【ライター望月の駅弁膝栗毛】
2週間にわたって行われてきた京王百貨店新宿店の「第53回元祖有名駅弁と全国うまいもの大会」もいよいよ最終日。
駅弁膝栗毛でも、数々の駅弁をピックアップしてきましたが、今回は“出逢えたらラッキー!”というレアな輸送駅弁をご紹介しましょう。
その駅弁とは、京都府内を走る山陰本線の・・・?
園部駅(南丹市)の駅弁、淡路屋の「鮎寿し」(1,300円)!
実は私が、今回の京王の駅弁大会で出逢えて、一番嬉しかった駅弁です。
それというのもこの駅弁、去年(2017年)の夏、復活を果たしたばかり。
ご主人がJR福知山線の武庫川廃線跡ハイキングコースの実現に関わっていたことが縁で、園部駅弁の復活を後押しされ、実現したのだそうです。
綴じ紐をほどいて、昔懐かしい掛け紙を外すと、魚の形をした経木の折詰!
いやぁ、昔のまんまじゃないですか!!
「駅弁膝栗毛」では平成15(2003)年に園部のお店を訪問しており、実に「15年ぶり」の再会。
こうして再び、ニッポン放送のwebサイトでご紹介出来る時が来るとは思いませんでした。
酢が強めに効いているのも、昔ながらの寿し駅弁という感じでイイですよね。
京王百貨店新宿店では、午後2時頃から1日20個前後(変動あり)が輸送駅弁として販売。
輸送駅弁の売り場で出逢えたなら、かなり奇跡に近いかもしれません。
それというのも昨年夏の段階では、復活させてどのくらいの需要があるか分からなかったため、夏の魚である鮎が切れてしまうことから、京王の後はしばしお休みに入る予定とのこと。
「淡路屋」によりますと、鮎のシーズンとなる初夏には販売を再開したいということでした。
鮎寿しと並ぶ名物だった「栗めし」はまだ若干在庫があり、「幕の内弁当」は通年販売中。
共に前日までの電話予約(淡路屋:0771-62-0339)が必要です。
園部は特急列車こそ停まりますが、京都郊外の通勤圏ということもあり、駅弁販売駅としては決して恵まれた駅ではありません。
でも、関西エリアの皆さんの鉄道文化への温かい思いが、駅弁の復活につながりました。
だからこそ再び灯った“駅弁の灯”は、大事に守っていきたいもの。
せっかく京都を訪れたのなら、寺社巡りや京都鉄博で終わらず、チョット郊外へ足を伸ばしてみてはいかがでしょうか。
連載情報
ライター望月の駅弁膝栗毛
「駅弁」食べ歩き15年の放送作家が「1日1駅弁」ひたすら紹介!
著者:望月崇史
昭和50(1975)年、静岡県生まれ。早稲田大学在学中から、放送作家に。ラジオ番組をきっかけに始めた全国の駅弁食べ歩きは15年以上、およそ5000個!放送の合間に、ひたすら鉄道に乗り、駅弁を食して温泉に入る生活を送る。ニッポン放送「ライター望月の駅弁膝栗毛」における1日1駅弁のウェブサイト連載をはじめ、「鉄道のある旅」をテーマとした記事の連載を行っている。日本旅のペンクラブ理事。
駅弁ブログ・ライター望月の駅弁いい気分 https://ameblo.jp/ekiben-e-kibun/