落語「目黒のさんま」……東京・目黒は海に面していないのになぜ?
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あなたの朝がいつもイイ朝でありますように---ニッポン放送『羽田美智子のいってらっしゃい』。10月13日放送分のテーマは「落語・目黒のさんま」です。
落語に「目黒のさんま」という噺があります。目黒とは東京にある地名のことですが、海に面してはいません。それなのに目黒でサンマの話が生まれたいきさつとして、こんな言い伝えがあります。
江戸時代、殿様が鷹狩りで目黒にやってきました。そのとき立ち寄ったお茶屋さんで初めてサンマを食べたのですが、脂がのった旬のサンマの塩焼きの美味しさに感動します。
その味が忘れられず、城に戻ってからも「サンマを食べたい、サンマを食べたい」と言いますが、当時のサンマは庶民の食べ物であり、とても殿様に出せるものではありませんでした。
それでも殿様のために、最高級のサンマを日本橋の魚河岸から取り寄せました。食べやすいように骨を抜き、さらに「体によくない」ということから、蒸して脂を抜いたものをお出ししたそうです。
ところが口に入れた瞬間、目黒で食べたサンマの美味しさとはまったく違いました。そこで殿様が家来に「このサンマはどこのサンマだ?」と尋ねたところ、「日本橋でございます」と答えました。
それを聞いた殿様は、「それはいかん! サンマは目黒に限る」と返す……という話がもとになって、落語「目黒のさんま」ができたそうです。
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