高崎駅「上州舞茸弁当」(1,100円)~群馬の115系・引退へ
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【ライター望月の駅弁膝栗毛】
雪化粧した上越国境の山々をバックに、山を駆け下りてくるオレンジと緑の115系電車。
長年、続いてきたこの風景も、間もなく過去のものとなります。
今年(2017年)1月15日、群馬エリアで54年間にわたって活躍してきた115系電車が3月で定期運行を終了することが発表されました。
1月15日に合わせて発表されたことからも、この車両の“愛され度”が分かりますよね。
115系電車のいいところは、なんといってもボックスシートが健在なこと。
駅弁を食べやすい車内なんですよね。
群馬で活躍している115系は、1000番台に分類される昭和50年代生まれの車両。
そこで「高崎弁当」の駅弁の中から、昭和59(1984)年生まれの駅弁をご紹介しましょう。
発売から30年以上、ロングセラーの域に入ってきた「上州舞茸弁当」(1,100円)です。
【お品書き】
・舞茸ご飯
・栗甘露煮
・鶏照り焼き
・舞茸入り肉団子
・舞茸佃煮風味
・舞茸金平風味
・天ぷら(エビ、舞茸)
・ししとう素揚げ
・赤こんにゃく
・花豆煮
・わさび風味野沢菜漬け
群馬の特産として知られる「舞茸」がたっぷりの駅弁。
舞茸ご飯をメインに、舞茸天や佃煮など、至る所から舞茸が顔をのぞかせます。
それなのに思いのほか飽きが来ないのは、舞茸の美味しさとアレンジの巧さか。
基本に忠実で、舞茸という軸があるからこそ、30年以上続いているのかもしれません。
懐かしさを憶える折詰の駅弁が、群馬の日常を支えた電車には似合いそうですね。
赤城山の山並みをバックに上越国境に挑む115系電車。
115系電車は、十数年前まで東海道線などで活躍していた113系電車に、山岳路線向けのブレーキを搭載した電車として生まれた電車です。
赤城山、谷川岳、妙義山などを望む群馬エリアの両毛線、上越線、信越本線、吾妻線は、115系電車の走りがよく似合う路線といえましょう。
だからこそ、しっかりとマナーを守って記録し、記憶に残したいものです。
連載情報
ライター望月の駅弁膝栗毛
「駅弁」食べ歩き15年の放送作家が「1日1駅弁」ひたすら紹介!
著者:望月崇史
昭和50(1975)年、静岡県生まれ。早稲田大学在学中から、放送作家に。ラジオ番組をきっかけに始めた全国の駅弁食べ歩きは15年以上、およそ5000個!放送の合間に、ひたすら鉄道に乗り、駅弁を食して温泉に入る生活を送る。ニッポン放送「ライター望月の駅弁膝栗毛」における1日1駅弁のウェブサイト連載をはじめ、「鉄道のある旅」をテーマとした記事の連載を行っている。日本旅のペンクラブ理事。
駅弁ブログ・ライター望月の駅弁いい気分 https://ameblo.jp/ekiben-e-kibun/