実はすごい! 「駅弁屋さん」の恵方巻き!

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【ライター望月の駅弁膝栗毛】
「駅弁」食べ歩き20年・5000個の放送作家・ライター望月が、自分の足で現地へ足を運びながら名作・新作合わせて、「いま味わうべき駅弁」をご紹介します。

松阪名物黒毛和牛 モー太郎恵方巻き

画像を見る(全6枚) 松阪名物黒毛和牛 モー太郎恵方巻き

2月3日は「節分」。全国各地で豆まき行事が行われる一方、スーパーやコンビニエンスストアには、「恵方巻き」がたくさん並んでいるかも知れません。近年は全国の駅弁屋さんでも、名物駅弁やご当地名物にちなんだ「恵方巻き」が登場しています。三重・松阪の駅弁屋さんが作る「恵方巻き」は、もちろん黒毛和牛のしぐれ煮が入った手作りの逸品です。私も早速いただいてみました。

キハ85系気動車・特急「南紀」、紀勢本線・徳和~多気間

キハ85系気動車・特急「南紀」、紀勢本線・徳和~多気間

名古屋~新宮・紀伊勝浦間を結んでいる特急「南紀」。通常は指定席・自由席1両ずつの2両編成ですが、繁忙期には需要に応じて増結されています。名古屋発着で「ひだ」「南紀」として活躍してきたキハ85系気動車ですが、高山本線では今年(2023年)の春に新型のHC85系車両に全て置き換えられると発表されており、紀勢本線でも試運転が行われています。東海エリアの非電化区間を走る特急列車も、節目の時を迎えているようです。

松阪名物黒毛和牛 モー太郎恵方巻き

松阪名物黒毛和牛 モー太郎恵方巻き

節目の時といえば、暦の上で季節を分ける「節分」。豆まきで鬼を追い払う風習に加え、近年は節分の日に、その年の縁起の良い方角(恵方)を向いて太巻寿司(恵方巻き)を丸かぶりする風習も、すっかり全国区となりました。全国の駅弁屋さんも、節分の前後に恵方巻きを限定販売しています。今回は1月28日から2月3日まで販売中の松阪駅弁・新竹商店の「松阪名物黒毛和牛 モー太郎恵方巻き」(1000円)をいただきました。

松阪名物黒毛和牛 モー太郎恵方巻き

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新竹商店のオリジナルキャラクター「モー太郎」が大きく描かれ、「恵方巻き」と大きく書かれた「松阪名物黒毛和牛 モー太郎恵方巻き」の掛け紙を外すと、見事な長さ22センチの太巻き寿司が現れました。新竹商店の本店からも近い真言宗のお寺・弥勒院善福寺で、開運招福を願って祈祷されたというこちらの恵方巻き。牛肉のいい香りと酢の香りがふんわり漂ってきて食欲をそそってくれます。

松阪名物黒毛和牛 モー太郎恵方巻き

松阪名物黒毛和牛 モー太郎恵方巻き

新竹商店によると、手作り・無添加で素材にこだわった恵方巻きとのこと。三重・伊賀産、一等米のコシヒカリに新竹商店オリジナルブレンドのすし酢で作られた酢飯のなかには、松阪・丸中本店の黒毛和牛で作られたしぐれ煮がたっぷり詰まっていて、生姜の風味がよく効いています。もちろん、松阪・朝日海苔の海苔もいい風味。南南東の方角を向いて丸かぶりすれば、口のなかに黒毛和牛の旨味が広がって、幸せなひと時になれそうです。

キハ85系気動車・特急「南紀」、紀勢本線・紀伊長島~三野瀬間

キハ85系気動車・特急「南紀」、紀勢本線・紀伊長島~三野瀬間

最近は、全国の老舗駅弁屋さんでも作られている「恵方巻き」。歴史ある駅弁屋さんは、国鉄時代から寿司駅弁を作っていましたから、恵方巻きにも長年にわたり培われてきた「駅弁の技」がギュッと詰まっています。もしも、駅弁屋さんで「恵方巻き」を見かけたら、それは、いまだけ堪能できる駅弁屋さんのすごい技かも知れません。いまだけ楽しめる列車、いまだけ味わえる駅弁をしっかり満喫しながら、いい旅の思い出を作りたいものです。

連載情報

ライター望月の駅弁膝栗毛

「駅弁」食べ歩き15年の放送作家が「1日1駅弁」ひたすら紹介!

著者:望月崇史
昭和50(1975)年、静岡県生まれ。早稲田大学在学中から、放送作家に。ラジオ番組をきっかけに始めた全国の駅弁食べ歩きは15年以上、およそ5000個!放送の合間に、ひたすら鉄道に乗り、駅弁を食して温泉に入る生活を送る。ニッポン放送「ライター望月の駅弁膝栗毛」における1日1駅弁のウェブサイト連載をはじめ、「鉄道のある旅」をテーマとした記事の連載を行っている。日本旅のペンクラブ理事。
駅弁ブログ・ライター望月の駅弁いい気分 https://ameblo.jp/ekiben-e-kibun/

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