欧米と比べて日本で圧倒的に少ない「ハイブリッド免疫」とは 東京都医師会会長・尾﨑治夫

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東京都医師会会長の尾﨑治夫氏が9月7日、ニッポン放送「モーニングライフアップ 今日の早起きドクター」に出演。欧米と日本の感染者数が違う理由、また3回目ワクチン接種の必要性について解説した。

※画像はイメージです

欧米に比べて日本の感染者数が多い原因 ~欧米では感染によってできる抗体とワクチン接種の抗体のハイブリッド免疫を持つ人が7割

飯田浩司アナウンサー)3回目のワクチン接種が重要だと言われていますが、理由について教えてください。

尾﨑)日本は現在、世界で最も感染者が多いと言われていますが、欧米は落ち着いてきています。その大きな原因は、「どれだけの人が抗体を持っているか」ということだと思います。

飯田)抗体をどれだけの人が持っているか。

尾﨑)欧米の場合は、日本のように行動制限をしなかったので、一時期、感染者が多く出ました。そのときに感染してできる抗体、主にN抗体と言われる抗体ができるわけです。その抗体に加えて、欧米ではワクチンも迅速に打てる環境がありました。ワクチンでできる抗体と、感染でできる抗体……これを「ハイブリッド免疫」と言うらしいのですが、両方の抗体を持っている方が7割くらいいるのです。そのために感染が収まっているという話があります。

20~30代の人が3回目の接種を受け、若い人の感染者が減ることで状況は大きく変わる

尾﨑)でも、日本の場合は感染しないように抑える対策をしてきたため、感染者が少なかった。そのなかでワクチンを打つことによって得られる抗体で、何とか乗り切っていたのです。

飯田)そうですね。

尾﨑)2回目のワクチンを打った方は、1回目から半年くらい経っている方が多い。それではいまのオミクロン株BA.5の流行には太刀打ちできません。ここで3回目を打っていただければ、中和抗体ができます。そうすると発症予防も6割くらいはある。そして、重症化予防は8~9割期待できるのです。若い方、特に20代~30代の方の接種率は6割に満たない。頑張って打っていただいて、この年代の人たちの感染者が減ると、だいぶ様子が変わると思います。

新行市佳アナウンサー、尾﨑治夫氏、飯田浩司アナウンサー

感染しても軽症で済む、次の人に感染させにくい、そのために3回目のワクチン接種を

尾﨑)いまの日本のような感染者の高止まり状態を打破するためには、ワクチン接種しかないと思います。欧米は自然に感染した率が多かったために、そちらの免疫もあって、いまのような状態がつくられています。しかし、日本がこれから意図的に感染者を増やすというような政策はできません。ワクチンを打っていただいて抗体をつくってもらうことが、感染が収まるための大きな引き金になると思います。

飯田)欧米の場合、あれだけ感染したということは、その分、亡くなる方も多かった。そういった社会の犠牲を許容した上で、いまの状態がある。ここをスキップするためにはワクチンが必要だということですね。

尾﨑)残念なことに、「3回打っても感染するではないか。だから打たない」と言う方がいます。

飯田)打っても無駄ではないかと。

尾﨑)感染してしまう人は確かに多いですが、重症化はしません。軽症で早めに治ります。軽症で済むということは、自分の体のなかに入ったウイルスがあまり増殖しないのです。つまり、自分が感染したときに出ていくウイルスが減りますから、その人が次の人にうつす可能性が、3回目を打っている人は減るのです。

飯田)ワクチンを打っていれば。

尾﨑)結果的には、感染拡大をストップできる。だからこそ、ワクチンを打つことが大事なのです。罹らないために打つのではなく、罹っても軽く済む、そして次の人にうつす可能性を減らす。この2つの効果は十分ありますので、ぜひ打っていただきたいと思います。

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