一ノ関駅「鶏舞弁当」(980円)~期間限定・200系新幹線ラッピングの駅レンタカー【ライター望月の駅弁膝栗毛】

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200系新幹線

200系新幹線(2009年撮影)

開業35周年を迎えた東北新幹線の初代車両・緑と白の200系。
平成25(2013)年の引退から、早4年あまりが経ちました。
最後まで活躍した編成の1つ・K47編成は、平成19(2007)年の東北新幹線25周年から6年近くにわたって、オリジナルカラーのリバイバル塗装が施されて人気を集めました。
現在、このK47編成の1号車は、新潟市内の「新津鉄道資料館」に展示されています。

200系新幹線レンタカー

200系新幹線レンタカー

現役の200系新幹線は見ることは出来ませんが、今回、東北新幹線の開業35周年を記念して、駅レンタカー盛岡営業所に、緑と白の「200系新幹線ラッピング車」が登場しています。
6月下旬から9月末までの期間限定、および台数限定。
インターネットからの予約は前日14時までとなっており、早速、人気を集めている様子です。

地方都市の旅は、駅レンタカーを上手く組み合わせると、効率的に回ることが出来るもの。
通常の駅レンタカーなら、レール&レンタカーきっぷやモバイルSuica特急券などと組み合わせるとかなりお得になることがあるので、お出かけ前にはぜひチェックしておきたいものです。

鶏舞弁当

鶏舞弁当

鉄道車両ではよくリバイバル塗装が大きな人気を集めますが、実は駅弁でもメモリアルイベントがあると、しばしば「復刻駅弁」が発売されます。
今回の東北新幹線35周年でも、一ノ関駅弁「斎藤松月堂」の「鶏舞(とりまい)弁当」(980円)が、復刻されて、東京・大宮・仙台・盛岡などで販売されました。
「斎藤松月堂」の公式facebookによると、一ノ関駅での開業記念イベントでも、立ち売りスタイルでこの駅弁が販売されたようです。

鶏舞弁当

鶏舞弁当

一関に伝わる代表的な郷土芸能・南部神楽の代名詞的な存在である「鶏舞」。
『南部神楽の「岩戸開き」で夜明けを待っていた鶏達が喜び、叫び、舞い踊る様』という注釈と共に、その様子が描かれたレトロな雰囲気の掛け紙を外すと、なるほど、鶏の照り焼きが載った鶏ごはんが現れました。
同封のしおりには、昭和57(1982)年6月23日の開業当日の1番列車「やまびこ11号」を一ノ関駅に迎えた時の熱狂ぶりも記載されており、当時の喜びの様子が伝わってきました。

鶏舞弁当

鶏舞弁当

国産鶏肉の照り焼きは、鶏の皮に焦げ目が付いていて、食欲をそそってくれます。
一ノ関駅弁のおかずに、宮城の駅弁のように「笹かまぼこ」や「しそ巻き」が入っているのも、一関を含む岩手県南部がかつて伊達領であったことを教えてくれますね。

今ではよく見られる鶏めし駅弁ですが、地域が誇る伝統芸能に結びつけてネーミングしたことで、ちょっとした「へぇ!」が生まれるのが嬉しいもの。
その意味でも、やはり駅弁は、地域の「文化」が凝縮されたものなんですよね。
これからもおめでたい“祭り”の時には、ちょくちょく顔を見せてほしい駅弁です。

(取材・文:望月崇史)

連載情報

ライター望月の駅弁膝栗毛

「駅弁」食べ歩き15年の放送作家が「1日1駅弁」ひたすら紹介!

著者:望月崇史
昭和50(1975)年、静岡県生まれ。早稲田大学在学中から、放送作家に。ラジオ番組をきっかけに始めた全国の駅弁食べ歩きは15年以上、およそ5000個!放送の合間に、ひたすら鉄道に乗り、駅弁を食して温泉に入る生活を送る。ニッポン放送「ライター望月の駅弁膝栗毛」における1日1駅弁のウェブサイト連載をはじめ、「鉄道のある旅」をテーマとした記事の連載を行っている。日本旅のペンクラブ理事。
駅弁ブログ・ライター望月の駅弁いい気分 https://ameblo.jp/ekiben-e-kibun/

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