宇都宮の新作駅弁にもなった「みぶのサビかん」とは?
公開: 更新:
「駅弁」食べ歩き20年・5000個の放送作家・ライター望月が、自分の足で現地へ足を運びながら名作・新作合わせて、「いま味わうべき駅弁」をご紹介します。
寿司の定番「かんぴょう巻き」。日本のかんぴょうのほとんどは、栃木県で作られています。今年度、栃木におけるかんぴょう発祥の地が、「みぶのサビかん」なる新名物のプロジェクトを立ち上げ、宇都宮の新作駅弁としても登場しています。「みぶのサビかん」とは、一体どんなものなのでしょうか?
東京から北関東、東北地方を結ぶ東北本線(宇都宮線)。途中の栗橋駅までが埼玉で、次の古河駅で茨城を通り、その次の野木駅から栃木に入ります。東北本線は通りませんが群馬県境も近く、利根川や渡良瀬川の流れと共に、埼玉県と北関東3県が密接したエリアを通過しています。列車はその後、小山市、下野市内にある各駅に停まりながら、県都・宇都宮へと向かっていきます。
東北本線(宇都宮線)の石橋駅と栃木県壬生町の東武宇都宮線・おもちゃのまち駅は、「ゆうがお号」と名付けられたコミュニティバスで結ばれています。“ゆうがお”は栃木名産・かんぴょうの原料としておなじみ。壬生町は310年あまり前、近江国(いまの滋賀県)からかんぴょうが伝わった所で、栃木県における“かんぴょう作り発祥の地”と云われています。この壬生町で今年(2023年)から始まったキャンペーンとタイアップした新作駅弁「みぶのサビかん」(1000円)が、8月18日から宇都宮駅弁・松廼家の売店で販売されています。
【おしながき】
・かんぴょうの細巻き寿司(12カン、酢飯、かんぴょう、わさび、海苔)
・ガリ
「みぶのサビかん」は、かんぴょうの一大産地・壬生町が町を挙げて、2023年度から売り出している“新名物”。甘辛に煮付けられたかんぴょうをピリッと効かせたわさびと一緒に海苔巻にしたかんぴょう巻きです。地元の寿司屋さんなどでは、以前から呑みの〆として重宝されてきた逸品だそう。12個入りのシンプルな構成ですが、かんぴょうなので重くなく、お酒のお供にはもちろん、軽く小腹を満たすにはちょうどいい駅弁に仕上がっています。
なお、駅弁「みぶのサビかん」は数量限定とのこと。宇都宮から東北本線(宇都宮線)の快速・普通列車で大宮駅までは1時間あまり、東京駅まで約2時間といった所要時間。宇都宮周辺でひと仕事終えたら、グリーン車で軽く一杯やりながら帰るという方もいることでしょう。そんな宇都宮からの旅のお供にピッタリな“大人の味”が詰まったご当地名物。改めて、かんぴょう巻きの美味しさに気付くことができました。
この記事の画像(全6枚)
連載情報
ライター望月の駅弁膝栗毛
「駅弁」食べ歩き15年の放送作家が「1日1駅弁」ひたすら紹介!
著者:望月崇史
昭和50(1975)年、静岡県生まれ。早稲田大学在学中から、放送作家に。ラジオ番組をきっかけに始めた全国の駅弁食べ歩きは15年以上、およそ5000個!放送の合間に、ひたすら鉄道に乗り、駅弁を食して温泉に入る生活を送る。ニッポン放送「ライター望月の駅弁膝栗毛」における1日1駅弁のウェブサイト連載をはじめ、「鉄道のある旅」をテーマとした記事の連載を行っている。日本旅のペンクラブ理事。
駅弁ブログ・ライター望月の駅弁いい気分 https://ameblo.jp/ekiben-e-kibun/