飯山駅「笹ずし」(680円)~温泉文化が花開く野沢温泉!【ライター望月の駅弁膝栗毛】

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観光列車「おいこっと」とキハ110系、戸狩野沢温泉駅にて

観光列車「おいこっと」とキハ110系、戸狩野沢温泉駅にて

飯山線の観光列車といえば、快速「おいこっと」。
「TOKYO」を逆さに読んで、“田舎であることをウリ”にした、素朴な雰囲気の列車です。
冬の間は、長野~戸狩野沢温泉間を週末中心に2往復。
春~秋は、長野~十日町間を片道2時間半ほどかけて、週末中心に1日1往復します。
「おいこっと」の旅は、また機会を改めて・・・ということで、今回は?

野沢温泉「大湯」

野沢温泉「大湯」

北陸新幹線・飯山線の飯山駅から、バスの「野沢温泉ライナー」で25分。
長野を代表する温泉地の1つ、野沢温泉にやってきました。
野沢のシンボルといえば、何と言っても共同浴場の「大湯」。
野沢には13の外湯があり、地元の方によって掛け流しの温泉が大事に守られています。
それぞれの外湯には賽銭箱があるので、入る際には各自“気持ち”をチャリン!と。
なお、大湯のお湯は66.2℃、ph8.5、成分総計717mg/kgの単純硫黄温泉です。

野沢温泉「麻釜」

野沢温泉「麻釜」

「麻釜」のお湯で作られる温泉玉子

「麻釜」のお湯で作られる温泉玉子

そして野沢温泉といえば、国の天然記念物「麻釜(おがま)」にも行っちゃいますよね。
「麻釜」は、野沢に30あまりあるという源泉の一つで、100度近い熱湯が湧出しています。
このお湯を使って、地元の方が野沢菜や山菜などを茹でているのも、よく見られる風景。
それゆえ「野沢温泉の台所」とも言われますが、何とも贅沢でうらやましい日常生活!
訪れた日はちょうど、温泉玉子がかごに入れられ、茹でられていました。

bl170324-5(笹ずし)

ぜにがめ堂の笹ずし

温泉に泊まってお湯に浸かると、不思議と食欲もわいてきて、朝から3杯飯なんてことも・・・。
それゆえ昼ごはんは、少し軽めのものが重宝します。
野沢で1泊した後、北陸新幹線・飯山駅に戻ってくると、まさにそんな時。
飯山駅のNEWDAYSには、前回紹介したものとは別に、もう1つ「笹ずし」がありました。
それは飯山市内の「ぜにがめ堂」が調製している「笹ずし」(680円)です。

ぜにがめ堂の笹ずし

ぜにがめ堂の笹ずし

ぜにがめ堂の「笹ずし」は、シンプルに2種類の笹ずしが2個ずつ、全4個の構成。
1つは昔ながらのぜんまい、椎茸、クルミなどを使った「笹ずし」。
そしてもう1つは、信州サーモンを使った「信州サーモン笹ずし」です。
ぜにがめ堂の「笹ずし」の帯には、食べ方がイラスト入りで解説されているのも特徴。
解説文は日本語のみですが、野沢を訪れた海外の方がもしも手にしても、絵が入っているので、何となく食べ方は理解してもらえるかもしれません。

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ぜにがめ堂の笹ずし

「信州サーモン」とは、長野県水産試験場がおよそ10年の歳月をかけ、ニジマスとブラウントラウトを交配させて作りだした信州のブランド魚。
通常のニジマスなどより肉厚で、肉質がきめ細かく味わい深いものとなっています。
信州の温泉宿ではよく出されますが、こういった形で駅弁でも気軽に食べられるのは有難い!

去年の「駅弁味の陣」を通じて、少し知られるようになってきた飯山の新しい駅弁。
飯山~東京間は1時間40分程度なので、こういった軽食系弁当がちょうどいいんですよね。
駅弁をはじめ、2社で程よい競争があると、切磋琢磨して弁当のクオリティは上がっていくもの。
冬季を中心に多くの海外の方も使う飯山駅から、伝統に根差した新しい駅弁文化が一層発信されていったら嬉しいもの・・・私も今後の展開に注目していきたいと思います。

(取材・文:望月崇史)

連載情報

ライター望月の駅弁膝栗毛

「駅弁」食べ歩き15年の放送作家が「1日1駅弁」ひたすら紹介!

著者:望月崇史
昭和50(1975)年、静岡県生まれ。早稲田大学在学中から、放送作家に。ラジオ番組をきっかけに始めた全国の駅弁食べ歩きは15年以上、およそ5000個!放送の合間に、ひたすら鉄道に乗り、駅弁を食して温泉に入る生活を送る。ニッポン放送「ライター望月の駅弁膝栗毛」における1日1駅弁のウェブサイト連載をはじめ、「鉄道のある旅」をテーマとした記事の連載を行っている。日本旅のペンクラブ理事。
駅弁ブログ・ライター望月の駅弁いい気分 https://ameblo.jp/ekiben-e-kibun/

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