お好み焼きのもとになった『煎餅(センビン)』『麩の焼き』そして『一銭洋食』

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『お好み焼き』を辞書で調べると、『水で溶いた小麦粉に、桜エビやイカ、肉、野菜などお好みの材料を混ぜて、熱した鉄板の上で焼いて食べる食べ物』とあります。

奈良時代、小麦粉を使った食べ物が中国から伝わって来ました。その中に小麦粉を水で溶いたものを、平らにして焼いたものがあったそうです。名前を『煎餅(センビン)』と言いますが、この字は『煎餅(せんべい)』と同じです。

16世紀後半の安土桃山時代、茶人の千利休『麩の焼き』という菓子を、茶席で使うようになりました。この『麩の焼き』ですが、小麦粉を水と酒で練った生地を薄く伸ばして焼いて、そこに味噌を塗って丸めたものです。今で言う『クレープ』のようなイメージです。

こうした『煎餅(センビン)』や『麩の焼き』が『お好み焼き』の始まりと考えられるそうです。江戸時代の終わり頃には、溶いた小麦粉を鉄板などに流し込んで、焼いて食べる・・・という習慣が、庶民の間にも広まりました。

その後、大正から昭和になると、駄菓子屋さんでは、水で溶いた小麦粉を鉄板で焼いて、その上に刻んだネギなどを乗せてさらに焼き上げて、ウスターソースをかけたもの・・・その名も『一銭洋食』が、子供たちの間で人気となりました。

この名前ですが、当時1枚『一銭』(1円の1/100)で売られていたことと、“ソース=洋食”のイメージが強かったことから『一銭洋食』と呼ばれていたそうです。これが現在の『お好み焼き』の形になったとも言われています。

(2018年5月9日放送分より)

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