【ライター望月の駅弁膝栗毛】
今年12月で開業15周年の節目を迎えた東北新幹線の「盛岡~八戸間」。
これに合わせて東北新幹線のE2系は8両から10両に増強され、ラインも赤からピンクに。
停車駅が少なく俗に“スーパーやまびこ”と呼ばれていた列車に「はやて」の愛称が与えられ、
全車指定席、時速275km運転、東京~八戸間は、最速2時間56分で結ばれました。
E2系「はやて」の存在感も薄くなりましたが、当時はかなり衝撃的でした。
正直、2002年12月の「はやて」登場時、私は「はつかり」「はくつる」などの東北の名列車が、無くなってしまったこともあり、あまり気持ちが盛り上がりませんでした。
しかし翌年3月、JR東日本が完全民営化を記念して「JR東日本パス」という、ものすごい切符を登場させました。(期間限定・現在は販売していません)
東日本エリアの新幹線・特急が2日間乗り放題、指定席も4回利用可能で12,000円!
このきっぷが北東北へ足を運ぶきっかけとなり、青森の温泉が好きになってしまったのです。
そんな15年前の記憶がふと思い出される駅弁が、この秋、登場していました。
その名も「うにとウニと雲丹 味くらべ弁当」(1,180円)。
包装の真ん中にE2系の写真があしらわれ、東北新幹線開業15周年(2002.12.1、盛岡~八戸間)の文字が躍ります。
八戸駅弁「吉田屋」による、八戸開業15周年記念駅弁という位置づけですね。
【お品書き】
・うにのすき焼き味玉子とじ
・うにのあんかけイクラのせ
・うにのトマトクリームソース
・醤油風味ご飯
・ポテトサラダ
・厚焼き玉子
・煮物(椎茸、人参)
・レンコン酢漬け
・しば漬け
・野沢菜辛子漬
うに尽くし駅弁は、しばしば見られますが、味の食べ比べが出来るのは少し珍しい存在。
特に印象的だったのは「うにのトマトクリームソース」です。
少量ずつで女子受けが良さそうなのはもちろん、インスタ(SNS)映えもよさそう。
10~11月に東日本エリアで開催された「駅弁味の陣2017」では、ウェブサイトからの投票が多かったそうで「そそられ将軍」を獲得しています。
確かに「うにのトマトクリームソース」は、ハイカラな食感が食欲をそそってくれました。
東北新幹線は新青森まで全通、北海道新幹線も新函館北斗まで開業しましたが、八戸からは三陸へ八戸線が分岐しており、八戸からの第3セクター・青い森鉄道線も大湊線などへの通過利用では「青春18きっぷ」が使えるのが有難いところ。
特に八戸線は、新型気動車デビューの一方で、来春でキハ40形が引退してしまいますので、この冬はウニの「食べ比べ」だけでなく、キハの「乗り比べ」もお忘れなく!
連載情報
ライター望月の駅弁膝栗毛
「駅弁」食べ歩き15年の放送作家が「1日1駅弁」ひたすら紹介!
著者:望月崇史
昭和50(1975)年、静岡県生まれ。早稲田大学在学中から、放送作家に。ラジオ番組をきっかけに始めた全国の駅弁食べ歩きは15年以上、およそ5000個!放送の合間に、ひたすら鉄道に乗り、駅弁を食して温泉に入る生活を送る。ニッポン放送「ライター望月の駅弁膝栗毛」における1日1駅弁のウェブサイト連載をはじめ、「鉄道のある旅」をテーマとした記事の連載を行っている。日本旅のペンクラブ理事。
駅弁ブログ・ライター望月の駅弁いい気分 https://ameblo.jp/ekiben-e-kibun/