【ライター望月の駅弁膝栗毛】
鉄道好きなら1度は乗りたい路線の1つ、指宿枕崎線。
九州新幹線の鹿児島中央から指宿を経由して枕崎までおよそ88kmのローカル線です。
前回ご紹介した特急「指宿のたまて箱」をはじめ、朝夕は快速「なのはな」が運行されており、鹿児島を代表する温泉地の1つ・指宿温泉への観光の足となっています。
また、途中の喜入までは毎時2~3本の普通列車もあり、大事な地元の足でもあります。
指宿の1つ先・山川(やまかわ、注)からは、昭和30年代になって開通した区間です。
昭和38(1963)年、西鹿児島(現鹿児島中央)~枕崎間が全通し「指宿枕崎線」となりました。
この区間は、普通列車が数時間に1本程度、枕崎まで行く列車は1日わずか6本です。
ただ、車窓から眺める薩摩富士・開聞岳(かいもんだけ)は圧倒的に美しい区間。
そして1度は降り立ちたい駅があります。
(参考)鹿児島県鉄道整備促進協議会ホームページ
それは、ホームから目の前にそびえる開聞岳が見られる「西大山(にしおおやま)駅」!
北緯31度11分、JR日本最南端にある駅として有名です。
駅前には「幸せの黄色いポスト」や「幸せのベル」などが設置され、ちょっとした観光スポットになっており、海外からのお客さんが見られることも・・・。
列車の本数は少ないですが、ほぼ並行して走る鹿児島交通の「路線バス」と組み合わせると、訪問しやすいです。
JR日本最南端の駅・西大山を組み合わせながら楽しみたい指宿枕崎線の旅。
鹿児島中央で買い求める駅弁も、枕崎ゆかりのものをチョイスしたいところです。
枕崎を拠点に、「だし」にこだわった鹿児島中央駅弁や鹿児島空港の空弁を作っている「ぶるぺん」には、地元の魚に詳しい方々が監修した「枕崎浜めし弁当」(1,080円)もあります。
平成26年から27年にかけて行われた第11回九州駅弁グランプリにも出品された駅弁です。
【お品書き】
・秘伝かます飯
・天然ぶりの照り焼き
・たかえび餃子
・かますフライ
・焼赤ムロ
・サバ焼なまりスライス
・煮しめ(大根、人参、椎茸)
・さつまあげ
・出し巻き玉子
・紅白かまぼこ
・かつお辛子高菜
ぶり、さば、かます、かつお、赤ムロ、たかえび・・・南の魚いっぱいの駅弁!
特にかつおだしで炊き込んだご飯に、焼きカマスを混ぜ込んだという「秘伝かます飯」は、他の駅ではまず見られない珍しいごはんです。
また単一食材を打ち出すことが多い駅弁にあって、魚の種類がココまで豊富な弁当も珍しく、
「ぶるぺん」によると、最近は「鰹一本釣り弁当」を上回る人気が出ているとのこと。
鹿児島の食材は肉だけでなく、実は魚もすごいんですね!
連載情報
ライター望月の駅弁膝栗毛
「駅弁」食べ歩き15年の放送作家が「1日1駅弁」ひたすら紹介!
著者:望月崇史
昭和50(1975)年、静岡県生まれ。早稲田大学在学中から、放送作家に。ラジオ番組をきっかけに始めた全国の駅弁食べ歩きは15年以上、およそ5000個!放送の合間に、ひたすら鉄道に乗り、駅弁を食して温泉に入る生活を送る。ニッポン放送「ライター望月の駅弁膝栗毛」における1日1駅弁のウェブサイト連載をはじめ、「鉄道のある旅」をテーマとした記事の連載を行っている。日本旅のペンクラブ理事。
駅弁ブログ・ライター望月の駅弁いい気分 https://ameblo.jp/ekiben-e-kibun/