飯山駅「信州いいやま謙信笹ずし」(1,000円)~ニッポンのふるさと・飯山線【ライター望月の駅弁膝栗毛】

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飯山線・キハ110系

飯山線・キハ110系

長野と新潟を結ぶローカル線・JR飯山線。
列車は長野駅を出ると、途中の豊野までかつての信越本線(今のしなの鉄道・北しなの線)を走り、飯山線に乗り入れていきます。
途中の飯山駅では、北陸新幹線と接続。
新幹線開業に合わせて、駅も従来の場所から移転し、新しい駅舎となりました。

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飯山線からの千曲川

飯山線の車窓の友は、何と言っても、日本一の大河・千曲川。
春まだ浅いこの時期、雪景色の中をゆったりと流れます。
この千曲川沿いにある替佐(かえさ))駅が最寄りとなる旧・豊田村(現・中野市)は、唱歌「ふるさと」を作詞した高野辰之の”ふるさと”。
「ふるさと」に唄われたようなニッポンの原風景が楽しめるローカル線、それが飯山線なのです。

信州いいやま謙信笹ずし

信州いいやま謙信笹ずし

千曲川の車窓を眺めながらいただきたい駅弁が、飯山駅で販売されていました。
その名も「信州いいやま謙信笹ずし」(1,000円)。
去年秋に開催された「駅弁味の陣 2016」にエントリーされた駅弁の1つでもあります。
調製元は、飯山市内「高橋まゆみ人形館」前にある食事処「味蔵 月あかりと、「信州いいやま観光局」の連名となっており、飯山駅1階のNEW DAYSで販売されています。

信州いいやま謙信笹ずし

信州いいやま謙信笹ずし

笹の葉っぱを模した紙の包装を開けると、笹のいい匂いと共に、素朴な笹ずしが3つ現れました。
包装に書かれている薀蓄によると、戦国時代、上杉謙信がライバル・武田信玄との合戦に向かう際、今の飯山市にある信越国境・富倉峠を通りました。
この時、村人が勝利を願う兵糧として献上したのが「笹ずし」・・・という言い伝えがあるのだそう。
なるほど、それゆえ「謙信笹ずし」というネーミングなんですね!

信州いいやま謙信笹ずし

信州いいやま謙信笹ずし

包装には、丁寧に「笹ずしの食べ方」がレクチャーされていました。
「笹ずし」は野戦食ということで、箸を使わないで食べるのが基本。
口元に笹の葉っぱごと持っていき、ご飯を浮かび上がらせるように食べるといいといいます。
確かにこの食べ方は、陣中の武将気分が味わえそう!

すし飯の米は飯山市産のものを使用しており、笹ずしのみならず、豚肉の味噌麹焼き、簡単な野菜サラダなど、ちょっとしたおかずが付いているのが好印象。
特にじゃがいもを使った「いもなます」の食感がいいですね。

飯山線からの千曲川

飯山線からの千曲川

「信州いいやま謙信笹ずし」の飯山駅における入荷は、朝9時頃で、「月あかり」(0269-67-0188)に予め電話をしておけば、NEWDAYSに取り置きをお願いすることも出来ます。
ゆったりと流れる千曲川と、雪が残る風景を眺めながら、飯山線のボックスシートに身を委ねて、のんびりローカル線の旅を楽しんでみては!?

(取材・文:望月崇史)

連載情報

ライター望月の駅弁膝栗毛

「駅弁」食べ歩き15年の放送作家が「1日1駅弁」ひたすら紹介!

著者:望月崇史
昭和50(1975)年、静岡県生まれ。早稲田大学在学中から、放送作家に。ラジオ番組をきっかけに始めた全国の駅弁食べ歩きは15年以上、およそ5000個!放送の合間に、ひたすら鉄道に乗り、駅弁を食して温泉に入る生活を送る。ニッポン放送「ライター望月の駅弁膝栗毛」における1日1駅弁のウェブサイト連載をはじめ、「鉄道のある旅」をテーマとした記事の連載を行っている。日本旅のペンクラブ理事。
駅弁ブログ・ライター望月の駅弁いい気分 https://ameblo.jp/ekiben-e-kibun/

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