医師における「働き方改革」とは
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東京都医師会理事で「葛西中央病院」院長の整形外科医、土谷明男氏が4月12日、ニッポン放送「モーニングライフアップ 今日の早起きドクター」に出演。「医師の働き方改革」について解説した。
医師の働き方改革 ~2024年から
飯田浩司アナウンサー)お医者さんにも、国からの働き方改革の要請は来ているのでしょうか?
土谷)大企業においては2019年4月から、中小企業では2020年4月から働き方改革が始まっています。その時期に医者についても行うという話もありましたが、短時間でやってしまうと医療崩壊するのではないかということで、運輸業などと同じように、時間をかけて備えていくことになったのです。
飯田)時間をかけて。
土谷)そのターゲットイヤーになるのが、2年後の2024年です。そこを目指して改革を進めているところです。
働き方改革の対象となるのは病院で働く勤務医
飯田)お医者さんと一口に言っても、診療科によっての違いもありますが、働き方で区分するとどのような分け方になりますか?
土谷)所属先です。働き方改革の対象になるのは、病院に勤めている勤務医になります。
飯田)勤務医の方。
土谷)一方で、医者のなかでも働き方改革の影響を受けないのは、開業医の先生です。開業医の方は、特に法的な縛りはありません。病院で働く勤務医が今回、働き方改革の対象になります。
外来の診療時間内では終わらないことが多い
飯田)病院に行くと患者さんがたくさん待っていて、延々と先生が診ているイメージがありますけれども、外来だけで勤務時間が終わってしまうのではないですか?
土谷)外来患者の人数が予約で決まっているところもあるかも知れませんが、外来と言っても救急車で搬送される方や、時間外に来られる患者さんもいらっしゃいます。外来時間を午前中の9時~12時などと決めていても、その時間では終わらないことも度々あります。
これからの医師は働きたくても、働けない時代に
飯田)土谷先生は区分で言うと、開業医になるのでしょうか?
土谷)私の場合はそうですね。働き方改革の対象にはなりません。
飯田)勤務医だった時代もあるのですか?
土谷)そうですね。
飯田)そのときはどういう働き方だったのですか?
土谷)かなり働いていました。「仕事が好きだった」と言うと、いまの時代では怒られますけれども、好きなだけ働いていました。当時は、自分が納得できるまで働くことも可能でしたが、これからは「働き方改革」に従わなくてはなりません。時間外労働を規制することになりますので、これからは働きたくても、働けない。医者はそういう時代になります。
番組情報
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