【ライター望月の駅弁膝栗毛】
北鎌倉駅を発車した横須賀線の列車は、鎌倉五山第2位のお寺・円覚寺を横に見ながら、逗子・久里浜方面へと向かっていきます。
第1位の建長寺も北鎌倉が最寄り、第3位の寿福寺は北鎌倉~鎌倉間の扇ヶ谷トンネルを抜けると、下り列車では程なく進行方向右手に見えてきます。
北鎌倉から鎌倉まで1駅、名刹めぐりや食べ歩きを楽しむ方も多いですね。
「大船軒」には、鎌倉の寺社仏閣などの協力を得て掛け紙を作っている季節の駅弁、「鎌倉散策弁当」シリーズがあります。
現在、発売中のものは「鎌倉散策弁当 紅葉ごよみ」(1,100円)。
今年の秋バージョンは、鎌倉駅からバスで15分ほど乗り、そこから歩いておよそ10分、鎌倉五山に次ぐ、関東十刹に列せられる「瑞泉寺」の美しい紅葉が掛け紙を彩っています。
【おしながき】
・マカロニと鮭のクリーム煮
・蒸鶏のクルミ味噌和え
・秋刀魚と茄子のガーリックトマト焼き
・栗入り栗おこわ
・豚肉と大根のスープ煮 人参ソース
・牛肉の大和煮
・蒲鉾
・玉子焼き
・ビーツのマリネ
・小豆とサツマイモの羊羹
栗ごはんやおかずの彩りが華やかなのはもちろん、マカロニと鮭のクリーム煮や、秋刀魚と茄子のガーリックトマト焼きなど、手間をかけたおかずがいっぱい!
見た目は和の雰囲気ですが、いただくと洋の味わいも感じられて、まるで鎌倉のお洒落なお店を食べ歩いているかのような気分になれそうです。
それもそのはず、以前もお伝えした通り、大船軒の製造本部の部長は、かつて上野~札幌間で運行され、人気を博した寝台特急「北斗星」の食堂車・グランシャリオを担当されていた方。
あの頃と同様、手間を惜しまず、“北斗星の技”がギュッと詰まった駅弁でもあるのです。
何度訪れても、散策が楽しい鎌倉の街。
山あり、海あり、歴史あり。
季節の美味しいものを組み合わせれば、よりよき旅の思い出も生まれることでしょう。
今年の秋も、歴史と技が詰まった駅弁と共に、湘南・鎌倉の鉄道旅を楽しんでみてはいかがでしょうか。
連載情報
ライター望月の駅弁膝栗毛
「駅弁」食べ歩き15年の放送作家が「1日1駅弁」ひたすら紹介!
著者:望月崇史
昭和50(1975)年、静岡県生まれ。早稲田大学在学中から、放送作家に。ラジオ番組をきっかけに始めた全国の駅弁食べ歩きは15年以上、およそ5000個!放送の合間に、ひたすら鉄道に乗り、駅弁を食して温泉に入る生活を送る。ニッポン放送「ライター望月の駅弁膝栗毛」における1日1駅弁のウェブサイト連載をはじめ、「鉄道のある旅」をテーマとした記事の連載を行っている。日本旅のペンクラブ理事。
駅弁ブログ・ライター望月の駅弁いい気分 https://ameblo.jp/ekiben-e-kibun/