「山形花笠まつり」をモチーフとした新作駅弁に込められた思いとは?
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「駅弁」食べ歩き20年・5000個の放送作家・ライター望月が、自分の足で現地へ足を運びながら名作・新作合わせて、「いま味わうべき駅弁」をご紹介します。
夏のお出かけを予定している方も多いですね。とくに東北地方は、夏祭りのシーズンです。青森はねぶた、弘前はねぷた、秋田は竿灯まつり、盛岡はさんさ踊り、仙台は七夕まつり、そして山形では「山形花笠まつり」が行われます。この花笠まつりをモチーフとした駅弁が、7月1日から登場しています。
平成4(1992)年、シルバーメタリックの車両とともに開業した山形新幹線。その7年半後、山形~新庄間の延伸に伴って、山形新幹線にも登場したのがE3系新幹線電車です。このとき、車両はシルバーメタリックとグレーの2色に塗り分け、真ん中にグリーンの帯が入った塗色となり、長年にわたって親しまれました。今年(2023年)2月から1編成だけ、このシルバーカラーを復刻させた車両が登場して、話題を呼んでいます。
夏の山形といえば、「山形花笠まつり」。いまから60年前の昭和38(1963)年、蔵王開山1250年に行われた「蔵王夏まつり」のイベントの1つとして誕生しました。毎年8月5日~7日の3日間、約1万人の踊り手の皆さんが華麗な舞を繰り広げます。この「山形花笠まつり」をモチーフとした駅弁「山形花笠まつり弁当」(1500円)が、山形駅弁・もりべんから7月1日に発売されました。掛け紙の裏には花笠音頭の歌詞も載っています。
【おしながき】
・白飯(山形県産つや姫)
・牛肉太巻(牛肉・玉子・椎茸・ごぼう・たくあん・マヨネーズ)
・花笠風の酢れんこん
・米沢牛肉団子
・山形風いも煮(米沢牛、里芋、長ネギ、人参、舞茸、つきこん)
・山形名物・玉こんにゃく 辛子
・山形風いかのゲソ天
・鮭の塩焼き
・厚焼き玉子
・蒲鉾
・山形名物 丸茄子漬け
・赤かぶ酢漬け
・ずんだもち
山形県産つや姫の白飯、牛肉太巻という2種類のご飯が楽しめて、鮭の塩焼きに蒲鉾、玉子焼きが入った正統派の幕の内弁当。いも煮や玉こんにゃく、いかのゲソ天をはじめ、山形らしいおかずもいっぱいです。製造を担当する松川弁当店によると、「祭りをご覧になる方はもちろん、ご覧になれない方に少しでも祭りの雰囲気と“おいしい山形”を食べて欲しい」という思いを弁当に込めたと言います。現在は東京・新宿・大宮の各駅一部売店で先行販売中。7月24日からは、山形駅のNEWDAYSでも販売が始まる予定です。
「山形花笠まつり」まで待ちきれない方は、いまは仙山線の旅がお薦めです。松尾芭蕉が「おくのほそ道」の旅で山寺に立ち寄ったのは、いまの暦で7月13日ごろ。「閑さや 岩にしみ入る 蝉の声」と詠んだのは、ちょうどいまごろです。『詠まれたセミは何ゼミなのか?』と疑問を覚えた方も少なくないと思いますが、知りたければ、自分で訪ねてみるのがいちばん! 汗をふきふき、耳を澄まして、のんびり歩きたい夏の山形です。
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連載情報
ライター望月の駅弁膝栗毛
「駅弁」食べ歩き15年の放送作家が「1日1駅弁」ひたすら紹介!
著者:望月崇史
昭和50(1975)年、静岡県生まれ。早稲田大学在学中から、放送作家に。ラジオ番組をきっかけに始めた全国の駅弁食べ歩きは15年以上、およそ5000個!放送の合間に、ひたすら鉄道に乗り、駅弁を食して温泉に入る生活を送る。ニッポン放送「ライター望月の駅弁膝栗毛」における1日1駅弁のウェブサイト連載をはじめ、「鉄道のある旅」をテーマとした記事の連載を行っている。日本旅のペンクラブ理事。
駅弁ブログ・ライター望月の駅弁いい気分 https://ameblo.jp/ekiben-e-kibun/