【ライター望月の駅弁膝栗毛】
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加古川を渡るN700A、山陽新幹線・西明石~姫路間
東海道・山陽新幹線の主力・N700系。
早いもので登場から10年が経ちましたが、この10年の間にも着実に「進化」を遂げていて、新しく登場した車両は「N700A」として、側面に大きな「A(Advanceの意)」が描かれています。
また従来のN700系にも新しい技術を反映した改造が行われ、コチラは元々のN700のロゴに小さく「A」の文字がプラスされています。
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京王百貨店新宿店
車両も進化する一方、鉄道旅のお供「駅弁」も着実に進化を遂げています。
その“進化”を、自分の目と舌で確認できるのが、駅弁の見本市である「駅弁大会」です。
現在、京王百貨店新宿店で開催中の「第53回元祖有名駅弁と全国うまいもの大会」!
今週の駅弁膝栗毛は、日本を代表する駅弁大会の中からいただいてみたい駅弁をピックアップしてご紹介しています。
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京王百貨店新宿店・まねき食品ブース
やって来たのは、山陽新幹線・姫路駅の駅弁屋さん「まねき食品」のブース。
「駅弁膝栗毛」では、昨年の大みそかに「えきそば」をご紹介しました。
この「まねき食品」、創業が明治21(1888)年で、今年が創業130周年の節目の年。
今回、京王の駅弁大会には、この130周年の感謝の意味を込めて新たに作られた駅弁を、実演販売しています。
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牛と穴子の重ね重ねありがとう弁当
その名も「牛と穴子の重ね重ねありがとう弁当」(1,480円)!
山陽線エリアの駅弁では欠かせない食材「穴子」。
姫路でも昔から「あなごめし」が販売されており、最近はバージョンアップした煮穴子と焼穴子を一緒に楽しめる「穴子かさね重」が販売されています。
今回、それに人気の食材・牛肉を加え、「ダブルでかさね重」が楽しめる駅弁が登場しました。
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牛と穴子の重ね重ねありがとう弁当
「創業130周年記念弁当」のロゴが入った掛け紙を外すと、穴子と牛肉がダブルで登場!
穴子は、ご飯の上に「焼穴子」が載り、ご飯の中に「煮穴子」。
牛肉は、ご飯の上に「牛焼肉」が載り、ご飯の中に「牛肉煮」。
ダブルの食材が、ダブルで重なっていることから、長年の御礼の意味も込めて「重ね重ねありがとう弁当」というネーミングになっている訳ですね。
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牛と穴子の重ね重ねありがとう弁当
早速、焼穴子の下のご飯を掘っていきますと・・・現れました「煮穴子」!
さあ、牛肉のほうはどうでしょうか?
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牛と穴子の重ね重ねありがとう弁当
牛焼肉の下も掘っていくと・・・ちゃんと出てきました「牛肉煮」!
「まねき食品」には、但馬牛を使った駅弁もありますので、牛肉の扱いも十八番なのです。
最近の駅弁の「進化」って、郡山の「海苔のりべん」などに見られるような、“掘り出し物感”というか、“サプライズ感”にあるような気がしています。
少し前まではご飯をサッと盛り、名物食材をドーンと盛って、一丁上がりだったのが、ご飯の中にも、もう「ひと仕掛け」を作ってくる駅弁が増えました。
やはり、これがあると、食べ進めていく中にも「楽しみ」や「ありがたみ」が増えますよね!
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京王百貨店新宿店・まねき食品ブース
さらにこの「まねき食品」、実は去年(2017年)、日本の駅弁屋さんとしては初めて、台湾にも「駅弁屋」さんとして出店を果たしました。
その意味でも今、一番面白い駅弁屋さんと言っても過言ではない「まねき食品」。
駅弁膝栗毛では、来月にも密着レポをお送りする予定ですのでお楽しみに!!
連載情報
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ライター望月の駅弁膝栗毛
「駅弁」食べ歩き15年の放送作家が「1日1駅弁」ひたすら紹介!
著者:望月崇史
昭和50(1975)年、静岡県生まれ。早稲田大学在学中から、放送作家に。ラジオ番組をきっかけに始めた全国の駅弁食べ歩きは15年以上、およそ5000個!放送の合間に、ひたすら鉄道に乗り、駅弁を食して温泉に入る生活を送る。ニッポン放送「ライター望月の駅弁膝栗毛」における1日1駅弁のウェブサイト連載をはじめ、「鉄道のある旅」をテーマとした記事の連載を行っている。日本旅のペンクラブ理事。
駅弁ブログ・ライター望月の駅弁いい気分 https://ameblo.jp/ekiben-e-kibun/