小田原駅「鯛めし」(830円)~ダブルで楽しむ「サンライズ」!

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【ライター望月の駅弁膝栗毛】

サンライズ瀬戸・出雲

285系電車・寝台特急「サンライズ瀬戸・出雲」、東海道本線・早川~根府川間

首都圏では、この8月ほど「太陽」が恋しかった年は無かったように思います。
せめて、列車の写真だけでも「太陽」を・・・ということで、今日は東海道線・唯一の定期夜行列車、寝台特急「サンライズ瀬戸・出雲」号からスタート!
下りは東京22:00発、上りは東京7:08着ですので、「サンライズ瀬戸・出雲」号の285系電車が、首都圏で思いっきり朝日を浴びて走るのは、夏の日の出が早い時期ならではのお楽しみです。

相模湾

相模湾の日の出

東海道線・早川~根府川(ねぶかわ)間は、相模湾の車窓が美しい区間。
特に根府川駅付近は、相模湾から昇る朝日が神々しいんですよね。
正月の初日の出列車の中には、例年、根府川駅で長時間停車するものもあります。
せっかく「サンライズ瀬戸・出雲」を見るなら、ホンモノの朝日と一緒に拝みたいもの。
ダブルで“サンライズ”を楽しめた暁には、それはめでたいといってもいいでしょう。

鯛めし

鯛めし

“めでたい”とくれば、この地でチョイスする駅弁は、小田原駅の名物「鯛めし」(830円)でしょうか。
調製元は、小田原駅弁の「東華軒」です。
誕生は明治40(1907)年といいますから、今年で110年の超ロングセラー駅弁!
昨年(2016年)には、小田原市民による「地元で愛されている逸品」に与えられる「小田原セレクション」にも選ばれました。

鯛めし

鯛めし

茶飯の上に鯛のおぼろがたっぷり載った昔ながらの駅弁です。
木のスプーンが付いて、小さい子供でも食べやすくなっているのが特徴。
このおぼろタイプの「鯛めし」は、静岡駅が元祖とされ、今も各駅で販売される東海道名物です。
「東華軒」でも、手間をかけて伝統的な製法で作られているそうですが、ほんのりとした甘さが、まさに“明治の味”!
蒲鉾・竹輪やわさび漬けといったシンプルなおかずと共に、東海道線を行き交った昔の人たちに思いを馳せて、「歴史」を感じたい駅弁です。

サンライズ瀬戸・出雲

寝台特急「サンライズ瀬戸・出雲」と721M普通列車、東海道本線・早川~根府川間

東京~岡山間は、高松(琴平)発着の編成と出雲市発着の編成を併結して14両編成で走る「サンライズ瀬戸・出雲」。
東海道にふさわしい長編成の列車が明るい時間に観られるのは、1日1度だけのチャンスです。
でも、列車本数が多い東海道・・・、少しタイミングがずれてしまうと、下り列車と“かぶる”ことも。
JR東日本・東海・西日本・四国の4社にまたがって運行される長距離列車だけに、ダイヤ通りの運行には、各社それぞれのご苦労があることでしょう。

連載情報

ライター望月の駅弁膝栗毛

「駅弁」食べ歩き15年の放送作家が「1日1駅弁」ひたすら紹介!

著者:望月崇史
昭和50(1975)年、静岡県生まれ。早稲田大学在学中から、放送作家に。ラジオ番組をきっかけに始めた全国の駅弁食べ歩きは15年以上、およそ5000個!放送の合間に、ひたすら鉄道に乗り、駅弁を食して温泉に入る生活を送る。ニッポン放送「ライター望月の駅弁膝栗毛」における1日1駅弁のウェブサイト連載をはじめ、「鉄道のある旅」をテーマとした記事の連載を行っている。日本旅のペンクラブ理事。
駅弁ブログ・ライター望月の駅弁いい気分 https://ameblo.jp/ekiben-e-kibun/

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