宇都宮駅弁の原点と未来を結ぶ、ライトレールの開業記念駅弁とは?

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【ライター望月の駅弁膝栗毛】
「駅弁」食べ歩き20年・5000個の放送作家・ライター望月が、自分の足で現地へ足を運びながら名作・新作合わせて、「いま味わうべき駅弁」をご紹介します。

「新しいものができる」ことは、少しワクワクするものです。しかも、「○○ぶり」という数字が大きく、未来を感じさせるものほど、ワクワクの度合いは高まります。栃木の宇都宮に新たに開業した路面電車(ライトレール)は、久しぶりに気持ちが高まる路線の1つです。さらに、地元の学生とコラボした開業を記念した駅弁も登場。宇都宮の駅弁の原点をリスペクトしながら、未来を感じさせるひと工夫も嬉しい駅弁です。

宇都宮ライトレールHU300形電車・各駅停車、宇都宮駅東口電停~東宿郷電停間

宇都宮ライトレールHU300形電車・各駅停車、宇都宮駅東口電停~東宿郷電停間

日本で75年ぶりの新しい路面電車・宇都宮ライトレール。先月8月26日の開業以来、通勤・通学や大型ショッピングモール、サッカースタジアムへの足として、賑わっています。東京の都電荒川線や東急世田谷線をのぞき、関東では珍しい路面電車であるのに加え、見た目にも“映える”車両は、まるで海外の街を走っているかのよう。鉄道ファンだけでなく、街の皆さんにとっても、“チョット乗ってみたくなる”気持ちにさせてくれます。

宇都宮ライトレールHU300形電車・各駅停車、芳賀・高根沢工業団地電停

宇都宮ライトレールHU300形電車・各駅停車、芳賀・高根沢工業団地電停

宇都宮駅東口から鬼怒川を渡り、山や谷を越え、のどかな田園風景のなかを走りぬけて、終着の芳賀・高根沢工業団地までは約50分。平日は、概ねダイヤ通りに走る時間帯も増えてきましたが、お試し乗車の皆さんが増える日中や沿線で大きなイベントが行われる週末は、まだまだ「遅れ」が目立ってしまう様子。Suicaなどの交通系ICカードであれば、どのドアからでも乗り降りできますので、スムーズな乗降に協力したいものです。

結-Yui-

結-Yui-

この宇都宮ライトレールの開業を記念した駅弁も開発されました。宇都宮駅弁・松廼家と宇都宮共和大学シティライフ学部の学生の皆さんによる共同開発で生まれたその名も「結-Yui-」(1000円)と言います。宇都宮を舞台に"つながり"をモチーフに作り上げた弁当だそう。8月25日・26日の開業記念イベントで300個限定として販売されて好評を博し、週末中心に宇都宮駅の松廼家売店で販売されています。

【おしながき】
・醤油と竹炭のおにぎり
・生姜のおにぎり
・鮭の粕焼き
・鶏のから揚げ パプリカのマリネとハニーマスタードを添えて
・ポテトサラダ ボロネーゼを添えて
・餃子チップス 海苔しお風味
・桜子餅

結-Yui-

結-Yui-

ふたを開けると、かぶせられている笹の葉のいい香りに気持ちが高まります。「おにぎり2個、たくあん2切れ」から始まった宇都宮駅弁らしく、ライトレールの車両のカラーにちなんだ、黄色と黒のおにぎりが2個入っています。“子どもも楽しめる大人のランチボックス”をコンセプトに開発したそうで、焼き鮭に鶏の唐揚げ、ポテトサラダという定番をひと工夫しているのが大人の味でしょうか。大人と子ども、過去と未来を“結ぶ”駅弁に仕上げられています。

C12形蒸気機関車+50系客車「SLもおか」、真岡鐵道・七井~益子間

C12形蒸気機関車+50系客車「SLもおか」、真岡鐵道・七井~益子間

新しい路面電車「宇都宮ライトレール」に乗ってみたいという方も多いと思います。終点の2つ前、芳賀町工業団地管理センター前電停は周辺の路線バスとの乗り継ぎポイントで、JRバスの市塙駅・茂木駅方面行はライトレールと真岡鐵道を結んでいます。真岡鐵道は週末のSLで有名な路線。旅もひと工夫して、新幹線~ライトレール~バス~SL(または逆ルート)と巡ってみれば、より深く栃木の魅力を感じることができそうです。

連載情報

ライター望月の駅弁膝栗毛

「駅弁」食べ歩き15年の放送作家が「1日1駅弁」ひたすら紹介!

著者:望月崇史
昭和50(1975)年、静岡県生まれ。早稲田大学在学中から、放送作家に。ラジオ番組をきっかけに始めた全国の駅弁食べ歩きは15年以上、およそ5000個!放送の合間に、ひたすら鉄道に乗り、駅弁を食して温泉に入る生活を送る。ニッポン放送「ライター望月の駅弁膝栗毛」における1日1駅弁のウェブサイト連載をはじめ、「鉄道のある旅」をテーマとした記事の連載を行っている。日本旅のペンクラブ理事。
駅弁ブログ・ライター望月の駅弁いい気分 https://ameblo.jp/ekiben-e-kibun/

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