地元で話題!「あわしまの島弁」とは?

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【ライター望月の駅弁膝栗毛】
「駅弁」食べ歩き20年・5000個の放送作家・ライター望月が、自分の足で現地へ足を運びながら名作・新作合わせて、「いま味わうべき駅弁」をご紹介します。

あわしまの島弁

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鉄道旅の魅力の1つは、ゆったりと眺められる「車窓」。とくに海沿いの路線では、沖に浮かぶ「島」が旅情をかき立ててくれるものです。新潟県村上市の沖には、「粟島」という島があります。この秋、粟島の味覚をたっぷり詰め込んだ駅弁が、新潟駅に登場しました。地元メディアでも紹介され、話題を呼んでいるというこの駅弁、いったい、どんな駅弁なのでしょうか?

E653系電車・特急「いなほ」、羽越本線・今川~桑川間

E653系電車・特急「いなほ」、羽越本線・今川~桑川間

日本海に浮かぶ粟島をバックに、羽越本線の特急列車「いなほ」が駆け抜けていきます。「いなほ」はもともと、上野~秋田・青森間を上越線・羽越本線経由で結ぶ特急列車でした。しかし、昭和57(1982)年の上越新幹線開業に伴って、新潟始発で山形・庄内と秋田を結ぶ新幹線連絡特急に役割が変わりました。現在は新潟~酒田・秋田間で運行され、秋田新幹線が運行を見合わせた際には、その代替ルートとしての役割も担っています。

あわしまの島弁

あわしまの島弁

羽越本線随一の景勝地・笹川流れ。その沖合に浮かぶ周囲23kmの島が粟島(あわしま)です。JR、粟島観光協会と新潟三新軒の3者がコラボレーションして、今年(2022年)10月29日から販売されている新作駅弁が、「あわしまの島弁」(1300円)です。掛け紙には、日本海に浮かぶ粟島の写真に、地元の皆さんをイメージしたイラストや、名産の鯛をモチーフとしたマスコットキャラクター「たいぼーくん」が描かれています。

あわしまの島弁

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【おしながき】
・ご飯(新潟産コシヒカリ)
・粟島産じゃがいもを使った島カフェコロッケ
・ぶりの焼き漬け
・粟島産小鯛の握り寿司
・煮しめ(人参、こんにゃく、里芋、ごぼう、車麩)
・しゅうまい
・黒酢ミートボール
・南蛮えびの唐揚げ
・玉子焼き
・粟島産・ギンバソウの佃煮
・漬物(奈良漬)
・甘味

(数量限定)たいぼーくんのミニノート、村上茶

あわしまの島弁

あわしまの島弁

粟島産じゃがいもを使用した島カフェコロッケや小鯛寿司、粘り気が特徴のギンバソウを使った佃煮など、粟島の味覚が味わえる駅弁となっています。とくに島カフェコロッケは、島にある「カフェそそど」(「そそど」は島の言葉でゆっくりの意味)が提供しているのだそう。発売時から数量限定で150年の歴史を誇る村上茶のお店のティーバックや粟島のキャラクター「タイボーくん」のミニノートが、“おまけ”として付いてくる、お得な駅弁でもあります。

E653系電車・特急「いなほ」、羽越本線・あつみ温泉~五十川間

E653系電車・特急「いなほ」、羽越本線・あつみ温泉~五十川間

粟島と新潟をあとに、山形・庄内地方へ「いなほ」号が入っていきます。駅弁を製造する新潟三新軒によりますと、「あわしまの島弁」は、2500個の数量限定で始まりましたが、地元の方の間で話題を呼んでいることもあり、今後はレギュラー商品化も考えているそう。駅弁として毎日新潟駅に陳列されることで、いつもは列車から遠くに浮かぶ島影を眺めるだけの方も、いつかは島へ足を運びたい……そんな気持ちにさせてくれる駅弁です。

連載情報

ライター望月の駅弁膝栗毛

「駅弁」食べ歩き15年の放送作家が「1日1駅弁」ひたすら紹介!

著者:望月崇史
昭和50(1975)年、静岡県生まれ。早稲田大学在学中から、放送作家に。ラジオ番組をきっかけに始めた全国の駅弁食べ歩きは15年以上、およそ5000個!放送の合間に、ひたすら鉄道に乗り、駅弁を食して温泉に入る生活を送る。ニッポン放送「ライター望月の駅弁膝栗毛」における1日1駅弁のウェブサイト連載をはじめ、「鉄道のある旅」をテーマとした記事の連載を行っている。日本旅のペンクラブ理事。
駅弁ブログ・ライター望月の駅弁いい気分 https://ameblo.jp/ekiben-e-kibun/

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