画像を見る（全7枚） 元祖特撰牛肉弁当（Hello!　New NANKI 特別掛け紙）

7月1日から名古屋～新宮・紀伊勝浦間を走る特急「南紀」にハイブリッド式のHC85系車両がデビューしました。約30年ぶりとなる新型車両は、ファンが選ぶ最も優れた車両に贈られる、今年（2023年）の「ブルーリボン賞」も受賞。久々の南紀の新しい鉄道風景を眺めながら、特別仕様の伝統駅弁もいただきました。

HC85系車両・特急「南紀」、紀勢本線・徳和～多気間

名古屋と新宮・紀伊勝浦の間を、関西本線、伊勢鉄道線、紀勢本線経由で結んでいる特急「南紀」。「南紀」で平成4（1992）年から活躍してきたキハ85系気動車に代わって、7月1日から新型のHC85系車両がデビューしました。HC85系はディーゼルエンジンで発電した電気の力で走るハイブリッド車両。昨年（2022年）7月の高山本線を走る特急「ひだ」への投入に続いて、紀勢本線を走る「南紀」にも、満を持して登場しました。

HC85系車両・特急「南紀」、紀勢本線・紀伊長島～三野瀬間

HC85系は電車と同じ仕組みで走ることもあり、エンジンの音は聞こえますが、これまでと比べて静かになり、揺れも少なくなったのが特徴。各座席には電源コンセントが設けられ、フリーWi-Fiも利用できます。名古屋～新宮・紀伊勝浦間の乗車時間は、概ね3時間を超えますが、移動の快適性は格段にアップしました。通常は指定席、自由席が各1両の2両編成ですが、7月中は全て指定席を2両増結した4両編成での運行となっています。

元祖特撰牛肉弁当（Hello! New NANKI　特別掛け紙）

新しい「南紀」のデビューに先駆けて、令和5（2023）年5月から登場したのが、松阪駅弁・新竹商店の「元祖特選牛肉弁当（Hello! New NANKI 特別掛け紙）」（1700円）。新旧の「南紀」号が並んだ写真が使われ、「NEW特急南紀」のロゴマークも入った特別仕様です。5月20日に運行された臨時特急「Hello!New NANKIウォーキング」号（往路）の車内で、先行販売され、翌日からは一般販売されています。

画像を見る（全7枚） 元祖特撰牛肉弁当（Hello! New NANKI　特別掛け紙）

【おしながき】
・白飯（三重県産コシヒカリ）
・黒毛和牛ステーキ風
・ポテトフライ
・かまぼこ
・ごぼう
・れんこん
・昆布しぐれ煮
・香の物

6月30日のキハ85系「南紀」、最終列車の見送り風景（画像提供：新竹商店）

新竹商店によると、6月30日に運行されたキハ85系「南紀」の最終列車では、「最後のキハ85系南紀では、特別掛け紙の元祖特撰牛肉弁当を食べたい！」と指名買いされたお客様が大変多かったと言います。また、翌朝のHC85系車両による列車との乗りくらべを楽しまれた方も多かったそう。新竹社長も「（車両の世代交代という）歴史的な瞬間に立ち会えたことが嬉しい」と感無量の様子でした。

HC85系車両・特急「南紀」、紀勢本線・新鹿～波田須間

紀勢本線に沿って紀勢道の整備が進み、厳しい道のりが予想される紀勢本線ですが、「（新型車両で）快適性が増し、移り変わる景色が楽しめるのは鉄道の旅ならではです。ぜひこの夏は新しい南紀に乗って、南紀の海を観に来て欲しい」と新竹社長も話します。確かに美味しい牛肉弁当をいただきながら、南紀の青い海を眺めるのは極上のひととき。事前予約で「南紀」の松阪駅停車中に1個から駅弁を届けてくれるサービスもあります。なお、停車時間が短いので、お釣りのないように、現金を用意しておくことをお忘れなく。