鹿児島中央駅「鰹一本釣り弁当」(1,080円)~半分、黒い?JR最南の特急「指宿のたまて箱」で行く砂むし温泉の旅!

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【ライター望月の駅弁膝栗毛】

キハ47形 特急 指宿のたまて箱

キハ47形・特急「指宿のたまて箱」

九州新幹線の終点・鹿児島中央から、JR線最南端を目指す指宿枕崎線。
その看板列車が、平成23(2011)年に運行が始まった特急「指宿のたまて箱」です。
改造されたキハ47形には、海側が白、山側が黒のユニークな塗り分けが施されています。
指宿のたまて箱」は全車指定席で、鹿児島中央~指宿間を1日3往復。
途中、知覧方面へ路線バスが出ている喜入に停車し、およそ50分で結びます。

キハ47形 特急 指宿のたまて箱

キハ47形・特急「指宿のたまて箱」

「指宿のたまて箱」は、駅に着き、ドアが開くと・・・玉手箱のように“白い煙”がモクモク!
ドアが開くのに合わせて、屋根の装置からミストが噴霧される珍しい仕掛けがあるのです。
実は指宿枕崎線を走る薩摩半島には、竜宮伝説があるのだそう。
ただ、玉手箱の煙を浴びたら、一気に年を取ってしまうのでは???
大丈夫! 指宿には美肌にも効能があるとされる「アレ」があります!!

砂むし会館 砂楽

砂むし会館 砂楽

指宿で300年以上にわたり、湯治文化として受け継がれてきたという「砂むし温泉」!
駅前から路線バスで5分ほど、「砂むし会館 砂楽(さらく)」で、気軽に体験できます。
砂むしとは、温泉熱で温められた砂に埋まって温まる入浴法。
最近では医学的な効能が認められることも明らかになって、ますます人気を集めています。
玉手箱のミストは、砂蒸しへGO! の合図ですよね。

砂むし会館 砂楽

砂むし会館 砂楽

砂むし会館 砂楽

砂むし会館 砂楽にて筆者

受付でレンタルの浴衣をはじめセット一式(1,080円)を受け取って、脱衣所で浴衣1枚になり、タオル片手に温泉が湧きだしている砂浜へ・・・。
グループで1つ、カメラを持ち込んでもOK、係員の方に頼めば、シャッターを押してくれます。
砂に埋めてもらっておよそ10~15分、額にうっすら汗を感じる頃には、体の芯からポカポカ!
指定された場所で浴衣を脱いで砂を落とし、ナトリウムー塩化物泉の湯船に浸かれば、身も心もサッパリとした気分になります。

鰹一本釣り弁当

鰹一本釣り弁当

砂むしを楽しむと、思いのほか体力を使って、お腹が空いてくるもの。
指宿枕崎線の山川(やまがわ)、終点・枕崎には漁業基地があり、カツオが名産です。
そんな指宿枕崎線の列車でいただく駅弁にふさわしいのが「鰹一本釣り弁当」(1,080円)!
枕崎を拠点に地元の食材を使って、鹿児島中央の駅弁や鹿児島空港の空弁を手掛けている「ぶるぺん」が製造しています。

鰹一本釣り弁当

鰹一本釣り弁当

【お品書き】
・ご飯(鹿児島県産米、鰹、昆布)
・枕崎ぶえん鰹
・煮物(筍、人参、高野豆腐)
・鰹フライ
・薩摩揚げ
・茄子としめじの和え物
・インゲンのおひたし
・出汁巻き玉子
・さくら漬け

鰹一本釣り弁当

鰹一本釣り弁当

生姜と醤油のたれに漬けこんだ「枕崎ぶえん鰹」の照焼きが載った鰹の炊き込み飯がメイン。
これに鰹のカツ、鰹だしを効かせた煮物・出汁巻き玉子まで入った鰹づくしの駅弁です。
「枕崎ぶえん鰹」とは、一本釣りした鰹を船上で活き締めした枕崎市漁協のブランド鰹。
南の海のように大らかに包んでくれる、優しい味わいが楽しめます。
ぶるぺんによると今年で発売10年、第5回九州駅弁グランプリでも上位に入った駅弁です。

キハ47形 特急 指宿のたまて箱

キハ47形・特急「指宿のたまて箱」

都市部の方が地方の旅を楽しむとき、最寄りの空港に着いたらあまり考えずにレンタカーを借りてグルグル・・・という方が多く見られます。
1つの楽しみ方ではありますが、観光列車が充実した九州で、コレはあまりに勿体ない!
例えば、鹿児島中央駅ビルの「アミュプラザ鹿児島」には、新幹線・特急列車の利用者が1日600円で駐車できるサービスがあります。(有人改札で駐車券を見せると手続してくれます)
本来は地元の方向けの「パーク&ライド」サービスかと思いますが、観光客もこれを活かして駅にクルマを停め、指宿への往復は「指宿のたまて箱」を利用するのも大いにアリ!
せっかくの鹿児島旅、いろんな乗り物を楽しんで、ディープな鹿児島を満喫しましょう。

連載情報

ライター望月の駅弁膝栗毛

「駅弁」食べ歩き15年の放送作家が「1日1駅弁」ひたすら紹介!

著者:望月崇史
昭和50(1975)年、静岡県生まれ。早稲田大学在学中から、放送作家に。ラジオ番組をきっかけに始めた全国の駅弁食べ歩きは15年以上、およそ5000個!放送の合間に、ひたすら鉄道に乗り、駅弁を食して温泉に入る生活を送る。ニッポン放送「ライター望月の駅弁膝栗毛」における1日1駅弁のウェブサイト連載をはじめ、「鉄道のある旅」をテーマとした記事の連載を行っている。日本旅のペンクラブ理事。
駅弁ブログ・ライター望月の駅弁いい気分 https://ameblo.jp/ekiben-e-kibun/

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