修善寺駅「武士のあじ寿司」(1,100円)~駅弁屋さんの厨房ですよ!(vol.10 舞寿し編①)

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【ライター望月の駅弁膝栗毛】

伊豆 箱根 鉄道 7000系 駿豆線 三島二日町 大場

伊豆箱根鉄道7000系、駿豆線・三島二日町~大場間

去年(2017年)、会社創立100周年の節目を迎えた伊豆箱根鉄道。
三島~修善寺間の駿豆線(すんずせん)は、今年5月で開業120周年となります。
現在は3両編成のワンマン列車が、全線を35分あまりで走破。
1日を通して毎時3~4本の列車が運行される地元の生活路線でありながら、中伊豆・西伊豆への観光アクセスも担う路線です。

修善寺駅 舞寿し

修善寺駅・舞寿し

駿豆線の終点・修善寺駅には、駅弁好きが愛してやまない名物駅弁があります。
その名も、「武士(たけし)のあじ寿司」(1,100円)!
この駅弁を手掛けるのが、駅の改札横に店を構える「舞寿し」です。
今回は「舞寿し」の厨房にお邪魔して、あじ寿司の製造過程に密着しました。
シリーズ「駅弁屋さんの厨房ですよ!」の第10弾は、初となる“私鉄の駅弁”です!

舞寿し 武士 東勢

舞寿し・武士東勢さん

「舞寿し」ご主人の武士東勢(たけし・とうせい)さんのご案内で、修善寺駅前にある「舞寿し」の厨房へ入れていただきました。
まずは、酢でまろやかに〆られたアジを、包丁で食べやすい大きさに切っていきます。
酢によって身が柔らかくなっているため、心地よく包丁が入っていきます。
アジはもちろん、沼津港に揚がったものにこだわっているそう。

舞寿し

舞寿し

舞寿し

舞寿し

「舞寿し」こだわりの寿司飯にゴマをたっぷりまぶしていきます。
その寿司飯を越前和紙で出来た小箱に手際よく盛り付けていきます。

舞寿し

舞寿し

舞寿し

舞寿し

寿司飯を盛り付けたら、西伊豆・松崎の名産、塩漬けの桜の葉をサッと敷きます。
この瞬間から、桜のいい香りが厨房に漂います。
そしてその上に、先ほどのアジが載せられていきます。
天然ものにこだわっているため、身の大きさは、若干差があります。
数個同時に作ることで、アジの量が出来るだけ揃うようにしていきます。

舞寿し

舞寿し

そしてカットしたレモンと生姜、ガリ、最後にちょこんと天城産のわさびを載せていきます。
充実したたっぷりの薬味も、食欲をそそるんですよね!
酢・ゴマ・桜の葉・生姜が調和したいい香りの中で、駿河湾のアジと薬味がキラキラと輝いて、まるで伊豆の幸がギュッと詰まった宝石箱のようになってきました。

舞寿し

舞寿し

舞寿し

舞寿し

セロハンシートをかけ、黒い内蓋を載せて、掛け紙をかければ、ついに修善寺名物「武士のあじ寿司」の出来上がり!
さあ、出来上がった「武士のあじ寿司」は?

修善寺駅 舞寿し

修善寺駅・舞寿し

修善寺駅 舞寿し

修善寺駅・舞寿し

ご主人自ら、修善寺駅の「舞寿し」まで歩いて運び、店頭に並べられるという訳です。
アジを切り始めてから、ここまで時間にして10分+αといったところ。
昼過ぎ以降、お店の「あじ寿司」が売れて少なくなってくると、厨房に電話が入ります。
あまり作り置きをせず、売れ行きに合わせて、随時、作っていきますので、修善寺駅の店頭に並ぶ「あじ寿司」は、いつも出来たてホヤホヤの可能性が高いと言ってもいいでしょう。

武士のあじ寿司

武士のあじ寿司

武士のあじ寿司

武士のあじ寿司

武士のあじ寿司

武士のあじ寿司

掛け紙を外し、ふたを開けた瞬間から、とてもいい香りが辺りに漂う「武士のあじ寿司」。
一般的な駅弁の寿司は、保存性の観点から、強めの酢で〆られたものが多いものですが、「武士のあじ寿司」は、あまり酢がキツくない、まろやかな食感が特徴です。
人呼んで「日本一おいしい寿司駅弁」の真骨頂は、この香りとまろやかにあります。
実際、平成18(2006)年に、私・望月も選考メンバーとして関わった日経新聞週末版の「寿司駅弁ランキング」でも、見事1位を獲得しております。

駅弁カフェ TAKESHI

駅弁カフェTAKESHI

「これだけ美味しそうな駅弁、スグにでも食べたい!」という願いにちゃんと応えてくれるのが、駅前の厨房に併設された「駅弁カフェ たけし」です。
駅弁のイートインが出来る場所って、意外に少ないので、とても重宝なんですよね。
ちなみにお店でいただくと、お茶と醤油の小皿がサービスされます。
電源&wi-fi完備のカフェでもありますので、駅弁をいただきながらスマホ充電もOKです。

伊豆 箱根 鉄道 7000系 駿豆線 牧之郷 修善寺

伊豆箱根鉄道7000系、駿豆線・牧之郷~修善寺間

伊豆箱根鉄道・駿豆線は、車窓からの富士山が美しい路線の1つです。
日本一の富士山を眺めながらいただく、日本一の寿司駅弁「武士のあじ寿司」。
35分ほどの乗車時間に、この上ない満足度が生まれます。
果たして、この駅弁はどうやって生まれたのか?
今週は1週間にわたって、「舞寿し」のアレコレを伺っていきます。

連載情報

ライター望月の駅弁膝栗毛

「駅弁」食べ歩き15年の放送作家が「1日1駅弁」ひたすら紹介!

著者:望月崇史
昭和50(1975)年、静岡県生まれ。早稲田大学在学中から、放送作家に。ラジオ番組をきっかけに始めた全国の駅弁食べ歩きは15年以上、およそ5000個!放送の合間に、ひたすら鉄道に乗り、駅弁を食して温泉に入る生活を送る。ニッポン放送「ライター望月の駅弁膝栗毛」における1日1駅弁のウェブサイト連載をはじめ、「鉄道のある旅」をテーマとした記事の連載を行っている。日本旅のペンクラブ理事。
駅弁ブログ・ライター望月の駅弁いい気分 https://ameblo.jp/ekiben-e-kibun/

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