郡山駅「三春滝桜べんとう」(1,050円)~今年も満開! 三春滝桜

By -  公開:  更新:

【ライター望月の駅弁膝栗毛】

キハ 110系 普通列車 磐越東線 舞木 三春

キハ110系・普通列車、磐越東線・舞木~三春間

東日本の非電化ローカル線で活躍するキハ110系気動車。
福島県の郡山といわきを結ぶ磐越東線(ばんえつとうせん)もそんな路線の1つです。
普段は1~2両編成ですが、朝夕の登下校時間帯は4両編成で走ることも・・・。
この日の小野新町行は、新年度が始まったばかりの下校生徒を一杯乗せてやって来ました。
ローカル線で少し長い編成の列車がやって来ると、ちょっぴり嬉しい気持ちになりますね。

臨時バス 滝桜号

臨時バス「滝桜号」

4月上旬~中旬は、例年、磐越東線が1年で最も混雑する時期。
というのも、磐越東線・三春駅は、日本三大桜の一つに数えられる「三春滝桜」の最寄駅。
三春駅では列車が着くのを待って、臨時バスの「滝桜号」が発車します。
往復のバス料金(途中停留所で乗降フリー)と観桜料が一緒になったチケットが「1,000円」で販売されており、乗車前にがま口を開けた係員さんが発行してくれます。

三春滝桜

三春滝桜(2018年4月10日撮影)

三春駅から「滝桜号」で20分弱、バス発着所から5分ほど歩くと、左手の小高い丘の斜面にひときわ大きな桜が現れました。
実は初めて訪れたのですが、これは大きい!
木の高さ13.5m、根回り11.3m、樹齢1,000年以上とされ、国の天然記念物にも指定されているベニシダレザクラ・・・これが「三春滝桜」なのです。

三春滝桜

三春滝桜(2018年4月10日撮影)

聞けば、今年は咲き始めてからわずか数日で、満開になってしまったとのこと。
訪れた日は午後でしたので、順光となる丘の上に回り込んでみると、里山を背景に、滝桜と菜の花との共演を楽しむことが出来ました。
「三春滝桜」を正面から順光で撮るなら、朝イチが良さそう。
東北新幹線の下り始発「やまびこ41号」、続く「つばさ121号」への乗車が必須ですね。

三春滝桜べんとう

三春滝桜べんとう

「三春滝桜」の花見旅にピッタリの駅弁といえば、郡山では春の定番!
郡山駅弁の「福豆屋」が製造・販売している「三春滝桜べんとう」(1,050円)でしょう。
満開の滝桜(夜桜バージョン)と、桜の花びらがいっぱいに描かれた風情ある掛け紙。
デザインは変わりながらも、「日本三大桜」の文字と共に「梅と桃と桜がいっぺんに咲く、三春の里 そこは幻の桜源郷・・・」のフレーズは、毎年おなじみのものです。

三春滝桜べんとう

三春滝桜べんとう

【お品書き】
・筍ごはん
菜の花醤油漬、桜の花塩漬
・煮物
 油揚げ、椎茸、こんにゃく、たけのこ、人参、ふき
・さわら西京焼
・鶏肉のバジル焼
・玉子焼
・にしん昆布巻
・うぐいす豆煮
・ふきみそ
・漬物
・桃シロップ煮

三春滝桜べんとう

三春滝桜べんとう

ふたを開けると、フワッと桜の香りが漂って、座席の周りが春になります。
筍ごはんは今どきらしく、味付けも量も抑制が効いた上品な作り。
ご飯は少なめ、おかずの種類は多め、女子ウケも良さそうな構成です。
実は日本三大桜の中で、駅弁になっているのは「三春滝桜」だけ。
たった1本の樹木をテーマに駅弁が出来てしまうほど、別格の存在であることが伺えます。
その意味でも、「三春滝桜」を見て、この駅弁をいただかないのは勿体ない!
今年(2018年)の滝桜の見ごろは、この週末’4/14,15)くらいまでとみられますが、「三春滝桜べんとう」は5月中旬ごろまで楽しめるということです。

キハ 110系 普通列車 磐越東線 三春駅

キハ110系・普通列車、磐越東線・三春駅

車窓の桜も楽しめる、この時期の磐越東線。
郡山~三春~船引間は、Suica(仙台エリア)も利用できます。
一方、春の青春18きっぷの期間は終わりましたが、4月16日までは東日本・北海道エリアの快速・普通列車が1週間乗り放題の「北海道&東日本パス」(10,850円)も販売中。
今年は桜前線を追いかけて、東北へ足を伸ばしてみてはいかがでしょうか?

連載情報

ライター望月の駅弁膝栗毛

「駅弁」食べ歩き15年の放送作家が「1日1駅弁」ひたすら紹介!

著者:望月崇史
昭和50(1975)年、静岡県生まれ。早稲田大学在学中から、放送作家に。ラジオ番組をきっかけに始めた全国の駅弁食べ歩きは15年以上、およそ5000個!放送の合間に、ひたすら鉄道に乗り、駅弁を食して温泉に入る生活を送る。ニッポン放送「ライター望月の駅弁膝栗毛」における1日1駅弁のウェブサイト連載をはじめ、「鉄道のある旅」をテーマとした記事の連載を行っている。日本旅のペンクラブ理事。
駅弁ブログ・ライター望月の駅弁いい気分 https://ameblo.jp/ekiben-e-kibun/

Page top