【ライター望月の駅弁膝栗毛】
新潟~酒田・秋田間を走るJR羽越本線の特急「いなほ」号
「いなほ」は元々、上野始発の在来線特急でしたが、上越新幹線の開業で新潟発着に・・・。
新潟駅で新幹線「とき」と接続して、山形県庄内地方と秋田の沿岸部を結んでいます。
現在のE653系電車は、常磐線の特急「フレッシュひたち」だった車両が転属したもので、5年前の平成25(2013)年から、夕日と海、稲穂をイメージしたカラーリングで活躍しています。
「いなほ」の魅力は、何と言っても車窓に広がる日本海。
東京~新潟~秋田間は、「とき+いなほ」の乗り換えで6時間ほどかかります。
秋田駅へは新幹線「こまち」より「+2時間」ですが、山形県境に近い由利本荘市、にかほ市へのアクセスでは時間差が少ないため、選択肢の1つとなります。
急ぐ旅でなければ、車窓が美しい日本海回りのルートもお薦めです。
そんな秋田の交通事情と、ご当地グルメがひと目で分かる掛け紙を施された駅弁といえば、秋田駅の「秋田のんめもの弁当」(1,100円)です。
去年(2017年)9月1日、秋の行楽シーズンに合わせて、秋田のご当地グルメをふんだんに盛り込んで登場した新作駅弁。
明治35(1902)年創業、秋田駅弁の「関根屋」が製造を手掛けています。
【お品書き】
・白飯(秋田県産あきたこまち)
・すき焼き風味付け牛肉
・男鹿しょっつる焼きそば
・タコのマリネ
・舞茸のバター醤油炒め(県産の舞茸と白神ねぎ)
・煮物(里芋、牛蒡、蒟蒻、人参、椎茸、蕗、筍)
・玉子焼
・蓮根甘酢漬
・しそ巻き大根
・バター餅
「関根屋」名物の牛めしをメインに、秋田県産食材を出来るだけ使った各地の美味しいもの(んめもの)が、しっかりと脇を固める駅弁です。
食材はご当地グルメの男鹿しょっつるやきそば、タコのマリネなど男鹿半島エリアが健闘。
また、舞茸と白神ねぎのバター炒めの食感が良く、食欲をそそります。
最後はもちろん、北秋田市の郷土菓子・バター餅で〆るのが良さそうですね。
今や羽越本線のエースと言ってもいい、特急「いなほ」号。
「いなほ」には、去年から今年にかけて新しい塗色の編成も登場しています。
また、4月15日から始発駅の新潟駅は、一部の在来線ホームが高架化されました。
これによって「いなほ」の一部列車は、新幹線と同一ホームで乗り換えが可能になりました。
時にはちょっぴり時間をかけて新潟回りで秋田へ・・・という旅も面白いかもしれませんね!
連載情報
ライター望月の駅弁膝栗毛
「駅弁」食べ歩き15年の放送作家が「1日1駅弁」ひたすら紹介!
著者:望月崇史
昭和50(1975)年、静岡県生まれ。早稲田大学在学中から、放送作家に。ラジオ番組をきっかけに始めた全国の駅弁食べ歩きは15年以上、およそ5000個!放送の合間に、ひたすら鉄道に乗り、駅弁を食して温泉に入る生活を送る。ニッポン放送「ライター望月の駅弁膝栗毛」における1日1駅弁のウェブサイト連載をはじめ、「鉄道のある旅」をテーマとした記事の連載を行っている。日本旅のペンクラブ理事。
駅弁ブログ・ライター望月の駅弁いい気分 https://ameblo.jp/ekiben-e-kibun/