小湊鉄道といすみ鉄道の沿線事業者が、房総半島を“たすき”のように横断して地域を活性化しようという想いで始めた「房総横断鉄道たすきプロジェクト」が進行している。同プロジェクトは、千葉銀行グループと両鉄道会社がタッグを組み、沿線事業者のアイデアをまとめることで、地域の新たな魅力創出を図る取り組み。
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プロジェクト第1弾に参加の皆さん
小湊鐵道は五井駅から上総中野駅を、いすみ鉄道は上総中野駅と大原駅を結んでおり、この2社の線路を繋ぐと房総半島をたすき掛けしているように見えることなどから名付けたプロジェクト。昨年12月23日に行われた発表会では、小湊鐵道の石川晋平社長が自ら沿線の事業者をまわり、「いろんな面白いプロジェクトが出てきて、自分自身も知らないこともたくさんあってエネルギーを感じた。熱量があれば人は集まってくるし、ローカルは儲かる。皆さんと手を合わせてやっていきたい」と述べた。
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小湊鐵道
一方、いすみ鉄道は昨年10月に脱線事故を起こし、今なお全線運休でバスによる代行運転となっている。事故前からこの企画を進めてきた千葉銀行地域創生部の小川利幸部長は「いすみ鉄道がこういう状況になってこのプロジェクトを進めていこうかどうか悩んだ。その中で事業者や協賛企業の方から熱い後押しを頂いた。むしろこういう時だからこそ、しっかり実行して地域を支えていこうとなった」とスタートまでの経緯を語った。
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説明をする小湊鐵道代表取締役社長石川晋平氏(右)といすみ鉄道営業課副長の吉田貴文氏
ちばぎん商店が運営するクラウドファンディングサイトで、第1弾となる10件の企画が公開されており、小川屋味噌店の味噌作りや小湊鉄道と市原湖畔美術館のコラボによるオリジナルグッズの開発、ホテル三日月によるいすみ鉄道の車両「いすみ206型」の再塗装プロジェクトなど、沿線企業ならではの内容となっている。
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たすきプロジェクトで説明をする事業者の方
千葉銀行とちばぎん商店では、今年3月以降にも8件から10件くらいの第2弾プロジェクトの発表を予定しており、沿線でのスタンプラリーも検討している。