「駅弁」食べ歩き20年・5000個の放送作家・ライター望月が、自分の足で現地へ足を運びながら名作・新作合わせて、「いま味わうべき駅弁」をご紹介します。
最近の駅弁のトレンドの1つに、コラボレーションがあります。「駅弁膝栗毛」でも、この夏、大学生やお酒のメーカー、スポーツチームなどとコラボした新作駅弁をご紹介してきました。そして今回、仙台を代表する駅弁の1つである「網焼き牛たん弁当」が、あの初音ミクとコラボを実現して期間限定で販売されます。その背景を駅弁業者に聞きました。
東北新幹線を最高時速320kmで駆け抜ける「はやぶさ」。平成23(2011)年の登場以来、すっかり東北新幹線の愛称として定着しています。愛称を公募した際、1位は「はつかり」、3位は「みちのく」といった東北特急ゆかりの名前でした。そのなかで2位となったのが、「はつね」。新型車両のカラーリングが、ボーカロイドキャラクターの初音ミクに似ていると当時はインターネットで話題になったものです。
(参考)JR東日本ニュースリリース・平成22(2010)年5月11日分
そんな初音ミクが東北新幹線最大の途中駅・仙台を代表する駅弁、こばやしの「網焼き牛たん弁当」とコラボする時代がやって来ました。9月15日(金)~24(日)の期間限定で、仙台駅をはじめ、首都圏の主要駅でも「網焼き牛たん弁当 レーシングミク 2023Ver」(1280円)が販売されています。こばやしによると、30年以上のロングセラー駅弁である「網焼き牛たん弁当」が、キャラクターとのコラボレーションを行うのは初めてだと言います。
「網焼き牛たん弁当」と「初音ミク」を結び付けたのは、レーシングドライバーの谷口信輝選手。谷口選手が「網焼き牛たん弁当」を好物として度々ブログで紹介していたことから、宮城県のスポーツランドSUGOでレースが開催される際は、こばやしが特製の「網焼き牛たん弁当」を差し入れるなどの関係を築いてきました。今年(2023年)、谷口選手がドライバーとして参加する初音ミク GTプロジェクトの15周年を迎えたのに合わせて、こばやしは運営するグッドスマイルレーシングとスポンサー契約を結んで、コラボが実現したと言います。
なお、9月16~17日にSUPER GTが開催される「スポーツランドSUGO特設会場」と、仙台駅近くのこばやし本社(9/15~24)では、「網焼き牛たん弁当 レーシングミク 2023Ver. こばやしコラボアクリルキーホルダー付き」(1780円)も販売されます。キーホルダーは、プロジェクトのシンボル「初音ミク レーシングVer.」の旗のデザインがこばやしのロゴになったオリジナル。もちろん、網焼き牛たん弁当の美味しさは、いつものままです。
なお、SUPER GTの会場へは、9/16・17の2日間、仙台駅から臨時バスも運行予定で、公共交通でのアクセスも可能です。ファンとの縁を大事にしながら、仙台の名物駅弁から新たな一歩を踏み出した「網焼き牛たん弁当」。まずはこの3連休、東北新幹線でお出かけの方は、いつもとちょっと違う、いまだけの「網焼き牛たん弁当」を手に取ってみてはいかがでしょうか。
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連載情報
ライター望月の駅弁膝栗毛
「駅弁」食べ歩き15年の放送作家が「1日1駅弁」ひたすら紹介!
著者:望月崇史
昭和50(1975)年、静岡県生まれ。早稲田大学在学中から、放送作家に。ラジオ番組をきっかけに始めた全国の駅弁食べ歩きは15年以上、およそ5000個!放送の合間に、ひたすら鉄道に乗り、駅弁を食して温泉に入る生活を送る。ニッポン放送「ライター望月の駅弁膝栗毛」における1日1駅弁のウェブサイト連載をはじめ、「鉄道のある旅」をテーマとした記事の連載を行っている。日本旅のペンクラブ理事。
駅弁ブログ・ライター望月の駅弁いい気分 https://ameblo.jp/ekiben-e-kibun/