驚き慌てたいという気持ちがあります。

黒木)いいですよね。自分の作品を驚いて慌てたいと思えるような作品づくりをしていっていらっしゃるというところが原動力なのでしょうね。

田島)いまは鉄の作品をつくっているのですよ。

黒木)鉄ですか。

田島)81歳になって初めて鉄というものを使ってみようと思って、巨大なものをつくっているのです。結果的には、空中に浮いているような軽々したものになっているのです。鉄はやはり重くてどっしりした重量感を感じさせる芸術ではないですか。けれど僕のものは空気のなかというか、風のなかを泳いでいるような軽々しい作品をいまつくっているのです。

黒木)鉄なのに軽々しい。

田島)鉄の作家が見ると、「絵本なんか描いていてくだらないものをつくっているな」と馬鹿にするようなものを思い切りつくっているのです。

黒木)そのフレーズは今週何度かうかがいましたけれども、それがいいのでしょうね。それがエネルギーになっているのでしょうね。

田島)そうですね。人の気持ちを裏切るようなそういう表現ができたらいいなというのは僕の信条なのでしょうね。

田島征三

田島征三(たしま・せいぞう)/ 絵本作家

■1940年・大阪府生まれ。幼少期を高知県で過ごす。
■多摩美術大学図案科卒業。東京日の出町で、ヤギやチャボを飼い、畑を耕す生活をしながら絵画、版画、絵本などを創作。
■1965年、初めての絵本『ふるやのもり』を出版。
■1969年、『ちからたろう』で第2回ブラチスラバ世界絵本原画展・金のりんご賞を受賞。後に同展国際審査委員を務めるなど日本を代表する絵本作家として活動。絵画・絵本・イラストレーション・エッセイ・造形作品等を発表し続けている。
■1998年より静岡県伊豆高原に移住し、木の実との新しい出会いもあり、近年、木の実など自然の素材を使ったアートを本格的に展開している。
■2009年、新潟県十日町市の廃校になった小学校を丸ごと絵本にした『空間絵本』を制作。廃校となった小学校の校舎を再利用し「絵本と木の実の美術館」を開館した。
■2011~2018年、日中韓平和絵本プロジェクトに尽力。
■2013~2019年、香川県大島のハンセン病元患者の療養所で、『青空水族館』『森の小径』『Nさんの人生・大島七十年』を制作。
■傘寿を迎えた2020年、少年時の原体験をモチーフにした絵本『つかまえた』で、生きものの命と向き合った生々しい感触を躍動的に再現するなど、デビュー以来、半世紀以上にわたって常に斬新で意欲的な挑戦をし続けている。
■2021年「第56回ENEOS児童文化賞」を受賞。

番組情報

ENEOSプレゼンツ あさナビ

毎週月曜〜金曜 6:43 - 6:49

番組HP

毎朝、さまざまなジャンルのプロフェッショナルをお迎えして、朝の活力になるお話をうかがっていく「あさナビ」。ナビゲーター:黒木瞳

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