鉄道開業150年! 発祥の地・横浜で完全予約販売された記念駅弁の気になる中味とは?

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【ライター望月の駅弁膝栗毛】
「駅弁」食べ歩き20年・5000個の放送作家・ライター望月が、自分の足で現地へ足を運びながら名作・新作合わせて、「いま味わうべき駅弁」をご紹介します。

鉄道開業150年記念弁当

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10月14日で新橋~横浜間に鉄道が開業して150年を迎えました。鉄道開業150年を記念した駅弁が数多く登場するなか、鉄道開業の地・横浜の記念駅弁は、完全予約制でプレミア感あふれるお弁当として販売されました。残念ながら、入手が叶わなかった方も多いと思いますが、今回は150年前の新橋~横浜間に思いを馳せながら、筆者がそれぞれ約1時間をかけて予約購入した2つの記念弁当のご紹介にお付き合い下さい。

E233系電車・普通列車、東海道本線・川崎~横浜間

E233系電車・普通列車、東海道本線・川崎~横浜間

いまから150年前、鉄道が開業した区間を、きょうも東海道本線の普通列車が走ります。1日9往復の汽車が途中、品川、川崎、鶴見、神奈川に停まって、53分で結んだ新橋~横浜間。いまは日中、上下共に快速運転の東海道本線が毎時約6本、各駅停車の京浜東北線が毎時9本、さらに、品鶴線経由の横須賀線が毎時4本走ります。これに特急「踊り子」や「成田エクスプレス」や湘南新宿ラインなどの列車、貨物列車も加わります。

鉄道創業の地 記念碑

鉄道創業の地 記念碑

150年前、最初の横浜駅があった、桜木町駅前には「鉄道創業の地 記念碑」があり、駅ビルの旧横濱鉄道歴史展示には、開業当時に走っていた蒸気機関車が、保存・展示されています。鉄道150年の節目ということもあって、この歴史的な場所をカメラ片手に、訪れている方も多くいらっしゃる様子。黒船で来たペリーから模型の蒸気機関車を贈られ、18年で実物が走ったことを考えると、幕末~明治の「激変」ぶりが改めて感じられます。

鉄道開業150年記念弁当

鉄道開業150年記念弁当

鉄道開業150年を記念して、全国の駅弁各社ではさまざまな記念駅弁を製造しています。なかでも入手が難しかった“プラチナ駅弁”は、横浜駅弁・崎陽軒がJR東日本・横浜市歴史博物館とのコラボで、完全予約制4000個限定販売した「鉄道開業150年記念弁当」(1500円)ではないでしょうか。掛け紙には、横浜開港資料館に収蔵されている150年前の鉄道を描いた「東京横浜蒸気車鉄道之図 立斎広重(3代)」が使われました。

鉄道開業150年記念弁当

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【おしながき】
・オムライス グリンピース
・海老グラタン
・海老フライ
・鶏の唐揚げ
・昔ながらのシウマイ3個
・小松菜とぶなしめじととうもろこしのマスタードソース和え ・ポテトサラダ
・玉ねぎのマリネ
・ミニベイクドチーズケーキ

鉄道開業150年記念弁当

鉄道開業150年記念弁当

幕末の開港、それに続く鉄道の開業に伴って、西洋文化の玄関口として発展した横浜。ふたを開けた瞬間から、そんな歴史が感じられる洋風の弁当が現れました。オムライスをメインに海老グラタン、マスタードソースが効いた和え物から、デザートのミニベイクドチーズケーキまで、横浜の港から鉄道を通じて全国に広まっていった洋食の文化がたっぷり。昔ながらのシウマイが3個入っていなかったら、崎陽軒のお弁当と気付かなかったかも!?

鉄道開業150年記念ひょうちゃん

鉄道開業150年記念ひょうちゃん

そして、何より注目を集めたのが、しょう油入れの「鉄道開業150年記念ひょうちゃん」。鉄道発祥の地であるJR桜木町駅(初代横浜駅)社員の方の原案による特別デザインが施された記念の「ひょうちゃん」が2種類登場。このうち、いずれか1つが封入されました。記念弁当の予約は「1人2個まで」ということで、筆者も2個買い求めたところ、幸運にも2種類のひょうちゃんに出逢うことができました。

復刻版シウマイ弁当

復刻版シウマイ弁当

合わせて、店舗・数量限定、公式サイトから完全予約制で販売されたのが、「復刻版シウマイ弁当」(1050円)。初代シウマイ弁当のデザインの掛け紙に初代から2代目にかけてのおかずが再現されました。昔ながらのシウマイが4個、ブリの照り焼、白い蒲鉾など、いまのシウマイ弁当と比べながらいただくのが楽しいひと時となりました。こちらは日本鉄道構内営業中央会の31社が参加した「復刻駅弁」企画でもあり、受け取りの際、店員の方から記念ミニクリアファイルを添えていただきました。このファイルの提示で「横浜開港資料館」に団体料金で入館できる割引サービスもあります。

E261系電車・特急「サフィール踊り子」、東海道本線・横浜~戸塚間

E261系電車・特急「サフィール踊り子」、東海道本線・横浜~戸塚間

江戸時代、日本橋から東海道を(京へ)上ると、1日でたどり着けるのは、保土ヶ谷から戸塚の辺りだったと云われています。それまで1日がかりだった東京~横浜間の移動を、一気に1時間に短縮した鉄道。線路はさらに西へ伸び、明治時代、保土ヶ谷と戸塚の間を貫いたトンネルはいまも現役です。そんな場所を昔よりはるかに快適性が増した車両が、東京から30分ほどで通り抜けていきます。鉄道開業150年はまだまだ通過点。きょうから鉄道200年への旅が始まります。

連載情報

ライター望月の駅弁膝栗毛

「駅弁」食べ歩き15年の放送作家が「1日1駅弁」ひたすら紹介!

著者:望月崇史
昭和50(1975)年、静岡県生まれ。早稲田大学在学中から、放送作家に。ラジオ番組をきっかけに始めた全国の駅弁食べ歩きは15年以上、およそ5000個!放送の合間に、ひたすら鉄道に乗り、駅弁を食して温泉に入る生活を送る。ニッポン放送「ライター望月の駅弁膝栗毛」における1日1駅弁のウェブサイト連載をはじめ、「鉄道のある旅」をテーマとした記事の連載を行っている。日本旅のペンクラブ理事。
駅弁ブログ・ライター望月の駅弁いい気分 https://ameblo.jp/ekiben-e-kibun/

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