大船駅「伝承 鯵の押寿し(6貫・120周年記念ロゴ付限定掛け紙)」(980円)~年間150万匹のアジに感謝!「大船軒・第5回鯵祭」!!

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【ライター望月の駅弁膝栗毛】

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185系電車・特急「踊り子」、東海道本線・茅ヶ崎~平塚間

日曜の昼下がり、大きくモーターの音を唸らせて相模川(馬入川)を渡っていくのは、国鉄時代から活躍している185系電車の特急「踊り子」号。
「踊り子」号は大船を出ると、小田原までノンストップで伊豆方面へ向かいます。
ちょうどこの辺りが、「踊り子」号の駅弁タイム。
陽光にきらめく相模川や相模湾を眺めていただく駅弁は、一層美味しく感じますよね!

大船軒 本社 鯵の押寿し 踊り子 鯵祭 鯵供養 伝承 坂ノ下御霊神社 鎌倉神楽

大船軒本社

そんな「踊り子」号の車内販売でもおなじみ、「鯵の押寿し」を製造する「大船軒」の本社は、大船駅西口から少し歩いたところにあります。
コチラの本社は、昭和6(1931)年築の“昭和モダン”な建物。
この本社に隣接する駐車場で10月21日(日曜日)、「大船軒 第5回鯵祭(あじまつり)」が開催されました。

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鯵祭(あじまつり)

「鯵祭」のメインは、大船軒で昔から行われている「鯵供養」の祭事。
「大船軒」では1年間におよそ150万匹のアジを使って、「鯵の押寿し」「伝承 鯵の押寿し」をはじめとした各種駅弁を製造しています。
日ごろ、お世話になっている鯵への感謝の気持ちを込めて、鎌倉市内にある坂ノ下御霊神社の神職の方を招いて、毎年10月に祭事を執り行っているんです。

江ノ島 電鉄 1000形 電車、江ノ島電鉄線・極楽寺~長谷間

江ノ島電鉄1000形電車、江ノ島電鉄線・極楽寺~長谷間

「坂ノ下御霊神社」…と聞いて、ピンと来た方は、たぶん“鉄分濃いめ”。
そう、この神社、“鉄分が濃い”スポットとして知られていて、江ノ電の踏切を渡らないとお参り出来ない、実に鎌倉らしい風景が楽しめるお社なんです。
地元の方に伺いますと、この辺りはTVドラマの舞台になってから、参詣客の方がグッと増えたそうで、長谷駅から近いこともあり、国内外多くの方がお参りに訪れているといいます。

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鎌倉神楽(慰霊の神楽)

鯵供養の祭事では、「鎌倉神楽」の一部も神前に奉納されました。
「鎌倉神楽」とは、産土神と火の神・水の神を招神して心身を清め、除災招福を祈る神楽で、鎌倉一円の神社で行われ、文化財として由緒ある神楽なんだそうです。
祝詞をあげて、鯵への感謝を申し上げ、慰霊の神楽で、鯵の霊を慰めていきます。
神楽の派手さはありませんが、改めて魚の命をいただいているのだと厳粛な気持ちに…。
なお、鯵供養の後は、この祭事を見守った一般のお客さまも、神式の「二礼・二拍・一礼」で、鯵への感謝の意を伝えられていました。

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鯵の押寿し(3貫)の販売

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大船軒の歴史パネル

「鯵祭」では、祭事に先立って「鯵の押寿し(3貫)」(120円)が、300個限定で販売されたほか、「鯵の切り落し」などのお買い得商品も販売され、およそ100人の方が行列を作りました。
主に駅弁でおなじみのおかずが、1パック・100~350円ということもあり、昼前には完売。
また、休憩スペースには、これまでの歴史を振り返る「大船軒」の歴史パネルも展示され、たっぷりお買い得品を買い込んだ皆さんが120年にわたる歴史を見入っていました。

伝承 鯵の押寿し 6貫 120周年 記念 ロゴ付 限定 掛け紙 押寿し 大船軒

伝承 鯵の押寿し(6貫・120周年記念ロゴ付限定掛け紙)

この「大船軒」創業120周年の記念ロゴが入った限定掛け紙の「伝承 鯵の押寿し(6貫)」(980円)が、10月19日(金)から1,500個の数量限定で登場しています。
大船軒・小川英恵さんによりますと、120年のレトロ感を出すため、明治時代に国に提出した「駅弁の売り子の衣装」の申請書をアレンジして、掛け紙のデザインとして取り入れたそう。
100年以上続く駅弁屋さんだからこそ感じられる歴史の重みですね!

伝承 鯵の押寿し 6貫 120周年 記念 ロゴ付 限定 掛け紙 押寿し 大船軒

伝承 鯵の押寿し(6貫・120周年記念ロゴ付限定掛け紙)

1匹から2枚しか取れない小鯵を使って作られた、大船軒の「伝承 鯵の押寿し」。
発売当時、「鯵の押寿し」は地元で獲れた小鯵をメインに、中鯵が獲れる時期は中鯵を使っていましたが、小鯵、中鯵が安定して確保できるようになったことで、中鯵のものを「鯵の押寿し」、小鯵のものを「特上 鯵の押寿し」に分けて販売していました。
しかし、いわゆる景品表示法によって「特上」の定義が厳格化されたため、大正時代に「鯵の押寿し」が誕生した際に「小鯵」を使っていたことから、その伝統を受け継ぐ駅弁として「伝承 鯵の押寿し」というネーミングとなり、現在に至ります。

伝承 鯵の押寿し 6貫 120周年 記念 ロゴ付 限定 掛け紙 押寿し 大船軒

伝承 鯵の押寿し(6貫・120周年記念ロゴ付限定掛け紙)

関東風に握り、関西風に押して出来る、大船軒の「鯵の押寿し」。
少し強めの酢の香りが、鉄道旅の気分を盛り上げます。
現在、アジは安定した量を確保するため、長崎の契約先から仕入れているそう。
このため、掛け紙にかつてあった「湘南名物」というロゴは外されましたが、大船駅で105年にわたって受け継がれている「鯵の押寿し」の駅弁文化は、れっきとした湘南のものでしょう。

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185系電車・特急「踊り子」、東海道本線・辻堂~藤沢間

大船駅で100年以上続く伝統の味「伝承 鯵の押寿し」。
現在、東日本エリアで開催中の「駅弁味の陣2018」にもエントリー中です。
改めて、日本の駅弁文化と歴史の重みを感じながら、出来れば湘南・鎌倉エリアを訪れて、今だけの限定掛け紙でいただいてみてはいかがでしょうか。

連載情報

ライター望月の駅弁膝栗毛

「駅弁」食べ歩き15年の放送作家が「1日1駅弁」ひたすら紹介!

著者:望月崇史
昭和50(1975)年、静岡県生まれ。早稲田大学在学中から、放送作家に。ラジオ番組をきっかけに始めた全国の駅弁食べ歩きは15年以上、およそ5000個!放送の合間に、ひたすら鉄道に乗り、駅弁を食して温泉に入る生活を送る。ニッポン放送「ライター望月の駅弁膝栗毛」における1日1駅弁のウェブサイト連載をはじめ、「鉄道のある旅」をテーマとした記事の連載を行っている。日本旅のペンクラブ理事。
駅弁ブログ・ライター望月の駅弁いい気分 https://ameblo.jp/ekiben-e-kibun/

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