「駅弁」食べ歩き20年・5000個の放送作家・ライター望月が、自分の足で現地へ足を運びながら名作・新作合わせて、「いま味わうべき駅弁」をご紹介します。
この夏、駅弁のトレンドの1つに「コラボレーション」があります。駅弁屋さんと行政機関、駅弁屋さんと有名料理店など、さまざまな形でタッグを組んで、新たな商品が生まれています。名古屋の老舗駅弁屋さんは、ウイスキー作り100年を迎えた大手飲料メーカーと一緒に、名物駅弁の「天下とり御飯」と「トリス・ハイボール」をコラボさせた新作を、6月20日から名古屋と東京で販売しています。
東海道新幹線「のぞみ」で1時間半あまりの東京~名古屋間。でも、静岡・浜松停車の「ひかり」に乗れば、約2時間の旅となって、ゆったりと移動時間を楽しむことができます。仕事がひと息ついたという方なら、駅弁とお酒を買い込んで軽く一杯、至福のひとときです。クルマの旅にはない鉄道旅のいいところは、運転を気にしないで、お酒を楽しめるところ。車窓を眺めながら、列車で静かにお酒を楽しむのは、大人の嗜みと言えましょう。
酒好きの鉄道旅派の方に嬉しい駅弁が登場しています。名古屋駅弁・松浦商店が製造、6月20日から名古屋・東京駅のジェイアール東海パッセンジャーズ等の売店で販売中の「思い出のトリ弁」(1220円)です。2022年に創業100周年を迎えた松浦商店の「天下とり御飯」と今年(2023年)にウイスキー作り100周年を迎えたサントリー「トリス・ハイボール」がコラボ、パッケージにも富士山とアンクルトリス(トリスおじさん)が描かれています。
【おしながき】
・とり御飯(鶏だし炊き込みご飯、鶏そぼろ、玉子そぼろ)
・焼き鰆
・蒲鉾
・玉子巻き
・鶏肉の磯辺揚げ
・鶏つくね串
・鶏肉煮
・梅バンバンジー
・うずらの玉子煮
・「寿屋」の焼売
・カレーコロッケ
・煮物(椎茸、ごぼう、人参、竹の子)
・ブロッコリー
・きんぴらごぼう
鶏の出汁で炊いたご飯の上に鶏そぼろと“粉雪製法”の玉子そぼろが載り、おかずには、鶏の磯辺揚げやつくね串など、「天下とり御飯」でおなじみの鶏肉料理が入っています。幕の内の三種の神器・串で焼き上げた鰆に蒲鉾、玉子焼きに加えて、名古屋でおなじみ「寿屋」の焼売も入りました。偶然にもサントリーの昔の屋号と重なり、コラボした両社の縁も感じられて、箸もお酒もどんどん進みそうな駅弁に仕上がっています。
松浦商店とサントリーの100周年コラボレーション企画ということで、「思い出のトリ弁」とトリス・ハイボール缶を同時に購入すると100円引となるのも嬉しいところです。ちなみに、名古屋から“トリ”にゆかりのある列車に乗るのなら、特急「しらさぎ」も8往復が運行中。金沢行として運行される最後の夏、新幹線と在来線特急を乗り継ぎながら、駅弁・お酒と一緒に、鉄道旅の思い出をいっぱい作りたいものです。
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連載情報
ライター望月の駅弁膝栗毛
「駅弁」食べ歩き15年の放送作家が「1日1駅弁」ひたすら紹介!
著者:望月崇史
昭和50(1975)年、静岡県生まれ。早稲田大学在学中から、放送作家に。ラジオ番組をきっかけに始めた全国の駅弁食べ歩きは15年以上、およそ5000個!放送の合間に、ひたすら鉄道に乗り、駅弁を食して温泉に入る生活を送る。ニッポン放送「ライター望月の駅弁膝栗毛」における1日1駅弁のウェブサイト連載をはじめ、「鉄道のある旅」をテーマとした記事の連載を行っている。日本旅のペンクラブ理事。
駅弁ブログ・ライター望月の駅弁いい気分 https://ameblo.jp/ekiben-e-kibun/