長岡花火の定番駅弁「越後長岡花火寿司」が、期間限定で帰ってきた!
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「駅弁」食べ歩き20年・5000個の放送作家・ライター望月が、自分の足で現地へ足を運びながら名作・新作合わせて、「いま味わうべき駅弁」をご紹介します。
今年(2023年)も、8月2~3日に「長岡まつり大花火大会」が行われました。全国有数の規模を誇る花火大会に合わせて、製造・販売されてきた長岡の限定駅弁も久しぶりに復活。豪華絢爛な長岡の花火を愛でながら、復活の限定駅弁もいただいてみました。
夏の新潟は、魅力いっぱい。青い日本海は海水浴の定番です。ぬるめの温泉に癒され、枝豆をはじめとした美味しい野菜もいっぱい採れて酒が進みます。そして、何といっても「花火大会」。かつて、ボンネットの特急「とき」で上越国境を越えるのは、4時間近くかかりましたが、いまは青い新幹線の「とき」が、長いトンネルを一気に駆け抜けて、1時間半前後で東京都心と日本海側を結びます。
日本三大花火大会の1つとされるのが「長岡まつり大花火大会」。明治12(1879)年に行われた花火大会に起源を持ち、戦後は、昭和20(1945)年8月1日の「長岡空襲」の犠牲者の鎮魂と世界平和を願う花火として発展してきました。また、平成16(2004)年の新潟県中越地震以降は、平原綾香さんの「Jupiter」にのせて打ち上げられる「復興祈願花火 フェニックス」も目玉の1つとなりました。今年も、普通のカメラではまず収まらない“ワイド”なスターマインが打ち上げられました。
長岡の花火は、それぞれの花火に協賛企業・団体が付いています。打ち上げの前には、ラジオの“ジングル”のようなメロディに続き、花火の紹介と協賛企業の“生コマーシャル”が入り、最後は「打ち上げ、開始でございます」とアナウンスされ、ドッカーンと打ち上がる流れが繰り返されていきます。目玉の花火では、大観衆が固唾をのんで見守るなかで、大音響とともに大輪の花が開くと歓声に包まれ、打ち上げが成功すると拍手が送られます。
長年、長岡の花火の名物となってきたのが「正三尺玉」です。長岡駅大手口にはかつて使われていた「正三尺玉」の打揚筒がモニュメントとして設置されています。そんな「正三尺玉」の大輪の花をパッケージに使っているのが、長岡駅弁・池田屋の「越後長岡花火寿司」(1580円)です。例年、夏~秋に販売されていましたが、コロナ禍では休止が続きました。今年(2023年)は久しぶりに復活し、8月6日までと旧盆の時期に販売されます。
【おしながき】
・炙りサーモンずし
・かにずし(玉子焼き)
・いくらとさけそぼろの鮮やか合わせずし
・とりそぼろ彩りずし(椎茸、蒲鉾)
・桜漬け
ふたを開けると、花火がパッと開いたように彩りが美しい4つの寿司が現れます。前回の販売時よりブラッシュアップされて、炙りサーモンずしとかにずしが、新たなラインナップに加わりました。花火を見ながらいただくもよし、花火帰りに小腹を満たすにもいいですね。小分けになっているので、2人でシェアしたりしながらいただくのもいいでしょう。期間、数量ともに限定の駅弁なので、確実な入手には、池田屋への電話予約がお薦めです。
「長岡まつり大花火大会」で注意したいのが、花火大会終了後、東京方面への帰宅です。上り新幹線は最終列車が早く、最後まで観覧すると、長岡駅の混雑で列車に間に合わない場合があります。帰りのきっぷは事前購入や「新幹線eチケット」の利用が必須です。2日間で約100万人が訪れる、賑やかな長岡の花火が戻ってきました。地元の皆さんにとっても嬉しいことでしょう。“人生に一度”は信濃川の風に吹かれて、これぞ花火大会という雰囲気と、真夏の夜空に咲く大輪の花を、存分に堪能してみてはいかがでしょうか。
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連載情報
ライター望月の駅弁膝栗毛
「駅弁」食べ歩き15年の放送作家が「1日1駅弁」ひたすら紹介!
著者:望月崇史
昭和50(1975)年、静岡県生まれ。早稲田大学在学中から、放送作家に。ラジオ番組をきっかけに始めた全国の駅弁食べ歩きは15年以上、およそ5000個!放送の合間に、ひたすら鉄道に乗り、駅弁を食して温泉に入る生活を送る。ニッポン放送「ライター望月の駅弁膝栗毛」における1日1駅弁のウェブサイト連載をはじめ、「鉄道のある旅」をテーマとした記事の連載を行っている。日本旅のペンクラブ理事。
駅弁ブログ・ライター望月の駅弁いい気分 https://ameblo.jp/ekiben-e-kibun/