札幌駅「やまべ鮭寿し」(600円)~熱烈なリピーターによって支えられる北海道旅のシメ駅弁!【ライター望月の駅弁膝栗毛】

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快速「エアポート」

721系・快速「エアポート」

札幌と新千歳空港を最速37分で結ぶ列車といえば、快速「エアポート」です。
日中は札幌「5.20.35.50」分発、空港「0.15.30.45」分発の毎時4本、きっちり15分間隔で運行。
うち、半分は小樽発着で、小樽・空港共に「0.30分発」と、とても分かりやすいダイヤです。
721系・733系の6両編成で運行され、4号車は指定席の「uシート」(+520円)。
首都圏の普通列車グリーン車よりおトクに、リクライニングシートに確実に座って移動できます。

やまべ鮭寿し

やまべ鮭寿し

快速「エアポート」の指定席「uシート」には背面テーブルが付いており、立派な“駅弁環境”。
千歳の飛行機の時間には、あまり余裕がない、でもハラは減った。
札幌弾丸出張、何ひとつ北海道らしいことをしていない・・・。
そんな“残念なアナタ”を、ちょっぴり北海道気分にさせてくれる駅弁があります。
札幌駅弁「札幌駅立売商会(弁菜亭)」の「やまべ鮭寿し」(600円)です。

やまべ鮭寿し

やまべ鮭寿し

魚の絵が描かれた背面テーブル横いっぱいに広がる大きな掛け紙、横長の容器が特徴。
掛け紙は昭和44(1969)年の誕生以来、基本的にこのやまべと鮭が描かれたデザインだそうです。
「やまべ」とは、本州でいうところの「やまめ」のこと。
道内の川で獲れた海に下る前のものを、1匹1匹手作業でさばいているといいます。
これに北海道らしくサーモンを組み合わせて、にぎり寿司にしているんですね。

やまべ鮭寿し

やまべ鮭寿し

実は数年前、「やまべ鮭寿し」は、様々な事情で、一度、販売を終了したことがありました。
しかし、北海道内・道外の熱烈な「やまべ鮭寿し」のファンから、「あの駅弁、なんで無くしちゃったの?」という声がお店にたくさん寄せられたのだそうです。
そんなファンの熱い思いに応える形で、中身と価格帯を若干リニューアルし、個数限定での“再発売”となりました。
今も数多くの“リピーター”の駅弁への思いによって支えられている「やまべ鮭寿し」。
『札幌の駅弁といえばコレ!』というお客さんが多いんでしょうね。

「やまべ鮭寿し」のキャッチフレーズは、“ビールと一緒に楽しめる駅弁”。
札幌~空港の30分あまり、サッとつまみながら、北海道ならではの“クラシックビール”をグビっといけば、仕事ばかりの北海道旅でも、来てよかったなぁという気持ちになれそうです。
快速「エアポート」の37分間を、最も有意義な時間にしてくれる駅弁と言っていいでしょう。

快速「エアポート 」 特急「スーパーおおぞら」

733系・快速「エアポート」とキハ283系・特急「スーパーおおぞら」

新千歳空港行の快速「エアポート」は、南千歳駅で敢えて下り線のホームに入線。
釧路からの「スーパーおおぞら」、函館からの「スーパー北斗」などの乗換えの便を図っています。
逆に札幌方面行の「エアポート」は、反対のホームに入ることで乗り換えをしやすくしています。
「エアポート」は南千歳駅の手前で大きく揺れますが、この揺れは大きな荷物を持って道東・道南から長時間、列車に揺られてきた乗換えのお客さんへの思いやりの証。
列車は南千歳で、たくさんの人の北海道の旅の思い出をさらに詰め込んで、空港への地下トンネルに吸い込まれていきます。

連載情報

ライター望月の駅弁膝栗毛

「駅弁」食べ歩き15年の放送作家が「1日1駅弁」ひたすら紹介!

著者:望月崇史
昭和50(1975)年、静岡県生まれ。早稲田大学在学中から、放送作家に。ラジオ番組をきっかけに始めた全国の駅弁食べ歩きは15年以上、およそ5000個!放送の合間に、ひたすら鉄道に乗り、駅弁を食して温泉に入る生活を送る。ニッポン放送「ライター望月の駅弁膝栗毛」における1日1駅弁のウェブサイト連載をはじめ、「鉄道のある旅」をテーマとした記事の連載を行っている。日本旅のペンクラブ理事。
駅弁ブログ・ライター望月の駅弁いい気分 https://ameblo.jp/ekiben-e-kibun/

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